ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

82 / 114
えー、誠に勝手ながら、ガチートアンケートの期限を第二の課題開始までに変更させていただきます。不死鳥編一話までだと長すぎるので。

そしてこの作品には関係ないFGOの話になりますが──新宿のアヴェンジャーゲットしたぞぉぉぉぉぉっ!


代表選手の選考

夜、ろうそくの灯りに照らされ、コウモリが飛び交う大広間。あたしはなぜかグリフィンドールのテーブルではなく教職員テーブルの方に座っていた。なぜだ。

 

「リアスには今年一年、主催者側として動いてもらわねばならんからのう。区別するためじゃよ」

 

「ダンブルドア先生、あたしを見るみんなの目が珍獣を見る目と同じ感じなんですけど……」

 

「ひとえに、君への愛の表れじゃろう。ほっほっほ」

 

相変わらず訳のわからない人だ。

ご飯を食べ終わり、金の皿が綺麗になる。そして、ダンブルドア校長が立ち上がった。

 

「さて、ゴブレットは、ほぼ決定したようじゃ。わしの見込みでは、あと一分ほどじゃのう。さて、代表選手の名前が呼ばれたら、その者たちは、大広間の一番前に来るがよい。そして、教職員テーブルに沿って進み、隣の部屋に入って待っておるように。そこで、最初の指示が与えられるじゃろう」

 

ダンブルドア先生が節くれだった杖を一振りし、ほぼ全てのろうそくを消す。校長先生の前に置かれたゴブレットの炎だけが輝き、幻想的な光景を見せてくれている。

突然、ゴブレットの青い炎が赤く変わった。火花が飛び散り、蛇の舌のようにダンブルドア校長の目の前まで炎が駆けてくる。その先からは、一枚の焦げた羊皮紙が落ちてきた。

 

「ダームストラングの代表選手は、ビクトール・クラム」

 

「そうこなくっちゃ!」

 

ロンが声を張り上げる。

 

「ブラボー、ビクトール!」

 

カルカロフ校長の声が轟く。当のクラムは既に隣の部屋へ消えていた。

再び炎が赤く染まり、一枚の羊皮紙が吐き出される。

 

「ボーバトンの代表選手は、フラー・デラクール」

 

ヴィーラのクォーターの少女が立ち上がる。彼女は優雅に立ち上がると、静かに隣の部屋に入っていった。

三度目の赤い炎。最後はホグワーツの代表選手だ。羊皮紙に書かれていた名前は──

 

「ホグワーツの代表選手は、セドリック・ディゴリー」

 

呼ばれた瞬間、ロンが何かを叫んだ。でも、その声はハッフルパフの歓声にかき消される。ハッフルパフの喜びようが凄まじい。うん、ハッフルパフって目立たないみたいだしね。

 

「けっこう、けっこう!さて、これで三人の代表選手が決まった。選ばれなかったボーバトン生も、ダームストラング生も含め、みんな打ち揃って、あらん限りの力を振り絞り、代表選手たちを応援してくだされ。選手たちに声援を送ることが、みんなが本当の意味で貢献でき──」

 

ダンブルドア校長が喜びの言葉を切り、ゴブレットをじっと見つめる。ゴブレットの炎は羊皮紙を吐き出す時だけ赤くなっていた。つまり、三度赤くなったのなら、もう赤く染まることはない。

けど、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。吐き出された、あり得ないはずの四枚目の羊皮紙を、ダンブルドア先生がキャッチする。その紙を広げたダンブルドア先生は固まり、長い沈黙の後に、四人目の代表選手の名前を告げた。

 

「ハリー・ポッター」


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。