Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

7 / 34
今回で一応初戦は終わりです。
前の話で出したライダーの能力をもう少し出します。
言い回しは原作意識ですかね。



初戦終結

第十六章 ライダーとギルガメッシュ

「ほほう、奇怪な術だな」

イスカンダルは顎をなでながら興味深そうな目を向けた。

「ライダー、あれ、どうなってんだ?」

「なんだ、分からなかったのか?あいつはあいつの周りの動くものを止めたのさ。周りに魔力を放出しそれを固めることで自分の周りのものを固定すると言ったところか。有効射程は30mぐらいかな。 」

ライダーの眼前に止まった宝剣はすぐに消滅した。と同時にライダーはギルガメッシュの方に走り出す。

「…ふん、下らぬ小細工だけは上手いやつだ。ならばその力、どこまで凌ぐか、さあ。見せてみよ!」

ゲートオブバビロンから出づる宝剣宝槍は先程の倍程の数がある。

(毎回攻撃のために山の陣を張るのはマスターにとって負担がでかいな。少し危険だが俺が出るしかないな。)

ライダーは刀を抜き力強く握りしめる。

「侵略すること火の如く!」

刀に炎が宿る。そしてそのライダーは刀を横にふる。

本来ならギルガメッシュが放ったものをそんな事では止められない。だが、ライダーの振った刀から炎が出たと思うと、それは炎の壁となった。

瞬間、ギルガメッシュから放たれた幾千の刃はその焔剣の前に砕けた。

ほう、とギルガメッシュは目を細めた。

「大したこともない羽虫だと思っていたが、少しばかりはやるようだな」

あくまで傲尊に、ギルガメッシュは評価を見直す。

「だが、無為よな。その程度で王を語るなど…」

「速きこと風の如く。」

だが、その言葉はライダーの耳には入らない。ただ目の前の敵を屠る為に行動する。四つの陣で最速の攻撃を誇る風の陣を展開するとギルガメッシュの眼前に迫った。ライダーの刃が横一文字を描き、ギルガメッシュがいる所に放たれた。だがそこにはギルガメッシュの姿はない。

(かわされたか。)

ギルガメッシュは空に飛んでいたようでライダーとほぼ同時に着地した。

見るとギルガメッシュはワナワナと体を震わしているようだ。詩音はそれが恐怖によるものかとも思ったがそれはすぐに違うと思い知る。

「…痴れ者が。天に仰ぎみるべきこの俺を!同じ大地に立たせるか!その愚行は万死に値する!そこの雑種よ、もはや肉片一つも残さぬぞ!」

憤激と共にギルガメッシュの背後に黄金の壁が出来る。これは先程のからしても明らかに多い。本気にさせてしまった何よりの証拠という事だ。

そして空間から何十もの宝具が出てきた。

 

 

 

 

第十七章 幕引き

ギルガメッシュの後ろの黄金の壁から宝具が今にも飛び出さんとした時、ギルガメッシュは不意に顔を上空に向けた。

「王たる俺に退けだと?大きく出たな、時臣。」

心底不機嫌そうにギルガメッシュは呟くとゲートオブバビロンを閉じる。

「雑種ども、次までに有象無象を間引いておけ。俺と間見えるのは真の英雄だけでよい。」

そう告げるとギルガメッシュは光の残滓を残して空に消える。そして、いつの間にかランスロットも姿を隠していた。

「ふむ、あの金ピカ…」

「どうしたんだライダー?そんな顔して。」

「む?いや、何でもない。ところで先ほどの戦いぶり誠に見事であった!どうだ?余の軍門に下らんか?お主らは殺すには惜しい。」

イスカンダルはランサーとライダーに勧める。だがその答えはもちろん、、

「…頭おかしいんじゃねえのか?」

口を開いたのはランサーだった。

「なんだと?!」

「聖杯戦争ってのは戦いの場だろ?戦ってもいない敵将に対して降伏しろって言われてする奴がいるかよ。それに今はマスターもいるしな。」

ライダーもそれに頷く。

「…はあぁ。惜しいなぁ。残念だなぁ。」

イスカンダルから出てきたのは失笑してしまうほど腑抜けた言葉だった。

「っっライダー!!!」

マスターの少年は己のサーヴァントに泣きそうな声で叫んだ。だがそれもイスカンダルの耳には入っていないようだ。

「はぁ、交渉は決裂か。やむを得まい。ほれ小僧、さっさと帰るぞ。」

「え?でっ、でも今ならあいつら疲弊してるし今が攻め時なんでふぁ!」

少年はデコピンで吹き飛ばされた。

「馬鹿者。相手が疲弊した隙をついて攻撃しても相手はこちらに怒りしか持たんだろうが。いいか。あいつらは余の軍門に下るやも知れんのだぞ?」

ナイナイ、と2人は首を振るがイスカンダルは気にしない。

「ではな若きマスターよ。またいづれ相見えようぞ。」

言うことを言うとイスカンダルは牛の手綱を引く。

牛の鳴き声と共に雷鳴が走り、空へと駆けていった。

「な、なんとか凌いだ…」

イスカンダルが去ったあと、詩音はしにそうな声で呟いた。宝具を解放したランサーに加え、ライダーの陣3つ分の魔力を使い、もはやヘトヘトだった。

「い、一旦休憩しよう。魔力が…」

詩音はすぐにでも家に帰りたい。が、、

「…家?」

手持ちには渡されたパンが10ほど。

「…親父ーーー!!!」

詩音はノアへと駆け出した。




特に書くことはないので詩音君の説明を。
※読み飛ばし全然OK!
天草詩音…オランダ生まれ。身長170cm。天草四郎を先祖に持つが、本人にその自覚はない。16才。母とは若き時に死別している。黒髪で髪型は特に決めておらず美容室でもどれにしようかなで決めている。現段階ではウルフカットというものにしてもらった。
服装は大半はお気に入りのコートを愛用。
趣味は映画。「ベイマックス」では少し泣いた。
プチブームは書き心地の良いシャーペンを探すこと。
魔力の才能は平凡だが戦闘訓練をしていないために攻撃魔術はほとんどない。マンガの影響で剣術だけは上手い。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。