リボーンの特典を得た男が間違って白兎に憑依した!?   作:□□さん

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今回はソード・オラトリアという面を強めて書いてみました。


【ロキ・ファミリア】

【ロキ・ファミリア】本拠(ホーム) 黄昏の館

 

その最上階の一室には派閥(ファミリア)の主神であるロキが顔に皺を寄せながらとある案件が記された用紙に目を通していた。

 

その案件というのが新興派閥(ファミリア)である【ヘスティア・ファミリア】に世界初のlevel9の冒険者が現れたと言うものである。

 

「…どうゆうこっちゃ、コレ。」

 

ロキは信じられないという感情を隠す事もなく顔に出しながら言葉を発した。

 

それもそうだろう、発足したばかりの【派閥(ファミリア)】に迷宮都市(オラリオ)はおろか世界初のlevel9という最高保持者が所属しているのだから。

 

このあり得ない出来事にロキは頭の中で考えを巡らせて行く。

 

{ドチビの奴が神の力(アルカナム)を使ったちゅーことなんか?それはないか、そんな事したらウチを入れた神共に気づくしな。それやったら、このlevelの数字はそいつの本来の実力から引き出されたちゅうことなんか?もし、そうやったらこの情報はアイズには教えられへんな。}

 

ロキはそう考えながら己の眷属である金髪金目でヒューマンの少女の事を思い浮かべる。

 

幼き頃から少女は求め続けている、如何なる敵を圧倒する強さを。

 

その為なら身体がそれだけ傷つこうとも無関心に強さを求めてしまっている。

 

そんな少女が件の者と接触をすれば今よりも酷く強さを求めてしまうという危惧がロキの頭の中にはあった。

 

そう考えていると、部屋の扉をコンコンと叩く音が響く。

 

開いてるでー、ロキがそう声を掛けると扉の向こうから派閥の団員の一人が入って来てこう言ってくる。

 

「ロキ、団長達が遠征が帰ってきました‼」

 

そう言ってくる団員に対してロキのとった行動は…。

 

「帰ってきたか、ほな行くで‼」

 

遠征組の出迎えに行き、タイミングを見計らって遠征組の女性陣に向かって突撃を仕掛ける。

 

「おっかえりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ‼」

 

突撃を仕掛けるロキを女性陣は手慣れているのか簡単に躱していく。

 

が、列の最後尾にいた山吹色の髪を後ろにまとめているエルフの少女がきゃあーという声を上げながら抱き着かれ、押し倒されてしまった。

 

「うへへ、レフィーヤおっぱいおっきなったんとちがうんか?」

 

その言葉を聞くだけでエロ親父で、女神の要素が皆無である。

 

そんな事もありながら【ロキ・ファミリア】の遠征は終わりを告げたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

遠征から帰ってきた翌日

 

【ロキ・ファミリア】の主神、首脳陣、幹部全員が会議室に集結していた。

 

この会議の議題は勿論、【ヘスティア・ファミリア】べル・クラネルの事についてである。

 

最初にこの名前を言った瞬間、金髪金目でヒューマンの少女が反応する。

 

その少女の名はアイズ・ヴァレンシュタイン、ロキ・ファミリアの幹部にして【剣姫(けんき)】という二つ名を持つlevel5の第一級冒険者だ。

 

「アイズ、(べル・クラネル)の事を知っているのかい?」

 

アイズに優しく問いかけるのは一人の金髪碧眼の少年だった。

 

この少年は【ロキ・ファミリア】首領にして【勇者(ブレイバー)】の二つ名を持つ小人族(パルゥム)のlevel6の第一級冒険者、フィン・ディムナだ。

 

「うん、遠征の帰りにミノタウロスが逃げたでしょ。」

 

アイズがそう言うと、他の幹部達が反応をする。

 

「それって15階層の奴だよね、それがどうかしたの?」

 

そう言ってくるのはアマゾネスにしてはスレンダーな体型をしている少女ティオナ・ヒリュテ。

 

彼女もアイズと同じlevel5の第一級冒険者であり「大切断(アマゾン)」という二つ名を持っている。

 

そんな彼女の言葉にアイズを頭を縦に頷く。

 

「その時に5階層までミノタウロスが行っちゃって、そこでべルに出会ったの。」

 

アイズの言葉に耳を傾けていた三人が疑問に思った。

 

その三人というのはロキ、レフィーヤ、ベートである。

 

「アイズたん、何でべル・クラネルの事名前呼びなん?」

 

ロキは真相を知るためにそう問いかけると、アイズはこう答えた。

 

「だって、好きな呼び方でいいって言ったから。」

 

その言葉を聞いた三人のうち二人が吐血し、一人は身体ごとよろけてしまう。

 

「ロキにレフィーヤにベートさん、どうかし…。」

 

「アイズ、話の続きをお願いできるかな?」

 

「えっ、う、うん。」

 

※言わずもながら、吐血はロキとベートでよろけたのはレフィーヤである。

 

そんな三人にアイズはどうしたのかと聞こうとしたが、フィンの言葉で続きを話し始める。

 

「それでね、ベルはミノタウロスを変わった武器で消し飛ばしたの。」

 

「「「「「「「「!?」」」」」」」」

 

アイズがそう言った瞬間、全員の顔つきが変わった、…冒険者の顔に。

 

「アイズ、その消し飛ばしたと言うのは魔法を使用したと言う事なのか?」

 

そう言ってくるのは翡翠の髪と目をしたハイエルフの女性、リヴェリア・リヨス・アールヴ。

 

彼女は【ロキ・ファミリア】副団長で【九魔姫(ナイン・ヘル)】の二つ名を持つlevel6の第一級冒険者である。

 

「ううん、ベルはスキルって言ってた。」

 

リヴェリアの問いにアイズは否定をした後スキルであると伝える。

 

「フム、ミノタウロスを消し飛ばす事が可能なスキルか…。面白い奴が現れたものだな。」

 

そう言いながら笑い飛ばしているのは口と顎に髭をたっぷりと蓄えたドワーフの大男、ガレス・ランドロック。

 

彼もまた【ロキ・ファミリア】最古参の幹部として在籍しており、【重傑(エルガルム)】という二つ名を持つlevel6の第一級冒険者だ。

 

「でも、消し飛ばすなんて聞いちゃったら血が騒ぐわね。」

 

そう言いながら好戦的な笑みを浮かべているのはティオナの姉のティオネ・ヒリュテ。

 

彼女も妹と同様、【怒蛇(ヨルムガンド)】という二つ名を持つlevel5の第一級冒険者である。

 

「チッ‼」

 

ベートは周りの声を聞いていて気に食わないと言わんばかりに舌打ちを打つ。

 

「それでもスキルの効果だけで消し飛ばすなんて不可能なんじゃないんですか?」

 

そう言っているのは山吹色の髪をしたエルフの少女、レフィーヤ・ウィリディス。

 

【ロキ・ファミリア】の団員にしてリヴェリアの後釜とされている、【千の妖精(サウザンド・エルフ)】という二つ名を持つlevel3の第二級冒険者である。

 

「いや、相当なレアスキルが関係しているのかもしれんぞ。」

 

と、リヴェリアの言葉に全員が納得の意見せる。

 

「ま、この件に関しては保留にしとこか。ここで憶測を言うとってもしょうがないわ。」

 

ロキの言葉に誰も反対はせず、その場で解散となった。

 

全員が会議室を出ようとすると、ロキがこう言ってくる。

 

「あっ、そうや。今日の夜は【豊饒の女主人】で打ち上げやからなー。」

 

ロキはそう言って自室に戻っていくのだった。




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