この素晴らしい世界に問題児が大暴れらしいですよ? 作:世界は嘘で出来ている
オリジナル展開で進めていこうと思います。
そしてミーシャは新キャラです。とある変態さんのお姉さんとして登場してもらいました。
まだ納得いかない箇所があるので修正いれるかもです。
12月12日修正
※オリキャラである、エリスの名前をミーシャに変更します。
※エリス・フォード・ララティーナ➡ダスティネス・フォード・ミーシャに変更しました。御指摘ありがとうございます。
他にも読みにくいなどありましたら教えていただけると幸いです。
見事に屈強な男達10人分のオブジェを完成させた十六夜はめぐみんとアクアと共に冒険者ギルドに戻ってきていた。
「十六夜どうするのよ!あれだけのことしちゃって最悪牢獄行きよ!?」
「そうですよ!流石にやりすぎですよ」
「落ち着けよ。駄女神に眼帯ロリ、ちゃんと俺の筋書き通りに事は進んでるから心配するな」
「もう!だから私の名前はアクアよ!アクア!いい加減覚えなさいよね!」
「そうですよ!私の名前だって1度もまともに呼んでもらってないではないですか.....て自己紹介がまだでしたね」
「あれ?そうだっけ?なんか色々ありすぎて前から一緒だった気すらしてたわね」
「それじゃ、自己紹介といくか」
「なら私から名乗らせて頂きましょう!
あなたたちとの邂逅は世界の選択せし運命
私はあなた方のような者との邂逅を待ち望んでいた!
我が名はめぐみん!アークウィザードを生業とし
最強の攻撃魔法、爆裂魔法を操る者ーーー」
「・・・・長いわよ!!そしてよく意味分からなかったんですけど!?」
「それじゃあ次は俺だな」
「あれ?スルー?スルーなの!?それとも私がおかしいの!?」
「初めまして俺の名前は逆廻十六夜です。粗野で凶悪で快楽主義と3拍子揃った駄目人間なので用法と要領を守ったうえで適切な態度で接してくれ」
「な、なんなのかしら....近頃の自己紹介ではこれが普通なの?デフォなの?」
「よろしくお願いします。それでは最後にあなたの番ですよ?」
「はぁ....なんか疲れたけど.......よく聞きなさい!私の名前はアクア!アクシズ教徒が崇拝する女神アクアよ!」
「あ、あの....お連れ様が女神とか言っているのですが......」
「こういうやつなんだ気にしないでやってくれ」
「可哀想に.....」
「うぅ....絶対私よりあなたたちの方がおかしいのに.....」
「それじゃ、自己紹介も終わったし。そろそろ受付に行くか。騒ぎになったせいで蛙を出すことが出来なかったがめぐみんが1000エリス貸してくれるらしいからな、取り合えずアクア。冒険者登録しに行くぞ」
「ねえ、めぐみん。本当にお金貸してもらっちゃってもいいの?」
「勿論です!後程一緒にクエストに行って、その分け前で1000エリス多く貰えるということですし。さあ、先ずは冒険者になってきてください」
「そ、そう?それじゃあ。ありがとね、めぐみん」
十六夜とアクアは、めぐみんから1000エリスを借りて受付の女の人にお金を渡した。
「確かに1000エリス頂きました。ではここの水晶に手をかざしてください」
「それだけでいいのか?」
「はい。この水晶に手をかざしていただければ自動でステータスが冒険者カードに書き込まれますので」
「そう、なら私からいくわね!いい十六夜?」
「ああ。俺はどっちでもいいぜ」
正直ラプラスの紙片でも判別出来なかった俺の力が分かるかもしれないから気になるが一応疑似創星図(アナザー・コスモロジー) っていうらしいしな。それにどうやって水晶に手をかざしただけで個人のステータスが分かるのか興味もあるしな。
アクアが水晶に手をかざすとレーザー状の光が放出されて冒険者カードに書き込まれていく。
アクアのステータス。
Strength(力) 298
Health(体力) 170
Magic pow(魔力) 380
Dexterity(器用) 95
Agility(敏捷) 180
Luck(運) 1
INT(知識) 9
「ええ!?知識が平均以下なのと運が絶望的に低い事を抜かせばどれも高ステータスですよ!?」
「え、なになに?それって私が凄いってこと?」
「凄いなんてもんじゃないですよ!知識が必要な魔法使い職は無理ですが他なら何でもなれますよ!ソードマスター、アークプリースト、クルセイダー、殆どの上級職に....」
「ふふーん。そうねー女神って職業が無いのが頂けないけど仲間を癒すアークプリーストかしらね」
「アークプリーストですね!分かりました。攻撃も出来、回復も出来る万能職ですよ!」
「どうよ、十六夜!私の凄さが分かったかしら!?」
「ああ、やるじゃねーか。ヤハハ。だが悪いが暫くお別れみたいだぜ」
「え?」
「失礼する。我々は王都からきた騎士団の者だ。ここに先程ある高貴な方の城を破壊し10人ほどの冒険者を1人で倒したという冒険者がいるはずだ。名乗りをあげてもらおう」
白い甲冑に身を包んだ女の人を筆頭に後ろから数人の男達が入ってきた。
「ヤハハ。冒険者じゃねーが、それをやったのは俺だぜ」
「ちょ、ちょっと!十六夜!バレてないんだから隠し通しなさいよ!」
「そ、そうですよ!何故正直に言ってしまうんですか?」
「ああ?だからさっき言っただろ?ちゃんと俺の筋書き通りに事は進んでるからなってな」
「はあ?」
「おい、そこのお前」
「何でしょうか?白騎士様」
「貴様失礼だぞ!!」
「いや別に構わない。お前が1人で冒険者10人を倒したというのは本当か?」
「ああ、本当だぜ」
「嘘をつくな!あの中にはレベル50にもなる腕利きのクルセイダーもいたのだぞ!」
「・・・すまないな。私の部下が横やりを出してしまって。これでは話にならない。おい、お前達は外で待っていろ!」
「で、ですが!」
「聞こえなかったのか?」
「くっ.....分かりました」
「さて.....では話を戻そう。お前が「逆廻十六夜」」
「逆廻十六夜だ。よろしくな」
「ああ、よろしく頼む。“逆廻殿”。私の名前はミーシャ。ダスティネス・フォード・ミーシャという者だ」
「へえ。如何にも貴族様みたいな名前だな」
「ああ。その通り私は貴族だ。だが騎士でもある、この身に甲冑を背負っている時は騎士として見て貰えると助かる」
「それは悪かったな。それで?その騎士様が俺に何のようだ?」
「前の騒動の屋敷は本来私が妹と住もうと思って建てたものだ」
「へえ。そりゃ悪いことをしたな」
「ああ、全くだ。だがそんな事はどうだって良い。逆廻殿には私と一緒に王都まで来てもらう」
「ちょっ!?何で十六夜がそこまで!」
「アクア、大丈夫だ。すぐに戻ってくるし、少し観光に行くだけだ」
「でも!」
「そうですよ!それに貴方はまだぼっ!?」
「めぐみん、その話は内緒で頼む。それじゃあ、行こうか騎士様」
「あ、ああ。」
十六夜を連れて騎士は冒険者ギルドから出ていった。
「もう!なんなのよー!!」
駆け出し冒険者の町 ~~アクセル~~ から出て森に入った所でふとした疑問をミーシャに聞いてみた。
「何故俺の事を殿付けで呼んだんだ?」
「・・・すいません...その事は私の部下にも内緒なのですが貴方は王都の客人として連れてこいというのが私の今回の任務ですので」
「へえ、客人ねぇ....。それにしてもどうやってあの短時間で来れたんだ?」
「それはとある商人と交渉してテレポートで連れてきて貰いました」
「テレポートねぇ....そんなことも出来るのか。なら何故冒険者ギルドに直接テレポートしてこなかったんだ?」
「テレポートと言っても万能ではありません。予めテレポートする場所を登録しておかなければなりません」
「マーキングみたいなものか?」
「そうです。なので帰りは申し訳ないですが徒歩で行ってもらいます」
「ならもう1つ質問だ。何故俺なんだ?」
「その質問は極秘なので教えられません」
「へえ。そうかい、それでそんな大切任務を授かったあんたとしては是が非でも俺を連れていかなきゃいけないわけだな」
「ええ。なので大人しく着いてきて貰えると助かります」
「逆らえば?」
「・・・やむえません。力ずくで黙らせる事になります。私は王都第一部隊隊長ミーシャ。王都にも私より強い冒険者は数えるほどしかおりません」
「へえ。そりゃ面白そうだが。その王都に行けばもっと面白そうだな」
「おい貴様何をこそこそと隊長と話しておるか!」
「なあ?さっきから思ったんだがお前の部隊って」
「言うな....分かっているつもりだ。だが、だからこそ私に命をかけて着いてきてくれる者たちでもあるのだ。・・・・ここからはモンスターが出る。こいつは駆け出し冒険者の町から出たことがないみたいだからな。一応知らせておいたんだ」
「おお!流石隊長様だ!お優しい」
「だがあんなにも隊長様と近くに.....」
部下からはそれぞれ色々な声が聞こえるが十六夜は空を見ながら呟いた。
ふと思った事を。
ただの興味本意だった事を。
「ーーーーーなあ?この世界の魔王は強いのか?」
「っ!?」
部下達は慌てて立ち止まり十六夜から距離をとった。それはまるで戦闘体勢にでもはいるかのように。そしてそれは部下達だけではなくミーシャも同様だった。離れることはしなかったがおもわず腰にある剣へと手を伸ばしていた。
「おい.....この世界の魔王とはどういう意味だ?」
「おいおいなんだよ。いきなり戦闘体勢じゃねーか」
「当たり前だ!貴様は一体何者だ?何故この世界の魔王を知らない?」
「目を覚ましたらここにいたんだけどな」
「ふざけるな!隊長!やはりこいつは危険です!今ここで切り捨てましょう!」
「・・・・待て。この音は」
「グギュルルルルルルルル!!!」
「なっ!ぐ、グリフォンだと!?」
「おいおいなんだこいつは?グリーの知り合いでは無さそうだな」
「あいつはグリフォンだ。知能が高く上級の魔法も使いこなし鋭い爪で空から攻撃をしてくる、厄介な相手だ」
「へぇ。だけどあのグリフォンなんかおかしくないか?」
「ああ。こちらにまるで気付いていない。冒険者と戦闘中か?」
「グギュルルルルルルルル!!!」
「ライト・オブ・セイバー!!」
「グギュルルルルルルルル!!!」
光輝く刃がいくつもグリフォンに向かって放たれた。
「あ、あと少し....」
グリフォンに攻撃をした人物だろうか服がボロボロになり息を切らした女の子が森の中から出てきた。肩からは出血しているようでグリフォンの攻撃を受けてしまったのだろう。
そしてその痛みが命取りになる。
「今のは光の上級魔法ですね。これであのグリフォンも倒したでしょう」
「いや、まだだ」
「え?」
「おい!そこのお前!痛みで狙いがズレてる!攻撃してくるぞ!!」
「えっ!あ、あなたは!?」
グリフォンの周りの煙がはれていくとグリフォンの頭上には魔方陣が出来上がっており黒い稲妻が迸っていた。
「あ、あれは!カースド・ライトニング!?あ、ありえない!グリフォンがあんな魔方を使うなんて!」
グリフォンを追っていた女の子は膝から崩れ落ちてグリフォンを見たまま動かなくなってしまった。
「グギュルルルルルルルル!!!」
黒い稲妻は先程女の子がいた場所に放たれ土煙がまきおこっていた。
土煙がはれるとそこには女の子を抱き抱えた十六夜の姿があった。
「・・・私は.....」
「無事みてーだな」
「あ、あなたは....い、いえそ、そそそそその....」
十六夜は女の子を抱き抱えたままミーシャの元に戻り女の子をミーシャに預けてグリフォンに目を向けた。
「お、おい!貴様では無理だ!私が」
「あんたはそこでその子を見ててくれ。あいつは俺の獲物だ!」
十六夜は足に力を入れて地面を蹴り一瞬のうちにグリフォンの前まで跳躍して体をヒネり後ろ回し蹴りでグリフォンを地面に叩き落とした。
「グギュルルルルルルルル!?」
グリフォンは何が起こったのか分からないまま先程女の子に放ったであろう魔法を放とうとしていた。
「・・・・はっ!お、おい!今がチャンスだろう!さっさとやってしまえ!」
「おいおい馬鹿言うなよ。やっと面白くなりそうなんだ。ここで止めをさしたらつまらないだろうが!」
「グギュルルルルルルルル!!!!」
先程よりも巨大な魔方陣から黒い稲妻が迸り十六夜に放たれた。
「ハッ!しゃらくせーー!!!」
この光景を見た、ミーシャやミーシャの部下は絶句していた。先程より遥かに強力な稲妻を十六夜は避けるでもなく防ぐでもなく拳で発散させたからだ。
だがこの中で1人この光景を見ながら感動している人物がいた。
「か、かっこいい.....」
「まっ悪くはなかったぜお前」
その一言と共にグリフォンは吹き飛ばされ動かなくなった。
「あ、あの!た、たたた助けていただきありがとうございました!」
「気にすんなって。それより早く手当てして貰わないとな」
「こ、このくらい大丈夫ですよ!」
「出血が結構酷いな。おいミーシャ」
「・・・・っ!な、なんだ?」
「こいつの手当て誰か出来るやつはいるか?」
「あ、ああ。私の部下にプリーストがいるからそいつに治療させよう。トルマ頼む」
「は、はい....。ヒール」
プリーストがヒールと言うと手のひらから青白い光が傷口に向けられてあっという間に傷口は治り服が破れているだけになっている。
「あ、あのありがとうございました」
「い、いえ..」
女の子はミーシャの部下のプリーストにお礼を言うと十六夜の前まで来た。
「あ、あの.....わ、、我が名はゆんゆん...、やがては紅魔族の長となる者......です.............」
真っ赤になりながら自己紹介を終えたであろう女の子が紅魔族と聞いてめぐみんを思い出した。
「や、やっぱり....私の名前おかしいでしょうか?」
「ん?そんなことないと思うぞ。それよりめぐみんって紅魔族を知ってるか?」
「っ!?め、めめめめぐみんを知ってるんですか!」
「ああ知ってるぜ」
「め、めぐみんとはライバル関係なのです!」
「へえ。ライバルねぇ....」
生まれつき人間離れした十六夜にとってライバルと呼べる人物はいなかった。強いて言えば箱庭で出会った仲間や魔王。その事を思い出すと今頃どうしているか考えてしまう。
「未練残したまま死ぬと気になっちまうな」
「あ、あの?どうかしましたか?」
「ん?いや何でもないぜ」
「話を中断して悪いのだが....逆廻殿。貴方は何者なのだ?」
「良いのか?部下の前で」
「あんな光景を目の当たりにしては隠しきることも出来ないさ。私も知らないことだらけだしな」
「そうかい。でも言えないな、正しくは説明が俺にも出来ないってとこか」
「なら1つだけ貴方は人間か?」
「ヤハハ。一応分類学的には人間だぜ」
「・・・そうか。ならいい....皆もう知ってると思うがここにいる逆廻殿は王都の客人だ。あまり無礼をするなよ」
部下達が何人か頭を下げてきたが気にしてないと言って王都に向けて再び歩き始めようとしたがゆんゆんが1人慌てているのを見て立ち止まった。
「ん?おい、ゆんゆんだっけか?お前は行かないのか?一応治してはもらったみたいだが一人じゃ危ないだろ?」
「わ、私も一緒でもいいんでしょうか?」
「別に構わないだろ」
「で、でも私が一緒にいると...またモンスターに襲われるかもしれませんし.....」
「一緒に行かないなら...そうだな。俺も残るか」
「はっ!?い、いやあの.....」
「どうしたんだ?ミーシャ」
「どうしたではないですよ!!そんなの駄目に決まってるじゃないですか!」
「力ずくで連れていくんじゃなかったのか?」
「・・・分かりました。ゆんゆんさん」
「は、はい!」
「一緒に王都まで来てもらえないでしょうか?ここにいるもんだ....いえ失礼。逆廻殿を王都まで連れていかなければいけないのです」
「ふぇえ....わ、私が一緒に行っても迷惑になりませんか?」
「大丈夫です!むしろ歓迎します!」
「で、では...その......よろしくお願いします!」
「ふぅ....」
「それじゃあ、行くか」
次回は王都に向かいます。