ハリー・ポッターと魔法生物の王   作:零崎妖識

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トロール

フーチ先生が怖かった。でも優しかった。

飛行訓練の時、クィディッチの審判もやっているというフーチ先生が監督した。鷹とか鷲みたいな猛禽類のような目だったけど。

で、ネビルが緊張しちゃってフライングして落っこちちゃって。フーチ先生が救出して保健室に連れて行った時に、事件が起こった。

ネビルの思い出し玉とやらをドラコが拾い、隠そうとしたのだ。ハリーが対抗してドラコと喧嘩になってたけど。

それにしても、ハリーって飛ぶのが上手いね。ドラゴンやヒッポグリフとかによく乗せてもらってるから、あたしも飛ぶのは苦手じゃないけれど、真似できないほど上手かった。

マクゴナガル先生が連れて行ったけど。退学にはならないでしょ。ママ曰く、マクゴナガル先生は厳格そうに見えて寮杯に飢えててほんの少しだけグリフィンドールを贔屓してるって。

 

 

ハリーがグリフィンドールチームのシーカーに決まった。なんでよ。まあ、あんな飛びっぷりを見せられたら、そりゃあ勧誘したくもなるか……さすがに国際チームには敵わないだろうけど。

で、なぜか次の日、立ち入り禁止の廊下の突き当たりの部屋に、三頭犬が居ると聞かされた。興味はある。会いたい。校長に許可でも取ろうかな?問題なのはなんであたしに言ったのかってことだけど。

「君なら、三頭犬を大人しくさせられるの?」

「もちろん。でもさすがに禁止されてるなら行かないよー?」

こんなんでもモラルは守るのだ。多分。

あと、ハリーが箒を貰ってた。ニンバス2000だそうで。生き物に頼って飛ぶのもいいけど、自分で飛ぶのもいいよね。

 

 

妖精の呪文で、物を飛ばす呪文を習うことに。

やってみると、これがなかなか難しい。後ろの方でハーマイオニーが成功させたみたいだ。気を取り直して。

「〈浮遊せよ(ウィンガーディアム・レビオーサ)〉」

ほんの少しだけ、羽根が浮いた。成功……かな?とか考えてたらハリーの隣で爆発が起きてた。どうやったら爆発させれるのやら。

 

 

ハロウィンパーティーは楽しい。美味しいお菓子や可愛いコウモリたち。かぼちゃランタン(ジャック・オー・ランタン)も綺麗だし。

「トロールがぁぁぁぁ!!」

突然扉が開き、クィレル先生が入ってきた。トロールが地下室に入り込んだらしい。……そういえば、パーバティが言ってたわね。地下室のトイレでハーマイオニーが泣いてるって。

こっそりとディリコールの小鳥を呼び出し、姿現しもどきで地下室まで転移。ハーマイオニーのいるであろうトイレに向かう。

「ハーマイオニー、居る!?」

「え……?リアス?どうしたの?」

「トロールがこっちに向かってるの。さっさと逃げる!」

ハーマイオニーの手を引いてトイレを出る……と、見事にトロールと鉢合わせた。

「【動くな!】」

とっさにトロールを従わせ、ハーマイオニーを送り出す。ハリーとロンが向こうにいるから、彼らもハーマイオニーの危機に気がついていたようだ。で、なぜか早くこっちに来いとジェスチャーしてる。あー、今あたし、襲われてるように見えるのかな?

「【そこに棍棒置いて、ホグワーツの外に出て。誰にも怪我させないように】」

トロールが棍棒を放り捨て、きた道を戻っていく。ちょうど、そのタイミングで先生方が来た。

「何があったのですか」

ハーマイオニーが弁解してる。で、あたしの体質を知ってたマクゴナガル先生は納得してくれて、一人に五点ずつくれた。ハーマイオニーからは五点引いてたけど。

寮に戻ると、ハーマイオニーからお礼を言われた。恥ずかしがってる。可愛い。

 

 

 

そういえば、ホグワーツにトロールが簡単に侵入できるとは思えないけど、なんで彼は入れたんだろう?




ディリコール
M.O.M.分類XX
不死鳥と同じく擬似的な姿現しが使える。マグルもドードー鳥という名前でこの鳥のことを知っており、乱獲により絶滅したと考えている。もちろんそんなことはない。ちゃんと生息している。

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