Fate/VR   作:ヴィヴィオ

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第25話

 

 

 

 美遊達と結ばれてから数ヵ月がすぎ、季節は春へと変化した。俺達は色々と変化した。まず、具体的なことをいうとかなでと俺は現実世界にも戻らず、修行漬けの毎日だった。というのも俺達はあの後、すぐにBBによって俺達は監禁されたのだ。朝から夜まで徹底的に扱かれた。夜のご褒美がなければ絶対に耐えられなかっただろう。ご褒美はもちろん、アレであるが。五人の妻に魔力供給するという立派な役割だ。

 ときたま、ノルマをこなせなくて五人にエロイお仕置きをする時もあった。というか、それは基本的に達成させるつもりのない奴なので、BBは俺に彼女達を調教させるつもりだったようだ。お蔭で色々なプレイを楽しめた。両手が鉤爪になって戻らなくなった美遊を俯けにして後ろから圧し掛かったりといったことだ。

 そんなこんなで、俺達の関係は進んでいる。実際に死ぬような経験を一緒に乗り越えてきたのだから当然だ。

 さて、俺もマスターとして変化している。まず、メルトやリップ、BB、士郎に殺されて、死を体験したからか魔力の質が異常なほど高濃度になっている。それのせいか、士郎やBB……桜と同じように髪の毛も変質して金色になっている。何故か身長も少し下がった気がするし、肌の質も上がっている気がする。これは毎日妻達と交わっているせいかもしれないが。瞳も時折碧眼へと変化しているらしいが……本当に意味がわからない。

 

 

 

「さて、最低限私の弟子として恥ずかしくないくらいには成長しましたね」

「これで最低限、なのか?」

 

 BBの言葉に士郎が不思議そうに首を傾げている。

 

「最・低・限、です。本当なら単体でサーヴァントを駆逐するぐらいにはなって貰わないといけませんから」

「それ、もうマスターの領域を超えているからな」

 

 俺達は道場で正座をしながら、BBと士郎の話を聞いている。

 

「でも、マスターを狙われたら終わりですからね。それに美遊の護衛にするんでしょう。これぐらいでも最低限ですよ」

「それもそうか」

「お兄ちゃん……私、もうちゃんと戦えるよ……?」

 

 美遊が嬉しそうにしている。彼女の手は今は普通だが、何時で数秒でリップの両腕になり、足はメルトの剣靴になる。そう、美遊は聖杯少女の特性かは知らないが、メルトとリップ、二体の力をインストールすることができる。もっとも、魔力が馬鹿食いなので効果時間は短い。

 

「私達も強くなりましたから」

「うん。私達も成長したよ!」

 

 ジャンヌちゃんとジャックは回避技術をしっかりと覚えた。士郎のアンリミテッドブレイドワークスの弾幕を回避するという方法で。あと、ジャンヌちゃんはかなで(大人版アルトリア)からしっかりと槍の使い方を習った。もとのジャンヌ・ダルクにしてもしっかりと習った訳ではないしな。ジャックは身体能力が大幅に強化され、ナイフ以外にも爪でも斬り裂けるようになった。なんというか、異形化してきている。

 さて、シータの方を見ると元のシータの服が黒くなっているぐらいで、お腹丸出しなうえ他の部分も露出も多くてエロイ。そんな姿で外に連れていける訳もないので、現在はゴスロリの服を着ている。可愛いゴスロリ赤髪ツインテールというわけだ。さて、彼女の強化だが……単純に爆撃を行うようになった。士郎の投影魔術を礼装として取り込み、ブロークンファンタズムを使うようになったのだ。ただし、炎限定で。そもそも使っているのはインドラの矢である。つまり、神の雷にカラドボルグを合わせるということだ。それはとんでもない破壊力を生み出す。消費魔力? なにそれ美味しいの? 一発でサーヴァント一騎分が吹っ飛ぶ。シータはその矢を何本もストックしている。魔力を出しているのは俺だ。毎日搾り取られている。

 

「話は終わり? お腹が空いて倒れそう」

 

 かなではそう言いながら、倒れてきて俺の膝の上に頭を乗せてくる。そのまま頭を撫でる。かなでの首にはマフラーが装着され、近くには白の聖剣と黒の聖剣が置かれている。

 

「そうですね。では、これで修行はひとまず終わりです。今回から課題形式にします。まずは貴方達の拠点を確保しましょう。お城へと進んでください」

「城……アインツベルンの城か」

「そうです。あそこはダンジョンですから、頑張ってくださいね。ボスは言わずもがなという奴です」

「わかった」

 

 相手は大英雄、ヘラクレスのバーサーカーだろう。というか、この三ヵ月で他の連中も強くなったはずだし、攻略されていないのだろうか? まあ、デスゲームだから慎重にいっているのかもしれないが。そもそもデスゲームなのにリスポーンさせられるBBがおかしいだけだしな。

 

「あっ」

「どうした?」

「学校、忘れていたわ」

「そうだな……大丈夫か?」

「ええ、大丈夫よ。でも、どうなっているか戻った方がいいわね」

「そうだな。家賃とかもあるし、お金を稼がないとまずい」

 

 バイトも首になっているだろうし、これは本格的に不味いかもしれない。

 

「ああ、お金が欲しいんですね。まあ、この三ヵ月の給料としてこれをあげましょう」

 

 そういって、BBが放るように投げてきたのは金のインゴットだった。

 

「純度100%の交じりけなしです。確か、g4千でしたか。それは一キロですから、400万くらいです」

「おお……」

「どうせなら美遊の服も買って来てくれ」

「でしたら、もう三つほど追加しますので、色々と買って来てください」

 

 気付けば1600万相当の品物を渡された。これは正直ありがたい。

 

「ああ、わかった。かなで、身長やスリーサイズを聞いておいてくれ」

「ええ、わかったわ」

 

 その後、食事をして翌朝自宅へとログアウトした。

 

 

 

「……埃だらけね」

「まあ、三ヵ月くらい戻ってないからな」

 

 家賃は自動引き落としだから問題ないとして、やはり、掃除をしないといけない。後は各種連絡か。そんなことを考えていると、携帯が一気に受信していった。着信履歴も多い。家族や祖父母からだ。これはでるしかないだろう。

 

「ちょっと電話してる」

「わかったわ。私は掃除をして寝るところを作ってるから」

「頼む」

 

 電話をすると無事を喜ばれた。

 

『じゃあ、大丈夫なのね?』

「ああ」

『この頃、行方不明者や部屋の中で剣や槍みたいなので殺された人がみつかっているから、心配していたのよ家にも帰っていないみたいだったし』

「悪かった。実は旅行に行ってたんだ」

『そうなの。知らせてほしかったわ。あ、そういえば結婚していることになっていたのだけれど、相手の人、紹介されてないわよね。連れてきなさい』

「それは……」

『連れてこないのなら、こちらから行くわよ』

「わかった。ちょっと待ってくれ。かなで、実家に行くことになりそうだが……大丈夫か?」

「ええ。私はコウの行くところなら、何処にでもついていくわ。私の命はあなたのものだから」

「ありがとう」

 

 実家に帰る予定を決めてから通話を切った。色々と準備をしないといけない。とりあえず、まずは換金か。

 

「ねえ、久しぶりに二人っきりよ」

「ああ、そうだった。何よりするべきことがあったな」

 

 甘えてきたかなでを抱きしめて、そのままベッドへと誘導していく。

 

 

 

 

 

 


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