リボーンの特典を得た男が間違って白兎に憑依した!? 作:□□さん
「また会ったね、ベル。」
「あ、あぁ、そうだな。」
再会の言葉を言ってくるアイズに対して俺はそう返答をする。
すると、アイズの隣からもう一人がやってくる。
その人物は【ロキ・ファミリア】団長フィン・ディムナである。
「初めまして、ベル・クラネル。僕は【ロキ・ファミリア】の団長を務めているフィン・ディムナだ。」
「それはご丁寧にどうも、知っての通り俺は【ヘスティア・ファミリア】所属のベル・クラネルだ。」
そう言って握手を求めてくるフィンに対して俺は応じる事にした。
握手を交わした後、フィンがこう言って来る。
「君には感謝している、僕達が取りこぼしたミノタウロスを処理してくれたことに対してね。」
「どうでもいい。」
俺が興味ない感じにそう言ったのだが、フィンはそれを聞いても引き下がろうとしない。
「いや、僕達の不手際で君には迷惑を掛けてしまったからね、何かしらの謝礼をしたいんだ。」
そう言って来るフィンの眼は何が何でも引かないという目をしている為、ここは俺が折れるしかないと思った。
「解かった、酒代そっちで払ってくれりゃあそれでいい。」
俺の言葉を聞いて、フィンはこう言って来る。
「それは構わないが、本当にそれだけでいいのかい?」
「くどい、俺がそれでいいって言っている。」
フィンの言葉に俺は強めの声音でそう言った。
「それなら受け入れるしかないね…、そうだ、君もこっちで一緒に食事をしないかい?」
そう言ってくるフィンに対して俺はこう言った。
「いや、それは遠慮させて貰おうか。部外者である俺が参加するのは可笑しいだろ。」
俺がそう言うと、フィンとアイズは反応してくる。
「いや、僕以外にも君と話をしたいと思っている者達がいるんでね、それは大丈夫だよ。」
「私ももっとベルと話がしたい。」
そう言って来る二人に対して俺はこう考えていた。
{まぁ、これを機にヘスティア様と神ロキの仲を取り持つ事が出来るかもしれないな}
俺がそう考えをまとめると、再度フィンが問いかけてくる。
「それで、返事はどうかな?」
「折角の【
それを聞いたフィンは満足そうに頷き、アイズはグラスを持っている俺の右腕を手に取ると引いてくる。
「こっちに来て。」
「あ、あぁ、解かった。」
俺はシルに席の移動の事を伝えた後、アイズに手を引かれるままに火酒とグラスを持った状態でロキ・ファミリアの打ち上げの場にへと足を踏み入れた。
ロキ・ファミリアの打ち上げの席にやって来ると、俺はまず自己紹介をする。
「初めまして、【ヘスティア・ファミリア】に所属しているベル・クラネルと申します。以後、お見知りおきを。」
俺がそう挨拶をすると、何人かを除いて歓迎の声を上げる。
その何人かというのはロキ、ベート、レフィーヤである。
まぁ、考えている事は丸わかりだな。
そう考えていると、一人のドワーフが話しかけてくる。
「お前さんの持っている酒はドワーフの火酒じゃな、飲んでも何とも無いのか?」
それはガレス・ランドロックだった。
そう言って来るガレスの言葉に対して疑問に思った俺はこう問いかける。
「すまない、俺は今日初めてこの酒を飲んだからよく分からないんだが、どういう事なんだ?」
それを聞いたガレスや周りの連中の視線が俺に集まって来る。
「??」
それに対して疑問が尽きない俺に対してガレスがこう言って来る。
「その酒は非情に度数がきつくてのぅ、ドワーフにしか飲めない代物なんじゃ。」
「そうだったのか、辛口の酒ではあるからきついとは思っていたが…。」
ガレスの話を聞きながら火酒を瓶ごと飲み干していくのだった。
それに対してガレスは大声で笑いながらこう言って来る。
「ガハハハハハッ‼よし、ベルよ、飲み比べと行こうではないか‼」
飲み比べの勝負を仕掛けてくるガレスに対して俺はこう答えた。
「いいぜ、勝負だ‼」
勝負受理の言葉に対してロキがこう言って来る。
「ヨッシャ、それやったらウチも参加すんで‼勝者はベル・クラネルに質問攻め出来る権利や‼」
しかも、勝者への報酬が俺への質問攻めとは中々に考えたな。
「…‼ 私もやる。」
ロキの一言に対してアイズが参加の意を示す。
その一言に俺以外のロキ・ファミリア全員が静まった。
「おい、どうしたんだ?」
俺がそう問いかけると、ガレスが小声でこう言って来る。
「実はアイズは酒に弱くてのぅ、昔酒によってロキの事を半殺しに仕掛けてな。」
それを聞いた俺は顔を引くつかせながらこう言った。
「そうだったのか、神ロキも災難だったな。」
「まぁ、ロキが酔ったアイズにセクハラしようとしたのが原因なんじゃがな。」
「自業自得じゃねぇか‼」
それを聞いて俺はツッコミを入れずにはいられなかった。
そうして、飲み比べが始まったのだがアイズは慣れない酒にも関わらずグビグビと飲み干していく。
だが、俺も負ける気は毛頭なく火酒の瓶を次々と空にしていく。
そうやって飲み比べを始めて三十分が過ぎた頃、ロキや参加していたロキ・ファミリアの団員達も酔い潰れてしまった。
俺とガレス、アイズが未だに飲み比べを続けている。
「タハッ、五十本目‼」
俺はそう言って空になった酒瓶をテーブルの上にへと置く。
すると、そこでフィンがこう言って来る。
「べル、もうそのくらいで終わってくれないかい?ガレスは酒に慣れているから大丈夫だとしても、アイズの方は…。」
フィンの言葉を聞いてアイズの方に目を向けると、苦しそうにしているアイズがいた。
「分かった、これ以上あいつに飲ませるのは危険だな。」
俺はそう言って酒を飲み手を止める。
結果から言うと、俺五十本・ガレス五十本・アイズ十本である。
打ち上げの方も終わりが近づいてきた。
俺は椅子から立ち上がると、足元がふらついてしまう。
すると、シルが俺に肩を貸してくれる。
「べルさん、大丈夫ですか?」
そう言って来るシルに対して俺はこう言った。
「あぁ、少し酔っているみたいだ。」
そう言っていると、一人のアマゾネスの少女が近づいてきてこう言って来る。
「私が送ってあげようか?」
俺にそう言って来るのはティオナ・ヒリュテだった。
「いや、酒を奢って貰った上に送って貰うのは流石に…。」
俺が断ろうとするが、フィンがこう言って来る。
「いくらlevel9だとしても今の状態だと危ないんじゃないかい?」
「…(そうは思えねぇけど)よろしく頼む。」
フィンの言葉に納得をし、ティオナの手を借りる事にした。
豊饒の女主人を出て、俺はティオナに肩を借りながら本拠にへと帰っている。
「ねぇねぇ、ベルってさどうやってlevel9になったの?」
「それについてはアイズにも言ったが、それは自分で考えろってな。」
「えーっ!?」
俺の言葉に対してティオナはぶうたれてしまう。
「だが、俺が強くなれたのはある人達がいたからだ。」
「ある人達?」
俺の言葉にティオナは疑問に思いながらそう言って来る。
「あぁ、俺はそのある人達に憧れていたから強くなる事が出来たんだ。」
「それじゃあ、その人達がベルにとっての英雄なんだ‼」
「英雄か、ある意味そう言えるのかな。」
「?」
俺とティオナが話しながら歩いていると、本拠近くまでやってきていた。
「ここまで送ってくれてありがとう、ティオナ。」
「いいよいいよ、私もべルと話せてよかったと思ってるし。」
俺が礼を述べると、ティオナは気にしなくてもいいと言って来る。
「またな。」
「またねー‼」
俺達は別れの挨拶をした後、それぞれの本拠まで戻っていくのだった。
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