ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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リアス・クリミアが使役できる範囲
人間の血が混ざっている生物以外の全ての生物。
つまるところ、人に近い形の生物とのハーフや動物もどき(アニメーガス)、人狼以外は全部可能。

今回はリアス視点です。


彼女の入学は石と共に


ママに連れられて漏れ鍋に〈姿現わし〉したのだけれど、なんでかいつも以上に賑わってるわね。

そうだ!トムさんに聞いてみましょう!

「トムさん、なんでこんなに賑わってるの?」

「おや、いらっしゃい、リアスちゃん。こんなに、とは酷いがね、ハリー・ポッターさんがいらっしゃったのさ。今頃はハグリッドとダイアゴン横丁で買い物をしているだろうね」

「ハリー・ポッター?」

「リアス、『例のあの人』を倒した子よ。あなたと同い年なの」

ママがハリー・ポッターについて笑って教えてくれた。

『例のあの人』っていうと、あたしが産まれたときに色々やってた闇の魔法使いだっけ。すごい人なんだ、ハリーって。

いつのまにか、漏れ鍋の裏にいた。ママが一つのレンガを三回叩いた。すると、壁がくねくね動いてアーチ型の入り口が出来上がった。何回も見てるけどすごいと思う。

「さあ、まずはグリンゴッツね。それから、服を買って杖を買って……やることがいっぱいよ?」

町を歩きながらグリンゴッツに向かってる。

あそこの小鬼(ゴブリン)は、お金にがめつい以外はいい人。でも、お金に汚いからね〜。

グリンゴッツの中に入って、奥のカウンターの小鬼に話しかける。クリミア家の金庫へと向かうのだ。

ここのトロッコって楽しいのよね。まるでドラゴンやグリフォンに乗って空を飛んでる時みたいに!

 

 

ガリオン金貨をいくつかお財布にいれて、グリンゴッツを出る。次は制服だ。

 

 

途中で、マルフォイ家の人みたいな男の子や、とっても大きな男の人とすれ違ったけど、特に何事もなくマダム・マルキンの洋装店を出た。

あと、はかりや望遠鏡、教科書、薬も買ったから、残りは杖だけ。

「杖は、このあたり……と言うかこの国ではオリバンダーが一番なのよね。私もそこで買ったし、イギリスの有名な魔法使いは大抵オリバンダー杖店で買ったんじゃないかしら?」

ママは自分の杖をクルクル回した。

松に一角獣(ユニコーン)のたてがみ、三十センチだったっけ。攻撃系の呪文が得意だったはず。魔法省でセクハラしてくる男どもに〈フリペンド〉を使ったって話をよく聞くし。

そんなことを思っているうちに、狭い店にたどり着いた。扉には「オリバンダーの店ーー紀元前三八二年創業 高級杖メーカー」と金文字で書いてある。

中に入るときに、男の子とすれ違った。眼鏡をしてて、どこか嬉しそうな顔。チラリと見えた額には雷みたいな傷があった。

「いらっしゃいませ」

店の中には、お爺さんが一人立っていた。

「おお、エリザベート・クリミアさんですか……松の木に一角獣(ユニコーン)のたてがみ、三十センチで攻撃的。あんたに杖を売ったのもつい昨日のようじゃ」

静かに話す老人。この人がオリバンダーさんなのかな?

「さて、リアス・クリミアさんですな?どちらが杖腕ですかな?」

「ええと、右です」

言いながら、腕を伸ばすと、オリバンダーさんがポケットから出した巻尺が勝手に色々なところの寸法を測り始めた。少しくすぐったい。

「クリミアさん、オリバンダーの杖は一本一本、強力な魔力を持つ物を芯に使っております。うちの店で扱っている芯材は、一角獣のたてがみに不死鳥の尾の羽根、ドラゴンの心臓の琴線。どれも、一頭から一つしか提供してもらえない。それ故に、一つとして同じ杖はないのです。個体差、と言うものですな。だから、他の魔法使いの杖を使っても、けっして自分の杖ほどの力は出せないわけじゃ。そして、杖を魔法使いが選ぶのではなく、杖が魔法使いを選ぶのです。ですから、自分だけの杖を使えば、自分にとって最高のパフォーマンスが出来るのですよ」

オリバンダーさんは一つの箱を持ってきて、その中から杖を出した。

「では、これを。イチイの木に一角獣のたてがみ、二十センチ。一途で頑固。振ってみなされ」

受け取って振って見ても、何も起きない。そのまま杖は取り上げられて、新しいのが差し出された。

「松にドラゴンの心臓の琴線。三十一センチ、しなやか。どうですかな?」

受け取って振ろうとしたところで、取り上げられる。

他にもいくつか試して見たけど、どれもダメみたい。オリバンダーさんは気難しい顔になって、

「いや、まさか……あの杖が……?」

って呟いている。

頭を振って、オリバンダーさんは店の奥に消えていった。

「……嫌われちゃった?」

「いいえ、あの人は絶対に、あなたに合う杖を見つけてくれるわ。簡単に決まる人もいるし、なかなか決まらない人もいるのよ」

少しして、オリバンダーさんが戻ってきた。手には、真っ黒な箱が握られている。

「もしや、とは思いますがな。この杖を振って見てもらってもよろしいかな?」

柔らかそうな感じの色の杖だったわ。でも、少し怖い。

手に持つと、なんだか、真っ直ぐに進めるような気がした。振った途端に、周りに泡が出てきたから、これなのかな?

「その杖は、檜にとある海獣の骨を芯材として出来ている、この店にしかない、この店にもその芯材を使ったものはその一本しかない代物です。二十五センチ、頑固で真っ直ぐで、何かを呼び出す類の呪文を好む。

……一つ、話をさせてもらえますかな?クリミアさん、リアス・クリミアさんや。あなたは生き物に好かれておる。それは、人間以外のどんな生き物にも。

魔法生物には格があるのです。より正確に言えば、何かの王とも呼べる種が。例えば蛇の王バジリスク、例えば蜘蛛の王アクロマンチュラ、例えば病魔の王ヌンドゥ、海の王クラーケン。

そして、この杖の芯材の骨は、その昔王同士の戦いに敗れた獣の骨なのじゃ。

共に海獣と呼ばれた二体は、なんの事情か争いあい、片方が死んだ。その獣の骨は、とある武器に加工されたのです。一度放たれれば必ず敵の心臓を刺し穿つ、必殺の槍に。

もうお分かりでしょう。その獣はケルトの時代に死に、最近になって、骨の一部が見つかった生物。アルスターの英雄、クー・フーリンの朱槍、ゲイ・ボルクの素材となった骨。

その獣の名は、クリード。

今もまだ、深海に種が残っていると言われておりますが、その芯材は正真正銘、ゲイ・ボルクに使われたものと同じもの。

生きた心地がしませんでした。いつのまにか、影の国の入り口に立ち、スカサハと相対していたのですから。

彼女からこの骨を譲ってもらい、杖を作ったのです。

また、もう一頭の海獣、コインヘンも生き残っていると言う話を聞きました。クリードの子孫に神話の時代から生きているコインヘン。もしかすると、あなたに惹かれてやってくるかもしれませんな」

お代は結構、と店を出される。ゲイ・ボルクと言うと伝説の槍だっけ。そんなに凄いものと同じ素材の杖なんて、もらっちゃってよかったのかな?




型月に出てきた獣は多分出てきます。クリードしかり、コインヘンしかり、トゥルッフ・トゥルウィスしかり。
彼女がハリー側につくかお辞儀側につくかで、ハリーたちの難易度がだいぶ変わります。お辞儀側につけば、原作よりもお辞儀陣営が強化され難易度がハードを通り越してルナティックに入りかけ、ハリー側につけばお辞儀陣営超弱体(吸魂鬼、吸血鬼、トロール、巨人などが抜けるため)、ハリー陣営超強化でイージーレベルに。

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