新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN   作:植村朗

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別枠:R18で何かやってます(41.5話)
本編:チルドレンはみんなお休み。放っておかれてたアイツが登場。


43、ミサトさん、浅間山地震観測所にIN

浅間山上空を旋回する国連軍(UN)の哨戒機より、NERV本部にデータが送られてきた。

 

火口外部からの透過画像では、マグマ内に『影』のような異物がある事は検知されたものの、正体は不明。

スーパーコンピューター・MAGIの予測では、これが使徒か否かは半々(フィフティ・フィフティ)との事である。

 

現地…浅間山・地震観測所に向かったミサトと、彼女の副官である日向二尉がVTOL機から降りた時…

出迎えたのは、同観測所の所員ではなかった。

 

やや斜に構えたスーツ姿…三十代半ばといった年頃の、少々前髪が後退気味の男。

初対面ではあるが、データ上で見覚えのある顔に、ミサトは息を飲んだ。

 

日重(ニチジュウ)の時田シロウ代表…!?何故ここに…」

「こぉれはこれは、NERVの女傑・葛城ミサト作戦部長殿!一足遅かったようですなぁ!?

なぁに。マグマ内の『異物』…その観測・回収は我々に任せてもらいたいのですよ」

 

政府を後ろ盾に持ち、ロボット工学ではNERVに迫ろうかという技術力を持つ民間組織…

日本重化学工業共同体のトップ・時田は笑いに顔を歪める。

嫌悪を催す表情に、ミサトは鼻を鳴らした。

 

「この件に関してはNERVの方が専門です。余計な手出しはご遠慮願いたいわね。

迂闊なことをして、セカンドインパクトの二の舞は御免だわ」

()()が例の敵生体と決まったわけではないでしょう。

日本政府…そして、あなた方の上層組織である()()()からも正式に許可を頂いております」

「委員会が…?」

 

怪訝な表情のミサトの眼前に、時田は判子を押されたA4の書簡を掲げ、正式な書類である事を示した。

ミサトの後ろに控えていた忠実な副官が進み出て、時田を睨みつける。

 

「君は?」

「こちらの葛城の部下…NERV作戦部の日向マコト二尉であります。

貴共同体が開発したロボット…ジェットアローンと言いましたか。

確かリアクター内蔵による長時間行動を売りにしていたと記憶しています。

()()()()()を溶岩に投入すれば、この辺り一帯が高濃度汚染区域・待ったなしかと思われますが」

「心配ご無用。新たに開発した局地仕様の機体『ジェットアローン・マグマダイバー』は、核動力を使っておらんよ。

それに…パイロットを危険に晒してまで有人ロボットを潜航させるよりは、遠隔操縦のJAの方がよほど人道的と考えるがね」

「…っ!」

 

ギリリと奥歯を噛みしめた日向をミサトは片手で制し、時田へと向き直った。

 

「解りました。ですがもしマグマ内の異物が()の敵生体であった場合は、

倒せるのは我々NERVだけです。その時は特務機関権限を行使させて頂きますので悪しからず」

「A.T.フィールド、ですか?その研究は我々も日々進めています。

…いつまでもNERVの時代ではないのだよ、()()()()

「若く見られるのが嬉しい年頃になったとはいえ、

相手と言い方によっては、こんなに虫唾が走るなんてね。

行くわよ、日向くん。時田代表のお手並み、とくと拝見しましょう」

「…はい」

 

(諜報部を出し抜いたのは、こいつか…!)

地球防衛バンドとは別件で外部に流れた情報の欠片(ピース)が、ここでハマる。

時田の脇を抜け、ミサトは携帯電話を取り出し…本部へとコールを入れた。


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