ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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バジリスク

暇な時が見つからず、なかなかバジリスクに会いに行けない。……よし、土曜日の夜にディリコール呼んで寮を抜け出そう。あたしにはハリーみたいに透明マントは無いんだし。

 

 

 

と言うわけで、やって来ましたマートルのトイレ!

 

「……どうやって来たのよ」

 

「気にしたら負けだと思うけどね?」

 

突然現れたあたしに驚いたマートルを放っておいて、太いパイプが走ってそうな洗面台に向かう。

 

「えーと、多分この下なんだけど……どうしたら開くんだろう?」

 

洗面台をくまなく探してみる。すると、一つの蛇口に小さな蛇の彫り物があった。……蛇口。蛇の口。洒落かしら?

 

「その蛇口、ずっと前から壊れてるわよ?」

 

「壊れてても平気かな?【開け】」

 

物は試しと動物言語。当たりだったようで、洗面台が動き出す。多分あの部屋を作ったのはスリザリンだと思うけど、なんで女子トイレを入り口にしたの?

洗面台が消えて出て来たパイプは、ネズミの状態で見たパイプと同じだった。

あたしはパイプに飛び込んで、下を目指す。

 

 

 

「よっと」

 

ちゃんと両足で着地する。そのまま、この前見た扉へと向かって行く。

扉に変化はなく、唯一変わっていたことといえば、開けたはずなのに閉まっていたことだ。自動で閉じたんでしょうね。

動物言語で扉を開け、中へと進んで行く。やはりバジリスクの姿は無く、横道のパイプの方で眠りこけていた。

 

「うーん、おっきいなぁ。昔見たバジリスクの二倍はあるかな?とりあえず、【起っきろー!】」

 

大声を出して、バジリスクを起こす。綺麗なエメラルド色の目をしている。

 

【……何者だ。継承者か?五十年前と同じように、誰かを殺せと言うのか?】

 

「【継承者って何?】」

 

うん、継承者って?聞いたこと無いんだけど。

 

【……まさか、知らずにここまで?あの扉は蛇語でしか開けられないはず……いや、お前の話している言葉は、まさか……なるほど。お前の名前は?】

 

「【リアス・クリミアよ。あなたは?】」

 

【私の名は……すまん、忘れた。名前を呼んでくれる者など居なかったのでな】

 

あら、名無しなのね。でも、名前が無いのは可哀想だし、よし、適当につけちゃおう。

 

「【じゃあ……シャルロッテ!シャルロッテでどうかしら?】」

 

【……?】

 

「【あなたの名前よ!名無しじゃ不便だし、いつまでもバジリスクって呼ぶわけにはいかないでしょ?だから、シャルロッテって名前をあなたにあげるわ】」

 

【シャルロッテ……いい名前だ。さて、リアスよ。私はお前に従おう。さて、まずは何を命ずる?】

 

あれ?なぜか一方的に主従契約かわされたんだけど。しかも押し付けた方が従者側で。うーん、主従関係とか、そう言うのは苦手だしね。

 

「【主従関係とかは無し。あなたとあたしは友達。もしくはペット。それでいいかしら?あと、殺しとかはダメよ?】」

 

【……承知したが、そろそろ戻った方がいいのでは無いかね?長く部屋を開けていると此処に来ていることがバレてしまい、罰則とやらがあるのだろう?戻りたまえ】

 

「【うん、またね】」

 

ディリコールをもう一度呼び出し、寮まで転移。また会いに行こう。




その頃のハリー

「私の本はなんと!六ヶ月連続でベストセラー入りしたのです!どうです?新記録ですよ?」

「そうですね(棒)」(早く罰則終わらないかな……)

バジリスクの声が聞こえることもなく宛名書きしてました。


色々とフラグが折れました。バジリスクの名前のシャルロッテは、まどマギの『お菓子の魔女』から。恵方巻きみたいなのが蛇に似てるので。

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