新世紀エヴァンゲリオン リナレイさん、本編にIN   作:植村朗

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R-18枠に19.5話があります。
ABCのうちB止まりなのであしからず。


20、シンジくん、再び思春期的なアレにIN

碇シンジはゆっくりと目を開けた。

視界に入ったのは灰色の天井。そして、赤い瞳と青い髪。

丸椅子に座り、制服に身を包んだ家主の少女…。

タブレット端末をいじる綾波レイだ。

 

「綾波さん…?」

「おっはー碇くーん。お昼寝タイムは堪能したかね?

いま12時半(ヒトフタサンマル)なんで出発準備よろしく~。

あ、服はソコね」

 

ここに来たのは午前中だったから…だいぶ時間が過ぎてしまっている。

半身を起こしたシンジは、ぼやけた視界のまま目を動かした。

レイが指差した枕元には学生ズボンと、白いブラウス。

ソックスに、アンダーシャツに…ブリーフ。

そう…一番上にあったのは、ブリーフである。

 

「服…?僕の…?」

「寝ぼけてそのカッコのまんま外に出ないようにね?おまわりさんに捕まっちゃうゾ♪」

 

レイは己の唇に指をあて、小首を傾げてニンマリと笑む。

シンジはようやく気づいた。自分が全裸であったことに。

 

「へ…?うわあぁぁっ!?」

 

シンジは裏返った声を上げ、慌てて布団を引き上げた。

…仰向けで転がされたあと、レイとベッドの上で何をしたかを思い出す。

()()までは行っていないが、()()()()は出していた。

 

疲労で意識を飛ばしてしまったシンジだが、汗をかいたはずの肌はさっぱりしている。

寝ている間にレイが彼の身体を()()()()拭き清めてくれたのだろう。

シンジは、発火しかねないレベルで熱い顔面を、両手で覆った。

 

「いやー、良くお休みだったようで。本部に行く前に頑張っちゃったねー?」

「……」

「ところで碇くん!日本語では頑張ることを『精を出す』といいますな!」

「言い直さなくていいよッ!?服着るから向こうむいてて!」

「んもぅ、男の子なのに言う事が乙女だなぁ」

「綾波さんが直球すぎるんだよ…」

 

どことなく泣きそうな声色のシンジに対し、

くすくすと喉を鳴らしながら、レイは体育座りで背を向ける。

着替え終わったあと、シンジは彼女と背中合わせで座った。

 

「ねぇ…なんで僕なんかと…あんな事」

「なんだよなんだよーぅ。あたしじゃ不満かー?んー?」

「そ、そうじゃないけど!その、びっくりしたから」

 

やや芝居掛かったレイの声とともに、ぴたり、と背中同士がくっつく。

シンジは身を跳ねさせたが、拒絶はしない。

 

レイは強引ではあったが、決して不快ではなかった。

なにより、先の『じゃれ合い』は『とてもとてもきもちのいいこと』だった。

 

「あえていうなら…絆…かな」

「絆?」

 

少々の間のあと、言葉を紡いだレイに、シンジは聞き返す。

 

「ほら、一緒に死線をくぐり抜けた、いわば()()ってやつじゃん?

NERVのみんなも、そうっちゃそうなんだけど…

現場にいるのは、エヴァに乗ってるあたし達だし。

…温もりを感じておきたかったんだよ、碇くんの」

「…いつ死んでもいいように?」

「違うよ。二人とも、生き延びられるように。

よし、いい時間だし、そろそろ行こっか!」

 

レイが立ち上がり、シンジも続く。

愛だの恋だのとも少々違う、男女の戦友としての絆。

シンジは全てを理解は出来ぬまま…

だが、レイの無根拠にも見える自信に、安心感を得ていた。




原作でのキーアイテムであるゲンドウさんの眼鏡は、この世界では回収されてません。
ゲンちゃんとの絆?どっかにあるんじゃない?(適当)

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