ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

75 / 114
ボーバトンの到着

みんなが浮き足立ちながら授業を受け、ローブを着て校庭に並ぶ。マクゴナガル先生は一人一人の服装を厳しくチェックして回った。あたしの肩に乗るフォウ君と足元のキノを見て悩んでいたけど、「まあいいでしょう」と言ってくれた。

 

「もうすぐ六時だ」

 

ロンが時計を眺めながら言う。

ダームストラングは知らないけど、ボーバトンって確かフランスの方の学校だよね。前にあっちの方で、扱いにくい天馬『アブラクサン』の多数調教に成功したって話があったし、ボーバトンは天馬で来るのかもしれない。

 

「わしの目に狂いがなければ、ボーバトンの代表団が近づいて来ますぞ!」

 

突然、校長先生が叫ぶ。みんながバラバラな方向を向く中、あたしは空に大きな馬の影いくつかを見つけた。どんどん近づいてくる。

衝撃音とともに着地した十二頭の金銀のパロミノの天馬たちは、パステルブルーの巨大な馬車を引いていた。ついでに、着地と同時にネビルが吹き飛んでスリザリンの五年生の足にぶつかった。

金の杖が交差した紋章が描かれているドアが開き、淡い水色のローブの少年が飛び降りる。ゴソゴソ何かをいじっていたかと思うと、金色の踏み台を馬車の底から取り出し、恭しく飛び退いた。

ほとんど同時に、子供のそりほどもある黒いハイヒールと、それを履いている、ハグリッドほどもある女性が姿を現した。

 

「これはこれは、マダム・マクシーム。ようこそ、ホグワーツへ」

 

ダンブルドア校長が女性──マダム・マクシームに挨拶する。

 

「ダンブリー-ドール。おかわりーありませーんか?」

 

マダム・マクシームの声は深いアルトで、フランス訛りが入っているのか少し聞き取り辛い。

 

「おかげさまで、上々じゃ」

 

「それはよーかった。わたーしのせいとです」

 

マダムの後ろには十数人の、淡い水色の服を着た学生が立っていた。みんな震えている。寒いのかな?

 

「カルカロフはまだきーませんか?あたたまりたーいですし、ウーマもおねがいしたーいのですが……」

 

「こちらの魔法生物飼育学の先生と、彼の親友であり理解者でもある少女が喜んでお世話することじゃろう。リアス、お願いできるかのう?」

 

「もちろんです!」

 

校長先生に指名されたし、喜び勇んでアブラクサンの元へ向かう。

 

「おーう……こーんなちいさな子にウーマを世話することでーきません。わーたしのウーマたちの世話は─あー─ちからいりまーす」

 

「この子は動物たちに好かれる子でしてのう。ほれ、彼女の足元に控えるのはあのシュヴォルフじゃ。それに、なんとバジリスクやヌンドゥまで飼い慣らした実績がある。それに、ハグリッドには力もありますから、やり遂げることをわしが請け合いますぞ」

 

「それならあんーしんです。ウーマはシングルモルト・ウィスキーしかのまなーいですから、きをつけてくーださい」

 

「わかりました。【さぁ、こっちにおいで。森の近くなら安心する?】」

 

あたしは馬たちを引き連れ、ハグリッドの小屋の方へと向かった。……あ、どこに繋げばいいんだろう。とりあえず、馬たちにはおとなしくしているように伝えて、あたしはみんなの方に戻った。ハグリッド?スクリュートの仕分けをしてたよ。




マクシームやボーバトン生の口調がとても難しい……

活動報告にアンケートを設置しました。今後、リアスがガチートになるか否かのアンケートですので、ご協力お願いします。期間は不死鳥の騎士団編第一話が投稿されるまでです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。