ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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もう少しだけハリー視点が続くので、ちょっとだけ我慢してください。ヴォルデモート復活は、どうしても書きたいんです。彼のポエムを書きたいんだ!あ、それと今話のサブタイには突っ込まないでいただけると幸いです。



七つ目の夢


──夢を見た
──この世全ての栄華を見た
──この世全ての衰退を見た
──我らは探し求めた
──彼が、魔術に、魔法に関わらないで済む未来を
──しかし、彼が平和に暮らすには、魔法に関わる必要があった
──これは、我が失態である
──彼が闇の存在する時代に生まれたことは
──我らは許さぬ
──過去から秘術を観測し、ほんの少しではあるが術式を混乱させたかの黄金を
──黄金と共に観測し、術式をいじったキングメーカーを
──彼奴らは我が名を持って不認とする
──我が名はフ─────










復活の時来たれり、其は全てを見下すもの

セドリックと共に杖を抜き、周りを警戒する。ところどころから蛍のような光が浮き上がり、地面も一部が光っているような気がする。

暗がりから誰かが歩いてきた。見え辛いが、そちらの方には屋敷のようなものがある。

その誰かは、何かを抱えているようだった。二メートルほど先の、背の高い大理石の墓のそばで立ち止まる。

何の前触れもなしに、額の傷に激痛が走った。一年生の時にヴォルデモートと向かい合った時の痛みを、何倍にもした痛みだ。思わず膝をつき、顔を手で覆う。

 

「余計な者は殺せ!」

 

「〈アバダ・ケダブラ〉!」

 

緑の閃光が光り、何かが僕の横に倒れる──セドリックだった。

フードの男が、抱えていた何かを下に置き、近づいてくる。その時見えた墓石には、『トム・リドル』と書かれていた。

襟を掴まれ、背中を墓石に押し付けられる。男の持つ杖から出た縄で縛り付けられた。

男の指は一本欠けていた。この男はワームテールだ。

ワームテールは僕が一切の抵抗ができない状態であることを確認すると、マントから黒い布を取り出して僕の口の中に押し込んだ。

ワームテールがその場を去り、確認できる限りで周りを見渡す。セドリックの亡骸とその近くに転がる優勝杯。近くに光る何かがある気がするが、気のせいだろう。

足下では大きな蛇が這いずりまわっている。

ワームテールが再び視界に入って来た時、彼は水のようなもので満たされた石鍋を押していた。石鍋の胴は、大人が一人中に座れるほど大きい。

ワームテールは鍋の下に火をつけた。途端に、鍋の中の液体は沸騰し、火の粉が散り始めた。魔法薬のようだ。

包みがワームテールに何か指示を出し、ワームテールはその包みを開いた。中にあったものは、醜悪なものだった。まるで、蛇と人間の合いの子が、とてつもない失敗作として生まれて来たような。リアスでも、これを気にいることはないだろう。

ワームテールはその生き物を大鍋に入れた。そのまま、その生き物が溺れてしまえばいいのに!

 

「父親の骨、知らぬ間に与えられん。父親は息子をよみがえらせん!」

 

墓の表面が割れ、塵芥が鍋の中に降り注いだ。液体の色は毒々しい青に変わった。

ワームテールはナイフを取り出して、震えながら、すすり泣きながらそれを腕に押し当てた。

 

「下僕の──肉、よ、喜んで差し出されん。──下僕は──ご主人様を──よみがえらせん」

 

ワームテールはナイフを引き、自らの、指が欠けた右手を切り落として鍋に入れた。思わず目を瞑る。液体の色は赤に変わった。

 

「敵の血……力ずくで奪われん……汝は……敵を……よみがえらせん!」

 

ワームテールが近づいて来て、僕の右腕にナイフを突き刺した。溢れ出た鮮血をガラス瓶に採り、鍋の中に注ぐ。色は、白に変わった。

それから少しの間のことは、あまり覚えていない。ただ、失敗してほしいと言う思いでいっぱいだった。

 

「ローブを着せろ」

 

鍋から立ち上る蒸気の向こうで声がする。痩せた男だった。僕は、この男の顔を、一年生の時に見ている。

 

「気分はどうだね、ハリー・ポッター?」

 

ヴォルデモート卿が、復活した。


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