Fate/VR   作:ヴィヴィオ

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第15話

 

 

 

「何の用ですか?」

「弟子入りしたいのです」

「メリットがありません」

 

 弟子入りする為にやって来た場所は洞窟だ。そう、相手はあのムーン・キャンサーであるBBだ。

 

「こちらは手付金です」

「? 風呂敷ですか?」

 

 中身を開いてBBに見せる。

 

「わぁ、いい匂いだよ!」

「美味しそう」

「ですね」

「これが何か……」

「気付かないのか?」

「まさか、これは先輩の手作り弁当っ!?」

「その通り」

 

 衛宮士郎はBBの事を桜と呼んでいた。そして、BBは士郎を先輩と呼んでいる。つまり、このBBはこの世界では桜であるという事だ。

 

「弟子にしてくれれば、定期的に持ってきますよ?」

「くっ、先輩の手料理とは卑怯なっ!?」

「さぁ、どうする?」

「食べていい? 食べていい?」

「早くしないと食べられちゃうけど?」

 

 ジャック達がシートを敷いて、重箱を広げていっている。どの料理も美味しそうで、プロのような感じだ。

 

「じょ、条件があります!」

「なんだ?」

「私と先輩がくっつく手伝いをして貰います!」

 

 先輩大好きなBBと桜なら納得な内容だ。

 

「それぐらいならいいぞ」

「では、手始めにあの忌々しい邪魔者である美遊を拉致ってきてください」

「ちょっ!?」

 

 BBから言われた内容はとんでもない事だった。

 

「ら、拉致してどうするつもりなんだ?」

「それはもちろん。徹底的に凌辱して調教してあげるのですよ。私と先輩の邪魔をしないようにね」

 

 黒い笑みを浮かべているBB。かなりやばい内容だ。

 

「何度も何度も、邪魔されているのですから、壁に埋め込んで触手や虫で犯すのもいいかも知れませんね」

「待て待て、それは止めてくれ!」

 

 このままだとかなり不味い事になる。BBは本気のようだしな。

 

「おや、貴方は美遊を気に入ったのですか? まあ、連れている子達を見たらわかりますが」

「それは……」

「だったら、調教してから差し上げましょうか。別に先輩以外は要らないですし」

「ちょっ!?」

「要らないのなら、その辺の有象無象に売りましょうか」

「要りますっ、要りますから止めてくれっ!」

 

 必死に叫ぶ。流石にこれはまずすぎる。

 

「いいでしょう。じゃあ、あげますね。では、連れてきてください」

 

 このままだと不味い。

 

「待ってくれ。俺が二人の仲を取り持つから……」

「仕方ありませんね。ちゃんと落としてくださいね。それと、あまり待てませんからね」

「わかった……」

「では、契約成立ですね。食べましょうか」

「わ~い」

 

 美味しい弁当を食べた後、ここからが大変だ。取り敢えず、今は食事だ。

 

 

 

 

 食事が終わり、俺はBBと一緒に居る。弟子にして貰うからだ。

 

「さて、死ぬかも知れませんが……高確率で死にますが、覚悟はいいですか?」

「死ぬの? 高確率で」

「はい。普通ならですが。でも、まあ……貴方は適正が有りそうですから、大丈夫でしょう。多分」

「多分って……」

「心をしっかりと持ちなさい。飲まれたら終わりです。そして、勝ちなさい」

「え? 何それ?」

「問答無用です」

 

 BBの影から黒い闇みたいな物が、一瞬で俺を包みこんで取り込んでいく。視界が真っ暗になり、何処かもわからない空間に取り込まれた。俺の身体は黒い泥みたいな物が俺の身体を覆っていく。足の先から体温が奪われていくような感じがしてくる。

 

「「「がるるるるる」」」

 

 唸り声がして、そちらを意識すると巨大な獣が口を開けながら、こちらにやってくる。不味い。食べられたら、終わりだ。何か手段を探さないと。

 

「くそっ、くそっ! こんな所で死んでられるかっ!」

 

 意識を強く持つと、どうにか動ける。しかし、逃げたとしても直に追いつかれるだろう。出口があるかすら怪しい。ここはBBの、おそらく聖杯の中なのだから。待てよ? 聖杯の中? それにこれは汚染の泥だよな。俺も汚染されていくのだろうが……いや、待て。これならもしかすればいけるか?

 そんな事を考えると、狼のような化け物が襲ってきて腕が食い千切られる。激痛を感じるよりも熱さの方が激しい。別の化け物が足に噛みついてくる。

 

「頼む、力を貸してくれ……」

 

 懐からアーチャーのクラスカードを取り出して、握りしめて思いっきり魔力を込めて俺の頭を喰らおう大きな口を開ける泥の化け物の目に叩き込む。

 

「来い、アーチャーァアアアアアアアアアアアァァァァァッ‼‼」

 

 叫びながら召喚魔術を行使する。身体が喰われ、溶けていく。頭部しか残って居ないが、意識だけはある恐怖の中、必死にかなでやジャック、ジャンヌちゃん、それに俺が死んだらやばい事になるのが確実な美遊の事を思いながら、消えそうな意識を繋ぎ止める。

 

「ぐらぁ? ぎっ、ぎぃぎゃぅうううううううううううううううううぅぅぅぅぅぅっ‼‼‼‼」

 

 獣の叫びが響き、内部から赤い炎が溢れて来て獣達を溶かしていく。その赤い炎は周りの獣を溶かし、それらが集まって人型となっていく。真紅の炎のような赤い長い髪の毛を、黒いリボンでツインテールにした140センチくらいの美少女が現れた。服装は黒をメインにしたゴシックドレスのようなシースルーのような感じだ。かなりエロい。

 

「マスターの召喚に応じ、馳せ参じました……多分、アーチャーです……」

「たっ、多分?」

「記憶がありませねから……名前もわかりません」

「そうなのか……大丈夫か?」

 

 服が黒くなっているぐらいで変わりはないように見える。しかし、これも泥を使って呼び出した弊害か? BBは聖杯を取り込んだと言っていたから、聖杯の力を使って呼んだんだが……計画通り、受肉しているのかも知れないな。

 

「名前は後で教える。だが、先ずは……戦えるのか? すまないが、やばい状況なんだ」

 

 俺達の回りには沢山の泥の化け物が現れている。彼女は俺の頭を持って、自分の頭の上に乗せた。

 

「問題ありません。戦い方は不思議とわかりますから」

 

 黒色をメインに赤色をサブにした弓が呼び出され、魔力によって炎の矢が作り出される。放たれた矢は泥の獣達を炎を撒き散らしながら貫き、広範囲を殲滅していく。倒された泥達は直に復活し、襲い掛かってくる。それをひたすら倒していく。

 

 

 

 

 


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