ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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なぜだか前話後書きの紅ドレスで赤セイバー(Not嫁バージョン)を思い浮かべた方が多いようで。一つ言いましょう。うちの子にパンモロドレスを着させる気はありません!
まあ、ラッキースケベの餌食ぐらいなら妥協しますけどね。


新入生たちの組分け

あれから二、三時間ほどで、汽車はホグズミード駅に到着した。雨はさらに強く降り、水煙が霧のように漂っている。

手を振るハグリッドに微笑み、駅の外で待っていたセストラルの馬車に向かう。乗り込む前にセストラルの頭を撫でてあげると、嬉しそうに嘶いた。ついでに、キノも馬車に乗り込んできた。あたしから離れる気はないようだ。

 

 

 

あたしが乗った馬車は最後尾だったようで、玄関ロビーに入るとどんな魔法がかけられてるのか、外と遮断するように玄関扉が閉まった。一昨年は閉まらなかったけど、去年と今年は大雨だからだろう。

前の方を見て、最後尾でよかったと思った。ピーブズが風船片手に大はしゃぎしてる。何人もの生徒に水風船をぶつけているようだ。あ、マクゴナガル先生が怒りに行った。

 

「さあ、大広間へ、急いで!」

 

先生の声で広間へと向かう。すれ違ったとき、先生はため息をついていた。ここを掃除するための指揮をとるのは先生のようだ。

 

 

 

大広間はとても暖かかった。長テーブルの一箇所に座ると、横にキノがペタンと伏せた。尻尾を丸めているし、緊張してるんだろう。

教員席に座ってる先生たちを数えて見たけど、ハグリッド、マクゴナガル先生を差し引いても一人分足りない。誰かが別教科に移動したわけじゃないのなら、闇の魔術に対する防衛術の先生が居ないみたいだ。

空に稲妻が走り、同時に扉が開く。マクゴナガル先生を先頭とした一年生たちだ。みんな、見事にびしょ濡れで、一人は湖に落ちたのか、ハグリッドのオーバーにくるまっている。うん、今年一年生じゃなくてよかった。

マクゴナガル先生はこれまでのように、一年生たちの前に三つ足の丸椅子を置き、三角帽子をその上に乗せる。一年生たちは何が始まるんだろうと緊張し、それ以外は今年はどんな歌なんだろうかと耳をすませる。そして一部はご馳走をまだかまだかと待ちわびる。

そして、ボロボロの三角帽子──組分け帽子は高らかに歌いだす。四つの寮を讃える歌を。

 

「今を去ること一千年、そのまた昔その昔

私は縫われたばっかりで、糸も新し、真新し

その頃生きた四天王

今なおその名を轟かす

 

荒野から来たグリフィンドール

勇猛果敢なグリフィンドール

 

谷川から来たレイブンクロー

賢明公正レイブンクロー

 

谷間から来たハッフルパフ

温厚柔和なハッフルパフ

 

湿原から来たスリザリン

俊敏狡猾スリザリン

 

共に語らう夢、希望

共に計らう大事業

魔法使いの卵をば、教え育てん学び舎で

かくしてできたホグワーツ

 

四天王のそれぞれが

四つの寮を創設し

各自異なる徳目を

各自の寮で教え込む

 

グリフィンドールは勇気をば

何よりも良き徳とせり

 

レイブンクローは賢きを

誰よりも高く評価せり

 

ハッフルパフは勤勉を

資格ある者として選び取る

 

力に飢えしスリザリン

野望を何より好みけり

 

四天王の生きし時

自ら選びし寮生を

四天王亡きその後は

いかに選ばんその資質?

 

グリフィンドールその人が

素早く脱いだその帽子

四天王たちそれぞれが

帽子に知能を吹き込んだ

代わりに帽子が選ぶよう!

 

かぶってごらん。すっぽりと

私が間違えたことはない

私が見よう。みなの頭

そして教えん。寮の名を!」

 

帽子が歌い終わり、大広間は割れるような拍手に包まれる。

 

「バウッ!?」

 

あ、キノが飛び起きた。暇だったから寝てたのね。そしてこの拍手でびっくりしたのか。よしよし、おすわりしてよっか。

マクゴナガル先生が諸注意をして、組分けが始まる。とりあえず変わったことはない。オーバーを羽織った子はデニス・クリービーと言い、コリンの弟なんだって。デニスはグリフィンドールに組分けされて、湖に落っこって何者かにボートに持ち上げられたことを自慢していた。多分大イカだろう。彼以外には、人を持ち上げられるほどの力の持ち主は湖には居ないからね。




キノがだいぶメインキャラになって来た気がする。まあ、書いてて楽しいからいいけどね。可愛いし、モッフモフだし。これで現実世界にも居てくれたら最高だった。……自分じゃ主人として認めてもらえないか。

あ、オリジナル魔法生物募集はまだしてますよ。もしかしたら、死の秘宝上巻までは続けるかもしれません。使わなかった生物はアフターストーリーにでも登場してもらいます。

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