Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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話が多いですが最後にはまた新たな能力と殆ど真名を言っちゃってます。
是非とも最後まで読んでください!


王のありかた

第十四章 征服王

「さて、本題だが、そこの二人よ、互いに矛を納めよ。王の前であるぞ。我が名は征服王イスカンダル!此度はライダーのクラスで現界した!」

第四次ライダー、イスカンダルは高らかに名乗りを上げた。

(はぁ、まためんどくさいのが出てきやがった。このあと確かサーヴァントを勧誘するはずだが、、ランサーなんかいま怖いしなぁ、もしかして連戦になるかもなー)

などと詩音は考えていたので思わぬ方向から声が上がったときにはビックリした。

「…はん、お前が王だと?笑わせる。礼儀のれの字も知らぬ圧政者ごときが。」

先程から結界を黙々と張っていたライダーがイスカンダルに挑発的な言葉を投げかけた。

「ほう。余が圧政者、とな?それはどんな基準を持ってそう判断するのだ?」

「…お前はいまその小僧のサーヴァント、即ち従者であるはずだ。ならばその主になんの相談もなく戦に赴くというのは王の所業ではない。お前のやっていることは戦功に逸る愚者のすることだ。」

「ほほう。そう言うのならば聞かせてもらおう。お主はいかな王なのだ?」

「…私ではない。王たり得るのは我が父だ。そしてついでに語っておこう。王とは仁義に厚く、したたかでなければならん。いいか。人とは一人では生きては行けぬ。それは王とて同じこと。ただし王の場合は交わるものは別の国の王達と臣下、領民だ。臣下や領民と交わるならば仁義人情にを持って接し、その者達護るために非情に徹する。戦ならばいかに犠牲を出さずに済ませるかが善き王か否かを決めるものだ。だがお前は違う。先ほどの会話を聞くに戦略もなくいきなり現れ挙げ句のはてに強者とまみえたいだと?そんなもの王ではない。背負うものを忘れ、ただ己の進みたい方に進む王などあってはならない。我が父はそれをわきまえ、常に臣下や領民を想い行動した。」

「ふん、それはまるで王が国に尽くしているようだな。」

「それもちがう。王は国の安全と安寧を民に保証する。兵も一番死なせない方法で命を助ける。かわりにそれらは王に尽くし各々がもてる力を発揮する。どちらも干渉しあってこその統治だ。どちらかのみが尽くさなければならないと考えるお主の考え方こそが間違いよ。」

二人の間に緊張が走る。イスカンダルもライダーも一歩も引かないといった構えで硬直していた。だが詩音の頭のなかには一つの不安がよぎっていた。

いま、すでにここにはイスカンダルが来ている。さらにライダーがこれらの会話をするために結界をすでに解いていた。もう一人、この場に来るものは、、、

詩音の予想は見事に的中した。

「ふん、我以外に王を名乗るものが二人も現れようとはな。」

金色の鎧を纏う英雄王が姿を表した。

 

 

 

 

第十五章 混沌

ギルガメッシュは詩音が第四次サーヴァントのなかで戦いたくないランキング堂々の一位である。

実力、行動理念の崇高(唯我独尊)さ、扱いづらさともに他のサーヴァントに比べ群を抜いて高い。

そのギルガメッシュはつまらなさそうに戦場を見回し、

「…誰の許しを得て俺を見ている?雑種めが。」

不満そうにに声を上げると彼の象徴たる宝具の応酬であるゲートオブバビロンを開放する。その目標はランサーによって吹き飛ばされたランスロット、ではなく先ほどから王について語っていたライダーであった。

「先ほどの会話の中で散々王を語っていたがそもそも王とは俺一人を指すものだ。安易にその名を持ち出したことを後悔しながら、逝くがよい」

黄金の空間から無数の剣が出づる。こんなものはもはや戦いにはならない。

(ライダー!戻れ!こいつのスペックは桁違いだ!逃げるぞ!)

詩音はライダーに念話で撤退を勧める。だが、

(…マスター、すまない。今回は、今回だけは、退くわけにはいかぬ。我が命に代えてでも父の王道を肯定してみせる!マスターだけでも逃げてくれ。)

詩音は思わぬ返答に躊躇いながらも、ライダーの言葉を断った。

ライダーにはもはや撤退の道はない。ならば、詩音はマスターとして己のサーヴァントを信じなくてはならないと思った。

ライダーは少し驚いた顔をしたが、同時に微笑みもあった。

(…俺が言ったことなのに結局俺も我が儘を通している。すまない。マスター。だがその信頼には答えてみせる!)

ライダーの心に炎がつく。と、同時にゲートオブバビロンから武器が放出される。

それらはひとつひとつが宝具であり、この攻撃は絶対の威力を誇る。

(…この数は一つ一つ捌くのは不可能。ならば、、)

ライダーは魔力をねり、そして告げる。四つの主要攻撃の1つを開放するために。

「…動かざること山の如し」

瞬間、ライダーに向かっていた全ての宝具が空間に固定された。




今回は問答が多かったですかね。でも期待してたのと違うという方もいるかもしれませんがそれはすみません。あと、今回ランサーの描写がないですがランサーはじっとしてますね。少しバーサーカーを牽制している感じですかね。
結構粗削りで分かりにくいところや矛盾点がありましたら感想を送ってくださると非常に助かります。お手数ですがよりよい作品を作りたいと思っているので出来ればお願いします。

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