ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

110 / 114
金鯖確定演出きたのに……メルトかリップだと思ったのに……あなたはお呼びじゃないんですよ鈴鹿ァ!



とある魔術師の独白


(オレ)が何かを語ると思うか?これは彼奴の物語だ。我が口を挟むことなどない。酒の肴として愉しませてもらうがな。










部屋探し

しばらくして、ダンブルドア先生があたしのところに来た。ヴォルデモート卿が闇の魔法生物たち──吸魂鬼や、巨人や、狼人間とか──を味方につけようとしているって。先生曰く、ヴォルデモートが少し哀れになってきたって。あたしがいれば、狼人間以外や元人間の吸血鬼以外はこっちの味方になるからね。純血種──つまり真祖の吸血鬼とかも。それに、アズカバンの吸魂鬼たちは、ここ数年以内に産まれた子以外は会ったことがあるからね。必ず味方になってくれるはずだ。

ムーディ先生が偽物だったとも知らされた。クラウチさんの息子だったそうだ。あたしには関係ないだろう。

賞金は、セドリックとハリーで半々に分けるそうだ。

 

 

 

ハリーが戻ってきたのは、翌日の夜だった。昨日は医務室に泊まったそうだ。何があったのかを詮索するのは、朝食の時間にダンブルドア先生が釘を刺したために誰もいない。

防衛術の授業は、先生がいなくなったから自由時間になった。だからあたしは、一年近く前から気になっていたものを探すことにした。

とある日曜日に森をバックビークで冒険した時に見つけたルーン文字。『全てがあり、全てを与える、存在しない部屋に龍は眠る』。ふよふよと近くを漂っていた灰色のレディに聞いてみることにしよう。

 

「レディ、『全てがあり、全てを与える、存在しない部屋』ってわかる?」

 

「……ホグワーツの中にあるのなら、おそらくは『必要の部屋』でしょう。案をゴドリックおじ様が出し、理論を母──ロウェナ・レイブンクローが完成させ、ヘルガおば様が場所を決め、サラザールおじ様が作り上げた、魔法の部屋。四人がこの部屋のことはホグワーツの謎の一つにしよう、と決めたので公式文書に残っていることはないはずですが……どこで、その部屋のことを?」

 

「一年近く前に、湖の島の一つにあったルーン文字で」

 

レディが手帳を覗き込んでくる。その目は、驚きで見開かれた。

 

「『龍は眠る』──なぜ、これが──貴女には、彼を起こす権利がある、と?……ありうるかもしれませんね。貴女が、リアス・クリミアでしょう?男爵から話は聞いています。必要の部屋は八階のとあるタペストリーの前の石壁、そこの前を三度、必要となるものを思い浮かべながら往復しなさい。そうすれば、部屋は見つかります。願う部屋は──『誰も寄せ付けず眠れる部屋』。詳しいことは、彼に聞いたほうが良いでしょう」

 

レディは言いたいことを言うとさっさとどこかに行ってしまった。

 

 

 

それで、言われた場所の前に来てみたけど、『誰も寄せ付けず眠れる部屋』か。龍……一体、中にいるのは何なんだろう。

言われた通りに、壁の前を三度往復する。そして振り返ると、荘厳な扉があった。

重い扉を押し開くと、中には豪華な部屋と大きなベッドが見える。あたしは、中へ足を踏み入れた。

その途端、景色が切り替わった。

すでに豪華な部屋はなく、周りに広がるのは星空。神殿のような雰囲気だ。目の前には光の道。あたしは、その道を進む。

瓦礫が転がる白い階段を上ると、待っていたのは草原と青空、そして玉座。そこには、一人の男性が座り、目を瞑っている。

近づくと、その男は目を開き、あたしを見つめた。ジロジロとあたしを観察して、一言告げる。

 

「──遅い。何百年、何千年待たせるつもりだ」

 

──はい?




ガチートモードに切り替え中。今回出て来たのは、本当の人間ではなく魔法生物です。それも規格外な。そして、この世界においてはリアスの前世と関わりを持っています。読者さん提案のオリキャラ。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。