二年目の始まり
あたしが家に帰ってきてから、もう数週間もたつ。宿題したりペットたちをモフモフしたり宿題したりママに使い魔呪文を改良してもらって喋れるようにしたり(でも使い魔は魔法は使えない)トランプしたり。
ママの同僚の人たちも何人か遊びにきた。みんな気さくな人たちで、楽しそうに笑ってた。目の下に隈があったり目が死んでたりする人もいたけど。
新しい教科書のリストが届いた。大量にギルデロイ・ロックハートって人の本がある。誰だろう?
「お、これがホグワーツの教科書リストか?」
突然、リストが取り上げられる。銀髪でメガネをかけた女性──ヨハンナ・ファウストさん。ママの同僚だ。
「ひーふーみー……うわ、七冊もロックハートの本があんのか。おいおい、
教科書リストを見ながらロックハートさんをバッサリ切り捨てるヨハンナさん。
彼女は本を読むのが好きな知識オタクだけど、ロックハートさんが苦手なのかな?
「んー?私が
「でっち上げ?」
「ああ、確認もした。あとは取っ捕まえる理由と証拠があれば平気なんだが……その証拠が見つからねぇ。部下のヴァーグナーが探してるんだが……本当に手柄を立てた奴は全員記憶を失ってる」
あらら、ロックハートさんって結構ひどい人。
……あれ?
「そういえば、なんでヨハンナさんいるんですか?」
「あ、忘れてた。エリザに頼まれてたことがあるんだよ。お前をダイアゴン横丁に連れて行ってやってくれってな」
水曜日、あたしたちはダイアゴン横丁に居た。ママは魔法の研究のために部屋に篭りっきり。代役としてヨハンナさんが呼ばれたらしい。
「久々に来たが、相変わらず賑わってるな。まだオリバンダーの店あるのか?」
「ありますよ?ほらそこに」
「……あの爺さん百年前にも居たんだが……どんだけ長生きなんだよ」
ヨハンナさんの驚きを無視して、あたしたちは買い物を済ませていく。教科書は最後。あんな量を持つのは面倒。
途中でドラコやウィーズリー一家、ハリー、ハーマイオニーを見かけた。みんなも今日、買い物に来てたみたいだ。
「よし、あとは教科書だけか。フローリッシュ・アンド・ブロッツ書店だな」
ヨハンナさんの言葉に従って、書店に向かう。近付けば近付くほど、人が増えて行っている。
「……なんでこんなに混んでるの?」
「私に聞くな。
……いや、書店の上階の窓見てみろ」
窓?……あ、ギルデロイ・ロックハートのサイン会?だからこんなに混んでるの?迷惑な人。
あたしは必要な教科書を取って、列に並んだ。少し先にはウィーズリー一家とハリー、ハーマイオニーが並んでる。
「もしや、ハリー・ポッターでは?」
突然、声が聞こえた。ロックハートさんが立ち上がり、ハリーの方に向かって行ってる。
「へぇ、あの黒髪のがハリー・ポッターか。意外と普通だな」
ヨハンナさんは呑気にハリーの観察をしてる。
ハリーは正面に引っ張りだされ、握手しているところを写真に撮られてた。
「この九月から!私はホグワーツ魔法魔術学校にて!『闇の魔術に対する防衛術』の担当教授職を!お引き受けすることになりましたぁ!!!」
……え?あの迷惑そうな人が先生に?……嫌だなぁ……。ヨハンナさんも同情か知らないけど肩に手を置いてきてるし。
取り敢えず、サインはどうでも良いので教科書を買ってくる。
戻ってくると、赤毛のロンに似た人と、金髪をオールバックにしたドラコに似た人が喧嘩してた。ヨハンナさんはその周りで賭けの元締めをしていた。何してるんですかあんたら。
喧嘩は結局、ハグリッドが仲裁して、賭け金はヨハンナさんが全取りしてた。
「ヒッヒッヒ、良いお小遣いになった」
「うわ、汚い大人だ」
金の入った袋を両手に抱えながら笑うヨハンナさんと彼女についていくあたし。今日はこのまま家に帰る。数日後には、またホグワーツでの生活が始まるのだろう。
ヨハンナさんも登場。多分パロキャラの中では優遇される。ちなみに前話で、「逆転時計使おうぜ!」的なことを言ったのはこの人の部下のヴァーグナー。あと親友一人とライバル一人。