新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN   作:植村朗

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|_ ̄;)ストーリーは遅々として進まないけどビッグサイト行く前にちょこっと


44、リナレイさん&技術部さん、作戦会議にIN

NERV本部・作戦会議室。

技術オペレーター・伊吹マヤは、滑らかな手つきでキーボードに指を走らせる。

その隣には、彼女の上司である赤木リツコ博士が席に着き、

向かい合わせにエヴァパイロット達…レイ、アスカ、シンジの3名が並んでいた。

 

「現場の葛城三佐、日向二尉よりデータが届きました。

日本重化学工業は局地仕様の人型ロボット、ジェットアローン・マグマダイバーを投入。

同機をサポートするため、通信車両や補給車両が浅間山周辺…

つまり、足場の悪い山岳地形に先行しています。

その関係でこちらの車両台数が制限され、エヴァの展開は二体が限界です」

 

マヤは童顔に渋い表情を浮かべ、モニターに地図を映し出す。

日重の車両配置ポイントが赤い光点で、NERVのそれが青い光点で示されていた。

 

「それと、もう一つ悪い知らせが…。

さきほど情報部の青葉二尉から連絡がありましたが、

葛城三佐が要請した『特令A-17』は、委員会により却下されました」

「まさか、このタイミングで外部の介入とは…状況は(かんば)しくないわね。

恐らく日重は、NERVに対抗できるだけの力を溜めていたんだわ」

 

リツコは愛弟子に相槌を打ちつつ、溜め息をついた。

『A-17』はNERV権限を最優先させる強力な特令であり、他組織の介入に対して資産凍結の可能性をも含むが、それが却下されたという事は、日重のバックにいる日本政府に根回しされていたのだろう。

 

アスカが来日する直前頃に予定されていたジェットアローン完成披露パーティーは、リツコが思い返す限り急遽延期になっていた。

ミサトの話では時田代表はA.T.フィールドの情報まで得ていたという。

第五使徒戦…攻守ともに優れた敵生体との戦闘データも手に入れ、機体に反映させているかもしれない。

 

(時田シロウ代表…自己顕示欲が強いだけの俗物ではないという事かしら)

思案を巡らせるリツコの表情を伺いつつ、シンジが遠慮がちに挙手する。

 

「あの…エヴァは今回、二体しか出せないんですよね?編成はどうすれば…」

「そうね。弐号機は今回外せないから、零号機と初号機、いずれかが待機よ。

どうするかは貴方達で決めてちょうだい。なるべく早く、ね」

 

名指しされた肝心の弐号機パイロット…

アスカは尊大に腕と足を組んだまま、口を『へ』の字に曲げている。

ひょい、とレイが彼女の顔を覗き込んだ。

 

「アスカっち、ご機嫌ナナメだねー?」

「あったりまえよ!もしマグマの中の『何か』が使徒だったとして、

その日本重ナンチャラって組織が捕獲成功したら、アタシ達NERVは出し抜かれた事になる。

失敗したら失敗したで、アタシと弐号機が()()不格好な耐熱装備でマグマに潜るわけでしょ。

不機嫌にもなるわ!」

「じゃあコアを変換して、僕か綾波さんが弐号機に乗れば…」

「それはもっと嫌!アタシが弐号機で出るのは確定よ!」

 

椅子を蹴倒さんばかりの勢いで立ち上がったアスカは、腰に手を当てて残る二人(バカップル)を見下ろした。

シンジがたじろいで身を引くのとは対照に、レイは小首を傾げる。

 

「やっぱ、愛機を()()()()()()()に任せるのは我慢できない?アスカっち的には」

「…そこまでは言わないわよ。NERVでもバンドでも、それなりの時間を過ごしたもの。

バカナミとは二人乗り(タンデム)もしたし、シンジの腕が悪くないのも知ってる。

でもアタシにとって、弐号機は特別なの。それだけは解って」

「りょーかい。んじゃーアスカっちのバックアップには、あたしが付こうか」

 

レイはそれ以上アスカの事情に踏み込まず、相方に立候補する。

出遅れたシンジは二人の間で視線をさまよわせ、アスカはそれを見て肩を竦めた。

 

「シンジ、もし迷いがあるなら待機しときなさい」

「でも、綾波さんとアスカを戦わせて、僕だけが…」

「まさか『戦いは男の仕事』なんて前時代的なコト考えてんじゃないでしょうね?

それとも…ふふぅん?()()()()()()()と四六時中一緒にいないと気が済まないの?」

「うぐっ」

 

図星を突かれて真っ赤になったシンジを見て、機嫌を直したアスカは悪戯っぽく笑う。

椅子から立ち上がったレイも、前傾姿勢でシンジに視線を合わせた。

 

「大丈夫だよ、碇くん。

良い子にしてたら、お土産に温泉まんじゅう買ってきてあげるから…

あ、ヤバッ!今の約束って、なんか死亡フラグっぽかった!?

ここは逆に()()()()()()()()()()()()生存ルートに切り替えないと!

どうしよう?パインサラダ作る!?結婚する!?

「え、えぇぇ!?」

「暴走してんじゃないわよバカナミッ!ほらっ、とっとと行く!」

 

「はぁ…先が思いやられるわね…」

「ふふっ、でも先輩。なんだか、この子達らしい気がします」

すっかり緩んだ空気にリツコは額を押さえ、マヤは苦笑しつつもデータを入力した。

 

エヴァ弐号機:惣流・アスカ・ラングレー 出撃

エヴァ零号機:綾波レイ 出撃

エヴァ初号機:碇シンジ 本部待機

 

布陣決定である。


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