ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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四頭のドラゴン

杖調べから二週間ほど経ったけど、その間に三校対抗試合の記事が新聞に載った。でも、ハリーに関してばっかりで、普段のハリーを見てるとこんなこと絶対に言わないだろうってことばっかり書いてあった。

リータ・スキーターから手紙が来たけど、あたしへの取材は第二競技の前にやるって。よろしい、徹底的に準備して脅すとしよう。

試合一週間前の土曜日、三年生以上はホグズミード行きを許可された。それと、あたしには夜に禁じられた森へ行ってくれって手紙も。ドラゴンが到着するらしい。

 

 

 

……よかった、見つからなかった。

今、あたしは三本の箒のすぐ近くにいるんだけど、店からリータ・スキーターが出てくるのを見てしまった。とっさに隠れたから気づかれなかったけど、もし見つかっていたらどんな目にあっていたことやら。

パブの中にはムーディ先生やハグリッド、少し離れたところにフレッジョとリー、ロン。さらに離れたところにはハーマイオニーが居た。手元でノートを広げている……S・P・E・Wの会員名簿のようだ。人数はとても少ないけど。

さて、お菓子も買ったし、バタービールも飲んだし、帰ろうか。四種のドラゴンをおとなしくさせないといけないし、早めに休んでおこう。

 

 

 

夜十一時半頃、禁じられた森の奥近く、ただしホグワーツからは十分離れた場所。そこには分厚い板で柵が作られ、四頭のドラゴンが繋がれていた。四頭とも暴れている。

 

「離れて、ハグリッド!」

 

おっと、あたしの他にもお客さんがいるのかな?見渡して見ると、ハグリッドとマダム・マクシームがドラゴン──ハンガリー・ホーンテールを見ていた。あ、ホーンテールが失神した。

 

「さて、リアス!来てくれるかい?」

 

えーと、あれは……ああ、チャーリー・ウィーズリーか。確か、ロンのお兄さんでノーベルタを引き取ってくれた人。

 

「来たけど、どうしたの?」

 

「ホーンテールをおとなしくさせる手段ってあるかい?あ、ちょっと待ってて……ハグリッド、どさくさに紛れて卵を盗もうとしない。リッジバックならともかく、ホーンテールは危険すぎるし、そもそもハグリッドはドラゴンキーパーじゃないだろう?」

 

「ハグリッド、あたしが一年生の時も言ったよね?ドラゴンを飼うことは犯罪だって」

 

「リ、リアス!?何でここにおるんだ?それと盗もうとなんかしちゃいねぇ。ちょっと近くで見たかっただけだ!」

 

全く、ハグリッドはどこまで危険を犯せば気がすむのやら。

試合直前にもう一度ドラゴンに会えるようにチャーリーにお願いして、あたしは城に戻った。


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