比企谷八幡は失踪することにした。(渋滞中)   作:amedama

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比企谷達哉
八幡と小町の父親。小町を溺愛する一方、八幡を冷遇している。四菱商事に勤めていて、営業部の軍師的存在。上司からも部下からも信頼されているが、八幡の失踪を経て失脚する。
比企谷宗一
達哉の兄で、文部科学省の事務次官。
達哉以上に優秀な八幡に期待を寄せている。
比企谷秀一郎
本家当主。元文部科学省事務次官。
今は四菱グループの議長をしている。
優秀な八幡の待遇を達哉以上に良くする徹底した成果主義を敷いている。
比企谷家
成田市に本家を置き、エリート官僚、大物政治家、大物実業家ばかり居る雪ノ下以上の名家。
成田空港の設置をやめさせたことで、成田市民の絶大な支持を得た。
羽田空港1個分の敷地にたくさんの施設がある。
また、一族で四菱グループを経営している。
四菱グループ
日本最大の企業グループ。四菱商事、四菱丸の内UBJ銀行、四菱重工、四菱電器産業、四菱電鉄の5社(別名「四菱五英傑」)が核となっている。
四菱電鉄
四菱が小田急、東急、京急、京成、京王の5社を買収し、統合したことで出来た。特急の名称をロマンスカーとしている。


#3 比企谷八幡の失踪

小町side

 

昨日、ごみいちゃんと喧嘩してしまった。

どうやら修学旅行で何かしらあったらしい。

雪乃さんや結衣さんと何かあったのは確かだ。何があったか、力づくで言わせないと。

そう思いながら、ごみいちゃんの部屋を覗いてみる。

どうやらいないらしい。

もう学校行ったのかな?

でも、制服は部屋にあるし、鞄もおいてある。

ないのはスーツケース。

そして机にあるのは封筒。

封筒の中身が気になった私は封筒の中を見た。中にあるのは手紙のようなもの。

取り敢えず手紙を読んでみた。

 

 

 

 

 

 

後で後悔するとは知らずに。

 

 

 

 

 

一枚目には、「捜さないで下さい」とだけ、

二枚目にはこれまで何があったかが詳しく書かれていた。

奉仕部のこと。入れられたその理由。文化祭でのこと。修学旅行でのこと。

お兄ちゃんは苦しんでいたのだ。

一人で抱え込んでいたのだ。

そして、何も出来なかったあの二人に、自分勝手な理由で拒絶されたのだ。

気づけば私は泣いていた。

何も知らず、ただただお兄ちゃんが何かやらかしたのだと思い込んでいた。罪悪感しかなかった。

私は決めた。雪乃さんや結衣さんとはもう縁を切る。

私はお兄ちゃんの味方をする。

そして、お兄ちゃんが帰ってきたら、満面の笑みで「おかえり!」と言ってあげよう。

そう心に決めた。

 

 

 

八幡side

 

四菱電鉄 幕張駅

 

家を出た俺は駅に来ていた。

ここから特急で東京に向かう。

『お待たせ致しました。間もなく、4番線に、5時10分発、特急ロマンスカー、エアポート号、羽田空港国際線ターミナル行が、10両編成で参ります。次は、舞浜に停まります。危険ですから、安全柵の内側まで、お下がり下さい。この電車は、途中、舞浜、東京、浜松町、天王洲アイルに停まります。』

どうやら乗る予定の特急が来るようだ。

俺は列に並んで電車を待つ。

しばらくして、電車が来た。

電車に乗った時に向かい側のホームに雪ノ下陽乃がいるのに気づいた。しかし、今の俺は眼鏡を掛けているので、向こうは気づいていない。

発車ベルが鳴り、電車が動き始める。

ホームを離れたとたん、溜め息が出た

「はぁ・・・。ようやく解放された」

そう独り言を漏らし、俺は眠り始めた。

 

達哉side

 

俺は比企谷達哉。

四菱商事に勤める営業マンだ。

ようやく取れた有給休暇。

いつもより長く眠れると思っていたが、最愛の娘小町によって叩き起こされた。

折角の休暇が・・・

「小町、いきなりどうした?何か欲しいものでもあるのか?」

「お兄ちゃんがいなくなったの・・・」

「あいつが?何で」

「この手紙を読めばわかる」

そう言われ、俺は手紙を読んでみた。

 

 

 

何じゃこりゃ、こんな事でいなくなったのかよあいつは。

馬鹿馬鹿しいにも程がある。

「別にいいだろ、あいつがいなくても小町さえ居れば十分だし」

「それでも、宗一おじさんとか祐哉おじさんとかおじいちゃんに知られたら大変なことになるんじゃないの?」

うぐっ・・・確かに。

もし知られたら俺はどうなるのだろうか。

宗一『八幡君を放っておいて小町ちゃんばかり溺愛するからこうなるんだよ、出来損ない』

祐哉『呆れて何も言えないな、この出来損ない』

秀一郎『もうお前に比企谷を名乗る資格などないわ、出来損ないが』

怖ぇ・・・、どうなるんだ、俺。

俺はただ震える事しか出来なかった。

だって怖えーんだよ!

あの兄貴コンビと爺さん。

雄大はまだ良い方だが、あの三人は阿修羅だからな?

なぜか俺だけに対しては厳しいんだ。

出来損ないなのはわかるが、ありゃないだろうに。

内心そう思った。

 

 

宗一side

 

8時半 総武高校前

 

「よし。時間だ。これより文部科学大臣行政命令に基づき、文部科学省、千葉県教育委員会、警察庁、千葉県警察による、千葉市立総武高校の4者合同臨時立ち入り捜査を開始する」




さあ、いよいよ大復讐&大逃亡劇が始まります❗


2月23日追記
次話は2月中旬を予定していましたが、作者が学年末テストのため3月中旬迄に延期いたします。

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