ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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第67話──第4章の12話目にして明かされる衝撃の真実────主人公の詳しい設定が固まっていない!ようやく主人公の詳しい設定の一部が決定したんですよ。決定した裏設定は最後の方で明かす予定なので楽しみに。──実は、これまでにもその裏設定に関するフラグは少し混じってたりするんですがね。


占い学での奇跡?

お昼休みに、ノートの注文書を書いて校庭へ。ユーリを召喚して注文書をダイアゴン横丁まで届けてもらう。明日にはノートが届いてくれるだろう。これでスクリュートの日記がつけれるね。スペースが余ればホグワーツの敷地の探検日記もできるかも。

……あ、早くご飯食べないと!

 

 

 

広間へ戻ると、出てくるハーマイオニーとすれ違った。何か楽しげな顔をしている。ハリーとロンは彼女をポカンとした顔で見送っていた。

 

「何があったの?」

 

「ハーマイオニー、絶食でのストライキは辞めて暴食でストライキでも起こすのかと思った」

 

「いつもよりも多く食べてたんだよ。昨日食べなかった分も食べてるんじゃないかってぐらいに。今は図書室で何か企んでるみたいだ。ところで、どこに行ってたの?」

 

「ノートの注文に。次からスクリュートの観察日記書くんだー」

 

「「気が狂ったのかい?」」

 

二人揃って酷いなぁ。幼生体と生体では姿形が全く違うのとかがいるんだよ。昆虫だとか、蛙だとか。もしかしたらスクリュートも成長すると姿が変わるかもしれないじゃない。

 

「つまり、これは学術的興味とかそんなもので、個人的な興味とは違う。証明終了(Q.E.D.)

 

「証明できてないと思うのは僕だけかい、ロン?」

 

「ハリー、君が間違ってたらマーリンの髭だよ」

 

そこ二人、うるさい。

 

 

 

そろそろ鐘が鳴りそうな時間になったから、北塔のてっぺん──占い学の教室、トレローニー先生の部屋へと向かう。もうみんな梯子を上ってるみたいだ。今年は短パンをパンツの上から履いてるし、覗かれても大丈夫だね。覗かせる気はないけど。

ハリーたちはまだ来てないみたいだけど、二人以外はみんなすでに座っている。トレローニー先生はまだ見当たらない。

二人が到着して、前の方の席に座ると、どこからともなくトレローニー先生が現れた。この人、案外凄いと思う。占い以外は。

ハリーに対して不吉な予言をすると、今度はあたしの方に寄ってきた。

 

「ああ、あなたは頭に気をつけた方がいいかもしれません……取るに足らない小さな虫でも、命取りになることがありますが、今回は心配しなくても大丈夫でしょう。ですが、もし続くようならば……これ以上は語らなくてもわかるでしょう?」

 

意味深なことを言っていたけど、要は頭に何かぶつかるかもだから注意してろってことかな?普段から気をつけてるよ。森の中だと猿に林檎とかを投げつけられることがあったりするからね。

 

 

 

ロンの余計な一言で、トレローニー先生が珍しく怒ってこれまでよりも面倒な宿題を出してきた。これから一ヶ月分の惑星の動きがあたしたちにどういう影響を与えるか詳しく分析して、来週の月曜に提出しろだって。はぁ……フィレンツェやベインに手伝ってもらおう。そうすれば簡単だろう。ケンタウルスはあらゆる分野の占いに通じてるからね。

よし、そうと決まれば早速向かおう。あわよくば何か珍しい生き物でも見なかったか聞いてみよう。

そう思って校庭に出て森へ向けて歩き出す。

 

「痛っ!」

 

何かが頭に急にぶつかった。周りを見渡しても誰もいないし、森からもまだ離れてるから猿に近い生き物が投げつけてきたってこともない。ただ、何がぶつかったのか気になって足元を見てみると、十五センチほどのハンミョウが落ちていた。

 

「──なんで亜空虫(あくうちゅう)がいるの?さっきまでいなかったと思うんだけど」

 

この虫は非常に特殊な虫で、人にぶつかることなんて滅多にない。そもそも生息地は北米の高地で、イギリスには野生の亜空虫は居ないはずだ。居たとしても淘汰されてしまうだろう。

まあ、亜空虫が精製する魔力結晶を狙われて別次元にジャンプしたんだろう。そして、道を違えてホグワーツまで──それも、ピンポイントであたしの額数センチ前に転移してしまったと。

 

「さすが『道違え』……どこに出るのか全くわからない」

 

この子はとりあえずローブの内側に留まらせておく。まだ気絶してるみたいだし、あとで逃してあげるとしようか。

さぁ、さっさとフィレンツェを捜して宿題手伝ってもらわなきゃ!




亜空虫
M.O.M.分類XXX(XX)
通称「道違え」。ハンミョウを十五センチほどに大きくしたような虫で、北米の高地に生息。
縄張り争いなどで追い出されることが多く、頻繁に他の地域てまも目撃される。だが、だいたいは北米大陸か南米大陸、ロシア東部、日本などアジア諸国ぐらいまで。ヨーロッパにもいるにはいるが、ホグワーツに迷い込むのは滅多に居ない。
草食。
後翅は退化して跳べない。一部の魔法使いに恐れられている。
自身の位相を別位相(別次元)の同座標に跨がらせることにより通常物理法則下にある干渉から身を守ることができる。この障壁は魔力に弱く、多分失敗した魔法でも解除できてしまう。障壁が繰り返し破壊されると前翅を展開し、一定範囲(約半径十メートル以内)から魔力を猛烈な勢いで吸収し腹部に魔力結晶を精製、結晶を用いてポータルを開いて次元跳躍を試みる。結構凄い虫。
次元跳躍した先は別次元の地球であり、時間の流れなどの様々な要因が異なっている。また、どの次元の地球に跳ばされるのかもその時次第。結晶は往復分の魔力も持ち、こちらの地球(第三次元の地球)に帰ってくることもできる。だが、元の場所に戻れる確率は低い。ポータルも効果範囲が広く、攻撃してきた敵やら周りに居た哀れな生物を巻き込んで跳躍することがある。行きは座標は固定されているが次元は指定できず、帰りは次元は固定されているが座標が指定できないなど、少しポンコツ。
魔力結晶は貴重な魔法薬の材料になると考えられ、目下研究中。精製終了からポータルを開くまでの一瞬で物理的に叩き殺すのが有効らしいが、素早いため難易度は高い。
影のビツケンヌさんのアイデアです。ありがとうございました!もっと詳しいことが知りたい人は活動報告の『魔法生物の王:アイデア募集』をご確認ください。

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