Fate/VR   作:ヴィヴィオ

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オルタちゃん「本日19時より、開始です。振るって、何においても参加してください、トナカイさん達。一緒にクリスマスプレゼントを配りに行きますよ!」


第6話

 

 

 森から抜けた先は身長の高い1メートルくらいの草で出来た草原だった。街道は神父から教えられた通り、東と西へと伸びていたが、俺達はとりあえず、目の前の草原に入って少しした所で、草を刈って人が寝れる程度の場所を作った。その草がベットだ。そこを野営地とした。

 

「さて、こんなもんでいいよな?」

「ええ、大丈夫でしょう。私とジャックで何が来ても対応します」

「任せて~」

「じゃあ、飯にするか」

 

 草で作ったベッドに座り、リュックサックから食料を三人分取り出す。つまり、三分の一だ。三日分の食料は一人用なので、三人で食べたら一日しか持たない。だが、そんな事は言っていられない。

 

「トナカイさん、サーヴァントである私達に食事は要りません」

 

 オルタちゃんとジャックにも渡すと、オルタちゃんが拒否してきた。

 

「えっ、食べちゃ駄目なの?」

「駄目です。これはトナカイさんの為の物です」

 

 オルタちゃんとは反対に、ジャックは悲しそうにする。何度か、食料を見てから、俺の方へと悲しそうにしながら差し出してきた。

 

「いや、皆で食べるぞ」

「良いの⁉」

「トナカイさん、正気ですか?」

「もちろんだ。それにだな……俺の予想が正しければ……」

 

 襲い掛かって来た連中の荷物を漁ると、食料が出てきた。木の実や干し肉などがあった。どうやら、奴等は俺よりもかなり先にこの世界に来ていたようだな。

 

「ほら、これで問題ないだろ?」

「それはそうですが……」

「食べていいの?」

「ああ、いいぞ」

「やった♪ ごはん、ごはんっ!」

 

 ジャックは楽しそうに保存食を開けていく。そこにはハンバーガーが入っていた。しかも湯気が出ている。なんという不思議技術。

 

「やっぱり、取っておいた方が……」

「いいさ。それに二人が食べずに俺だけ食べるなんて事、俺には出来ない。そんな事をしたら周りからなんと見られるか……」

「鬼畜外道ですね」

「うむ。だいたい、嫁であるオルタちゃんとジャックを食わしていくのは夫の役目だからな」

「……この見た目なんですが、正気ですか?」

「うむ!」

「……この変態っ! ロリコンっ!」

「それはつまり、自分がロリだと認めるんだな」

「……訂正するわ。私の本来の姿は別なんだかりゃね!」

「かりゃね?」

「うるしゃいうるしゃい! いいからさっさと寄越しなしゃい!」

「こちらです、お姫様」

 

 オルタちゃんに渡すと、早速開けていく。それはカレーライスだった。ただし、真っ赤だ。

 

「ジャック?」

 

 ジャックの方を見ると、ハンバーガーにかぶりついて、止まっていた。顔が赤くなり、汗が出ている。

 

「かっ」

「か?」

「かりゃいぃぃぃぃぃぃぃっ!?」

「大げさね……はむ。っ⁉ んんんんんんんんんんっ⁉」

 

 涙目になる二人。

 

「大丈夫か?」

「だゃ、だゃいりょうぶ。辛い~~けど、おかーさんから貰ったから、全部、たべる」

「こ、この程度……らいりょうぶれす……トナカイさんからの、プレゼントれしゅから……」

「無理するなよ」

「おっ、美味しいのは、美味しいれしゅ」

「う、うん……」

 

 二人は一生懸命に食べていく。どうやら、不味くはないようだ。俺のは麻婆拉麺だった。麻婆ハンバーガーに麻婆カレー。そして、麻婆拉麺。どんだけ容赦ないんだ、あの神父。

 

 

 

 食事を取った後、水をしっかりと飲んだ。口の中がヒリヒリする。しかし、これからどうするか。

 

「何かする事はあるか?」

「ありません。水を探すくらいです」

「森の中だね」

「まあ、まだ充分に量はあるので良いでしょう。それよりも、私とジャックで見張りの順番を決めましょうか」

「俺は?」

「トナカイさんは寝てください。明日、足を引っ張られるのは迷惑ですから」

「そう、だよな……」

 

 事実、明日は歩きっぱなしになるだろうから、大変だ。

 

「じゃあ、わたしたちが先に寝るね」

「ええ、構いませんよ」

「じゃあ、おかーさん。一緒に寝よ!」

「え、いやあの」

「えへへ~」

 

 抱き着いて来たジャックに押し倒された。ジャックは俺の上に乗ってそのまま倒れてくる。

 

「あったかい~」

「そう、だな……」

 

 いい匂いと微かに血の匂いが混じっている。ジャックは俺に身体を擦り付けて甘えてくる。そういえば、褒めてなかった。頭を優しく撫でてあげる。

 

「ん~~♪ あっ、おかーさん。一つ忘れてた事があるんだ」

「なんだ?」

「お腹はいっぱいになったけど、魔力はいっぱいじゃないの」

「魔力供給か?」

「ジャックは宝具を使いましたからね」

「だから、おかーさん。ちょうだい?」

「っ⁉」

 

 ジャックはそのまま俺に口付けをしてきて、舌を入れてきた。そのまま口内を舐めまわされて、唾液を啜られていく。小さな舌の気持ち良い感触に俺も積極的に舌を絡めて唾液を飲ませていく。

 

「なっ、なななっ、何をしているのですか!」

「ぷはっ。何って、魔力供給だよ?」

「そ、そうだな……」

「おねーちゃんもやったらいいよ~。気持ち良いし、魔力も増えるし、良い事ずくめだよ」

「お断りです! そんな破廉恥な事なんてできません!」

「そっか。じゃあ、おかーさんはわたしたちが独占だね!」

「なっ⁉」

「おかーさん、もっとちゅーしよ? 早く、早く」

「ああ……」

 

 今度は俺からして、ジャックの身体を抱きしめながら楽しませてもらう。隣を見ると、顔を真っ赤にしながら、じっとこちらを涙目で見ているオルタちゃんが居た。次第に満足したのか、ジャックは俺に抱き着いたまま眠りだした。

 

「む~む~」

「オルタちゃんもするか?」

「結構です! 私に魔力供給は()()必要ありませんから!」

「まだ、ね」

「何かいいましたかっ!」

「なんでもないよ。じゃあ、寝るから後は頼む」

「ええ、任せてください。ああ、どうせだからこうしてあげます」

 

 そう言って、俺の頭上で座ったオルタちゃんは俺の頭を膝の上に乗せてくれた。

 

「勘違いしないでくださいね。明日に疲れを残さない為なんですからね」

「ああ、ありがとう」

 

 顔を赤らめながら、そっぽを向いたオルタちゃんにお礼を言って眼を瞑る。しばらくして、囁きが聞こえてきた。

 

「眠りましたか? 眠りましたよね……」

 

 その後、少しして唇に湿った柔らかい物の感触がした。しかし、ここで目を開けたら、大変な事になりそうなのでこのまま眠る事にした。眠れたらいいなぁ~。

 

 

 

 寝れませんでした。というか、途中でジャックとオルタちゃんの位置が入れ替わったりしたけれど、結局無理だった。

 

 

 

 

 


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