ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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校長先生との三度目のお話

ベッドに座り、魔法で使い魔を作り出す。ダンブルドア校長へのメッセージを伝え、校長室へ。内容は、「今夜十二時に面会させてください。返事は聞きません」だ。我ながらひどいとは思うけど、まあ、校長先生だし。

十一時五十九分になったので、多分一番呼び出してる気がするディリコール(幼鳥)を召喚して『姿現し』を使う。行き先はもちろん校長室。扉の手前へと移動した。

ドアをノックして、入室していいか聞く。

 

「来たようじゃな。入りなさい」

 

「失礼します」

 

ダンブルドア校長は椅子に座って、キラキラした目でこっちを見ていた。

 

「それで、何故面会したかったのか、教えてくれるかのう。今は殺人犯がうろついておるのじゃ。いくら吸魂鬼のことを友達と言ってのける君でも危ない」

 

「シリウスが無罪の可能性があるんですけど」

 

「……今、なんと?」

 

「シリウスはもしかしたら無罪です」

 

「……それは、本当かね?あの若者は、本当に罪を犯していないのか?すまんが、証拠を見せてくれるかな?」

 

「確か、ピーター・ペティグリューって指だけが遺ってたんですよね?指一本だけが切り落とされてるネズミがいるんです。あたしの動物言語も通じませんでしたし」

 

「……なぜ、ネズミの話が出て来るのじゃ?まさか、ピーターが動物もどきだという訳ではあるまい」

 

「そのまさからしいですけど。シリウスも動物もどきでしたし」

 

ダンブルドア校長は明らかに驚いて、室内を歩き回り始めた。しばらくウロウロしていたけど、やがて考えがまとまったのか再びあたしの方を向いて来た。

 

「……ブラックが無罪である証拠にはいささか重みが足りん。ファッジは信用せんじゃろう。もっとも、ピーターを彼の前に連れてこれるのなら話は別じゃが。ブラックは、なんと言っておったのじゃ?」

 

「真実薬を飲んでも構わない」

 

「……なるほど、彼は無罪のようじゃな。その言葉が出て来るのならば。儂は君を信じよう、リアス。あとは、マクゴナガル先生とルーピン先生にも伝えておかんと。ハリーには?」

 

「シリウス自身が教えるなって」

 

ダンブルドア校長は頷くと、チョコを渡して来てあたしを寮に帰らせた。

マクゴナガル先生に教えるのはわかる。あの人は副校長だし、ダンブルドア校長がもっとも信頼している一人のはず。でも、なんでルーピン先生に伝えるんだろう。何か、関係があるのかな?

 

 

 

翌朝、朝食の席でドラコが頭からかぼちゃタルトをかぶり紅茶に右手を突っ込んでいたけど気にしないでおこう。……あ、パグ犬みたいな女の子が駆け寄って行って転んでドラコがクラッブの下敷きになった。どんまい。


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