この素晴らしい世界に問題児が大暴れらしいですよ? 作:世界は嘘で出来ている
取り合えず駄文です。
最後に一言。
ーーーーーアイリスは可愛い。
「な、何故ここにアイリス様が.....はっ!まさか十六夜殿が?」
「ああ俺が連れてきたぜ」
「はぁ.....この御方は王女ですよ」
「そんなこと知ってるぜ?それにアイリスも了承したから連れてきたんだしな」
「いえ...最初は半ば強引だった気がしますが」
「それで十六夜どうするのよ」
「ああ。冒険者登録してこないとな」
「いやいやそうじゃなくて!王女様なんて連れてきたら牢獄通り越してその場で死刑よ死刑!」
アクアが王女様と言ったときアイリスの表情はバルコニーで初めて十六夜と会った時と同じ表情になっていた。恐らくだが幼い頃から老若男女問わずアイリスの事を王女様やアイリス様と呼んでいたのだろう。年が近くても自分の事を様付けで呼ばれれば友達なんてものは出来なかったはずだ。友達の作り方を知らない...だからお兄様か。
「おいアクア」
「な、何よ!そんな低い声で呼ばないでくれる!?ビックリして泣いちゃうでしょ!」
自然と口調が低くなっていたことに驚きつつもアイリスの頭を撫でながらアクアにデコピンをくらわせたのと同時に冒険者ギルドの扉が開き騒々しく3人のパーティーが入ってきた。
「この冒険者ギルドに逆廻十六夜という男がいるはずだ!正直に名乗り出てもらおう!」
「早く出てきなさいよー!私の響夜を待たせるんじゃないわよ!」
「っ!?いつあんたのになったのよ!響夜はあたしのよ!!」
冒険者ギルドの受付嬢のルナはまたかと本日2度目の同じ名前に頭を抱えていた。
「痛っ!十六夜何するのよ!....て王女様めっちゃ気持ち良さそうね....し、仕方ないから十六夜がどうしてもって言うならこの高貴な女神であるアクア様の頭を特別に撫でることを許可してあげるわ!ありがたく思いなさい!」
「私もこんなお顔のアイリス様を見るのは初めてだ....い、一体どんなテクニックを隠し持っているのだ!!はぁはぁ....」
「ロリコンですか?ロリコンですか?」
「ふにゃ~.....はっ!お、お兄様。は、恥ずかしいです」
「アイリスが恥ずかしいって言うならやめとくか」
アイリスの頭から手を離すと物欲しそうな目でアイリスはずっと十六夜の手を見ていた。
「あっ......はう.....」
「ちょっと!無視!?私の話は無視なの!?」
「っ!!あ、アクア様じゃないですか!?」
「(アクアを知ってるって事はこいつも異世界人か?てことはチートアイテムを持ってるわけだ)」
「アクアの知り合いなのですか?」
「あんた誰だっけ?」
「ぼ、僕ですよ!御剣響夜です!アクア様にこの魔剣グラムを授かった!」
「え、えーと。あははごめんねー。忘れちゃった、でも大勢の人達送ったし覚えてなくても仕方ないわよね?」
「え、ええ.....まあ、そうですね。お元気そうでなによりですアクア様。ですが何故あなたがこの世界に?」
「え、えーと.....」
ーーーーー閑話休題。
アクアの説明が終わると御剣という男は十六夜の胸ぐらをいきなり掴みながら叫んできた。
「君は一体何を考えてるんですか!?」
「おいおい落ち着けよ。色男が台無しだぜ?」
「.....クルセイダーにアークウィザード....成る程パーティーメンバーには.....アイリス様ぁ!?」
「おいおい。俺の妹を気安く呼ぶんじゃねーよ」
「貴方は本当に一体何を考えてるんですか!?女神であるアクア様をこの世界に連れてきてあまつさえこの世界の王女である、アイリス様をこんな場所に誘拐するなんて!」
「おいおいうるせーな。野次馬が増えちまうじゃねーか」
「君達良ければ僕のパーティーに入らないか?何でも好きな武器を買ってあげよう。アイリス様もお迎えに来たのですよ?さあ一緒に」
「な、なんなの?なんかこの人ヤバイんですけど.....ナルシスト系も入ってて超ドン引きなんですけど」
「責めるより受ける派の私だがこの受けは精神的に受け付けない.....」
「打っていいですか?打っていいですか?」
「ここで打ったらアイリスが怪我するから却下」
「わ、私も....もう少しお兄様と一緒にいたいのです!」
「てことで全員却下だな。残念だったな色男」
「待ってくれ!....そうだ勝負をしないか?」
「勝負?」
「ああそうだ。勝った方の言うことを何でも聞く。これでどうだろうか?」
「ヤハハ。何でもいいぜ、それじゃ場所を移そうぜ?ここじゃ迷惑になる」
「ああ、そうだね」
「もう!あんたが変なところでくいかかってくるから響夜行っちゃったじゃない!」
「何よ!あなたのせいでしょ!もう!待ってよぉ響夜ー!」
アクアとめぐみんとアイリスは十六夜のほんの少しの変化に気付いていた。
御剣響夜に勝負を挑まれたときこれ以上ないほど嬉しそうに笑っていたことに。
「だ、駄目だ、十六夜殿!御剣響夜では相手が悪すぎる」
「えーと。ララティーナどうした?」
「し、下の名前で呼ばないでくれ!私はダクネスだ!ではなくて....あの御剣響夜という男は女神から授かったという魔剣グラムで龍をも一刀両断するそうだ....王都でも知らぬものはいないほどの冒険者なんだぞ!それに話を聞いた限りでは十六夜殿は、まだ冒険者ではないらしいではないか」
「ああ。確かに冒険者じゃねーが。俺は負けねーよ。ヤハハ」
十六夜は笑いながら冒険者ギルドを出て御剣に着いていく。
「な、何故....」
「ねえダクネス。私も十六夜は負けないと思うわよ?」
「私もです。というか負けるところが想像できません」
「私のお兄様は一撃熊すら片足で倒すくらいですから♪」
「ちょ、ちょっとその話私知らないわよ!?」
「片足で一撃熊を....何ですか冒険者にならずに人間を辞めたのですか?」
「末恐ろしいな...何だが私も十六夜殿が負けることなぞないと思えてきた」
「でももう遅いわよ~ダクネス。カケはもう始まってるんだから!」
「そうですよ、ダクネス!ダクネス以外は全員十六夜にいれましたからね!」
「ええ!そんなぁ....因みに何をかけているのだ?」
「今夜のご飯代よ!」
「ご馳走さまです、ダクネス」
「そんなぁああ!ま、まさか....アイリス様も?」
「わ、私は....お兄様が負けるところなんて見たくありませんから....」
「うう....」
冒険者ギルドから出て暫く歩いた所で響夜と十六夜は立ち止まって響夜の方は魔剣グラムを抜いた。
「ほらダクネス。元気出してください。今から始まる見たいですよ」
「あ、ああ....そうだな。まだどちらが勝つかは決まってないからな!」
「あれ?おーいダクネス~何やってるの?」
「おお!クリスではないか!」
「それでダクネス何をやってるの?」
「うむ、今勝負を「勝負あり!!」何!?」
「「響夜!!」」
「おいおい。もう終わりかよ色男!魔剣グラムも宝の持ち腐れだな!」
「は、速すぎるわよ!てか十六夜!あんた今何したの!?」
「あ?ただ勝ってもつまらないから最初は当たるか当たらないくらいの所で全部交わしてたんだぜ?見えなかったか?」
「全然見えなかったわよ!むしろあんたがたくさんに見えたわよ!」
「響夜がこんなに簡単に負けるはずがない!!」
「そうよ!絶対に何か卑怯な手を使ったに違いないわ!!」
「お、お兄様を悪く言わないで!!」
「・・・な、何よ!あんた!」
「そ、そうよ!てか誰なのよ!」
「私の名前はベル....イリス。お兄様の妹です!」
「どうして妹がでしゃばってくるのよ!!」
「そうよそうよ!!」
「うっ......」
「おい」
「なに...ひっ.....」
「今回は許してやる。だが次イリスを泣かしたらお前ら全員潰すぞ?」
そこにはいつも軽快に笑う十六夜の姿はなくその声にはハッキリと怒気が含まれていた。
「お兄様.....」
「ぅ......ここは....」
「はっ!きょ、響夜!!」
「大丈夫!?響夜」
「僕は....負けたのか」
「ううん!響夜が負けるはずない!きっと何か卑怯なことをしたのよ!!」
「絶対にそうよ!」
「卑怯...ねぇ」
十六夜はおもむろに地面に転がっている石を拾って近くの川に向かって投げた。動作は少し手首を動かしただけ別に振りかぶりもしてないのにその石は人が目視では追えないほどのスピードになり川にぶつかり川の水が雨のように降り注いだ。
「あ、ありえない.....」
「ね、ねえ十六夜さん?あなた本当に人間?」
「な、何ですか!?今の!めっちゃくちゃカッコいいじゃないですか!!」
「流石お兄様ですね!」
「ね、ねえ、ダクネス.....あの人何者?」
「わ、分からん......私もついさっき会ったばかりなのだ。アクアとめぐみんと同じパーティーメンバーと言っていたが」
「ふーん.....そうなんだぁ.....」
「お、おい。クリス何処にいくんだ?」
「ちょっとダクネスの入るパーティーに挨拶をしに~」
十六夜は不適な笑みを浮かべながら響夜の前に立った。
「それで負けたら言うことを聞くんだっけな?色男」
「くっ....確かに僕は負けた.....だがこの魔剣グラムだけはやめてもらえないか?」
「ああ?」
「これが無ければ僕は....僕は.....魔王を倒すことが出来ないんだ.......」
この世界に来たやつは全員何かしらの特典をもらっている。不思議な力や魔剣グラムなんていうチート武器など。そりゃそんなもんもらってたら失うのが怖いよな、でもそれじゃ意味がない。武器は所詮武器でしかない。武器に頼って強くなった奴はいずれ限界が来る。
「それじゃあ、この魔剣グラム1ヶ月預かる。1ヶ月後、もし魔剣グラムの力を使わずに俺に1発でも入れたら返してやるよ」
「そ、そんな....魔剣グラムがあっても当たらなかったんだ、当たるはずないじゃないか!」
「・・・・そう思うんならそうなんだろ。じゃあな」
十六夜は魔剣グラムをギフトカードに収納して後ろに振り替えると見覚えのない銀髪の女の子が此方に向かってきていた。
「初めまして!ダクネスの親友でクリスって言うんだ」
握手を求めてか、手を此方に差し出してきたのでそれに答えて握手をする。
ダクネスの親友と言っているがどことなく雰囲気というか、オーラがアクアに似ている不思議な女の子だった。
「逆廻十六夜だ。よろしくな」
「さっきの凄かったね!ねえねえどうやったの?」
「ただ攻撃を交わしてデコピンしただけだ」
「へえー。成る程ね.....でさ君ってなんの職業なの?やっぱりクルセイダーとか、ソードマスターとか?」
「俺はまだ冒険者になってないぜ」
「ええ!じゃあ冒険者になってもないのにこんなに強いの!?」
「ヤハハ。でもクリスもさっきの奴よりは強そうだけどな」
「あはは。まさか私はそんなに強くないよ...と、もうこんな時間だ。私用があるから帰るね、また今度話そうね♪あ、ダクネスもまたね!」
「お、おう。急だな」
「今の方は誰なのですか?」
「ああ、今のは私の親友でクリスというんだ。仲良くしてやってくれると嬉しい」
「このアクア様に任せなさい!今度会ったときはこの間取得した花鳥風月を見せてあげるわ!」
「お兄様はやっぱり強いのですね!」
「イリスが負けないって思ってんなら俺は負けねーよ」
ヤハハ。といつも通り笑いながら冒険者ギルドに戻るのだった。
「さぁーて。それじゃあ冒険者になってきますか」
「な、何だかあの後だと十六夜のステータスがかなりえげつない事になってそうね....」
「はい。私から見ても力とかカンストしてるんじゃないでしょうか」
「めぐみんカンストなんてあるのか?」
「そんなの知りませんよ。人間では出すことが出来ない数値をカンストと言うのではないですか?」
「お兄様ならあり得そうですね....でもお兄様はちゃんと人間だと思います!」
「あんたどれだけ十六夜のこと好きなのよ!正直あいつめちゃくちゃよ?」
「い、いえその好きとかそういうのでは....お兄様はお兄様ですし....」
「顔真っ赤にしながら言われてもねー」
「うう....」
アクア達が恋ばなで盛り上がっている間に十六夜は冒険者登録をするために受付嬢のルナに話しかけていた。
「本日はどのような御用ですか?」
「冒険者登録をしに来たぜ」
「では500エリス必要になりますがよろしいでしょうか?」
「ああ」
十六夜は500エリスをルナに渡して水晶に手をかざした。
水晶に手をかざすとアクアの時同様冒険者カードに書き込まれていく。
「はい。これで冒険者登録は修了です。えーと逆廻十六夜様ですね。ステータスは.....はぁ!?」
「どうしたんだ?」
「運が480と知識が1341と飛んでもない数値が出ているのですが...しかも他の数値が測定不能.....」
逆廻十六夜のステータス。
Strength(力) 測定不能。
Health(体力) 測定不能。
Magic pow(魔力) 測定不能。
Dexterity(器用) 測定不能。
Agility(敏捷) 測定不能。
Luck(運) 480
INT(知識) 1341
「測定不能ねぇ。まっこの方が良いのかもな」
「そ、それで職業はどうなさいましょうか....全ての職業何でも選べますが...」
測定不能とは分からないではなく測りきれない数値らしい。この話を聞いていた冒険者ギルドの冒険者は皆立ち上がり騒いでいる。
「因みに職業にはどんな特徴があるんだ?」
「そ、そうですね。例えばあなたの場合、いきなり上級職になれます。上級職とは各々の特性によりその分野で優れた能力を得ることが出来ます。ただレベルも上がりずらいのでレベルをある程度上げてから転職をする冒険者もいますね」
「成る程な」
「それではどの職業になさいますか?」
「冒険者って職業はどういう職業なんだ?」
「冒険者ですと...全てのスキルを覚えることが可能ですが能力値の上昇はあまり見込めません。それにレベルアップしたときのスキルを覚えるためのスキルポイントもあまり手にいれることが出来ません。ただレベルが上がるのは一番早い職業ではありますが....」
受付嬢のルナさんは冒険者ではなく上級職を進めたいのか上級職の良いところをひたすら言ってくる。
「それじゃあ冒険者で」
「な、何故ですか!?」
「だってその方が.........面白そうじゃねーか」
次回は後編です。たぶん。