ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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校長先生との話

次の日、マクゴナガル先生の案内で校長室の手前に到着した。ガーゴイルの像が門番らしい。

「『キノ○の山』」

……確か日本の国民的お菓子だっけ?なんでこれが合言葉になってるの?

ガーゴイルが飛び退くと、螺旋階段が現れた。乗ると、自動で動く。

てっぺんには樫の扉。グリフィンをかたどったドアノッカーが付いている。

あたしはドアを叩いた。

「おお、入りなさい」

ドアを開けて中に入る。歴代校長の写真やよくわからない道具で溢れている。ドアの近くには金の止まり木、そして不死鳥が居た。

「この子は、校長先生のペットなんですか?」

「そうじゃよ。名をフォークスと言う。フォークスとはとても運命的な出会いをしたのじゃが、それ以来、わしのペットとして働いてくれておる。不死鳥がペットとしてどれだけ優秀かは、君ならわかるじゃろう?」

校長先生は目をキラキラと輝かせながら、楽しそうに言った。

「さて、わしが聞きたいことはいくつかある。まず、君と繋がって居たあのトンボについてじゃ。魔力で形作られてることはわかったんじゃが、正体が掴めぬ。教えてくれるかのう?」

「ママに作ってもらった使い魔作製呪文です。人や魔法生物以外ならどんな形でも取れますよ。作り出したあとは大きさと色や見た目材質ぐらいしか変更できませんが」

「なるほど、エリザベートの呪文じゃったか。彼女はホグワーツに居た時から、呪文の創作が得意じゃった。わしや先生方を驚かせるような呪文を創り、わしやヴォルデモートですら思い浮かばぬような呪文も作り出した。思えば、彼女がレイブンクローに入ったのも、彼女が神秘部に就職したのも、必然なのかもしれんのう……一度、見せてくれるかな?」

あたしは頷き、杖を構えた。

「〈使い魔作製(クレアチオ・ファミリア)〉」

クリスタルのような鳥が杖から現れ、校長先生の肩に止まる。校長先生はそれを撫で、

「いい出来じゃ。守護霊のように吸魂鬼やレシフォールドに対する特攻はないようじゃが、物理攻撃ができるみたいじゃのう」

と言った。

「さて、二つ目じゃ。君はなぜ使い魔と繋がって居たのか。これには、二つの意味がある。なぜあの場を見て居たのか、そして、どうやって繋がって居たのかじゃ」

「ママの呪文」

「……感覚の共有かね?いや、彼女のことじゃ。悪ノリして感覚共有を憑依にグレードアップさせてもおかしくはない」

ママのことを良く理解していらっしゃるようで。

「あの場に居た理由は、夜中に目が覚めちゃって。それで、どこかに行こうとしているハリーたちを見つけたので、尾行させて居たんです」

ダンブルドア先生は顎に手を当て、何かを考える。

「次で最後の質問としよう。あの場に居たネズミの大群は?なぜ、ネズミたちはクィレル先生を喰らっていたのかね?」

「ネズミたちに指示を出したのはあたしです。もしかしたら、ハリーが危険かもって。そして、クィレル先生が一角獣を殺したことを知って、気づいたら喰わせてました」

ダンブルドア先生は思案し、朗らかに言った。

「よろしい。話してくれてありがとう。これからも、ハリーのことを助けてやってくれるかね?」

あたしは頷く。友達だしね!

「さあ、寮へお帰り。後でお菓子を送ってあげよう。ペット用のも」

やった!美味しいお菓子!

あたしはお菓子を心待ちにしながら寮へと帰って行った。


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