新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN 作:植村朗
エヴァを整備班に預け、
それを聞いたアスカが、悪寒に肩を震わせる。
「…なによ、気持ち悪いわね」
「いやー、さっき日重と連絡取ったんだけどね?
向こうの通信車両内…完全に
エヴァに対抗するために開発した虎の子のロボットが使徒に完封された上、
時田の奴なんて、通信が繋がった瞬間に眼ェ血走らせて
『何かねッ!?哀れな道化を笑いにきたのかね葛城三佐ッ!?』
っと来たもんよ。ざまぁないわ、あの
「…確かにいけ好かないオヤジだったけど、アンタも大概よ、ミサト」
「また髪の話してる…(´・ω・`)」
溜まった鬱憤が一気に吹っ飛んだ
一方のレイは、時田の事を『キャラが濃そうで面白いおっちゃん』程度に受け止めていた故、毒の沼地のごとくダメージを受け続けているであろう彼の毛根に同情した。
「…んで、結局どーしたん葛城三佐。
悔しさで肩をプルプルさせてる
ねぇねぇどんなきもち?とか煽りつつサイドステップしたり?」
「あらーレイ。そこまで私は鬼じゃないし、ご助力にはお礼も言っといたわよ?
いや、気持ち的にはそんぐらい追い打ち掛けたかったけど」
「あーもう、これだから日本人はっ!やる方もやられる方も陰湿で反吐が出るわっ!
それにお礼も何も、あのジェットアローンとかいうポンコツ…役立たずも良い所よ!
A.T.フィールドの前には、まったく無力だったじゃないの!」
会話に割り込んだアスカに、毒を吐き出してスッキリしたミサトは笑んでみせた。
「逆に言えばA.T.フィールド無しで
本部にデータ送ったら、リツコが目の色を変えてたわ。
物理耐久性と、マグマをものともしない装甲技術については、是非とも協力を願いたいって言ってたしね。
『人の好き嫌いと、能力の有無は別物』って、アスカの座右の銘でもあるでしょ?」
「そ、それはそうだけどぉ…」
「考えてみりゃーJAが潜航して使徒を引き上げたから、アスカっちが潜らずに済んだわけで…
その辺は日重さんに感謝しても良いんでないの?
…まぁ
「解ったから
最早レイに突っ込む気も失せたのか、アスカは大きな溜め息をつく。
耐熱スーツとエヴァ用の耐熱装備の不格好さには散々文句を言っていた以上、
『そこだけは確かに感謝してもいいかも』と思い直した。
「何はともあれ、二人ともお疲れ様。
近くにいい温泉旅館があるから、今日は一晩羽を伸ばして…
ゆっくり疲れを取ってちょうだい」
「やりー!温泉おんせーん!」
「へぇー、たまにはミサトも気が利くじゃないの」
「たまには余計よっ」
軽口を叩きつつ、女戦士達は休息を取ることとなった。