今回、ついに宝具が一つ出ます!
乞うご期待(^◇^)
第十章 激戦
ランサーの結界内で二つの英雄がぶつかり合う。
バーサーカー、ランスロットの宝具の力で強化された電柱が身を限界までひねったランサーの頬を掠めた。だがその電柱も槍が突き上げることで易々と切り裂かれる。
ランサーは返す刀で槍をランスロットに穿つ。
首元に迫る刃は、されど、ランスロットは足元にあった棒を蹴りあげ、右手で掴み、槍の柄に当てることでこれを防ぐ。
さらに先ほど切られた電柱の残骸をランサーの心臓目掛けてぶん投げる。
だが、その攻撃もランサーの槍が手で回転することで完全に切り刻まれた。
どちらも互いの急所を狙った一撃必殺のものだ。
このような戦いが20分以上続いていた。
「ふははは、たまらんなぁ!かのこどき豪腕の使い手と刃を交える日が来ようとはなあ!」
(ふざけんじゃねえ!魔力も限られてんだぞコノヤロー)
詩音は心で半分泣きべそになりながら魔力を供給し続けていた。
「Aaaaaaaa!!!! 」 「 おおおおお!」
刃が空をきり、巨棒が風を巻き起こす。
…最早どっちもバーサーカーだろ、と思う戦いであった。
第十一章 宝具
ランサーとランスロットの戦いの最中、詩音の頭にライダーの声が聞こえてきた。
「…おいマスター、あちらで動きがあったみたいだ、どこかへ行っているぞ。」
先ほどからランサーへの魔力供給で必死だった詩音はそこまで気が回らなかったが、たしかにセイバーと戦っていたものたちが去っていっている。
だがそれはどうやらセイバーが狩られたと言うわけではないらしい。
「ああ。だが念のため決着がつくまでは結界は張っておいてくれ。」
「了解した。だが続けてどうするのだ?ここでバーサーカーを倒すのか?」
「いや、あくまで無力化だ。もしかしたらこっちの陣営に引き込めるかもしれない。」
「承知した。」
最小限の会話を交わすと、ライダーはひき続き結界の操作をする。
(…でもこのまま戦い続けてたらなにか勘づかれるかもしれない。なるべくはやくするためには…)
一つ、この状況を打破できうる可能性が頭に浮かぶ。
(あまり長引かせるわけにはいかない。やるしか、ないんだ!)
心が決まった。ランサーには言葉で伝えることにした。
「…ランサー。このままでは埒があかない。…宝具使用を許可する。」
ランサーは少し驚いた顔をするがすぐに獰猛な笑顔を浮かべた。
「…了解。そう来なくちゃな。」
ランサーはそう答えると、ランスロットから少し距離を置いた。そして告げる。己の真価とも言える象徴の名を。
「…其は槍の身にして正三位にありし宝槍。其は天下三名槍が一本。いまここに御姿を表したまえ。」
槍が淡く輝く。そこには、神々しささえ感じられる。
「万物全て無為なり。わが槍の前に等しく風の前の塵に同じ。さあ、暴虐を始めようか。日本号!!!」
宝具が姿を表す。神気とも思えるようなオーラが確かにその槍、日本号に宿っていた。そして槍の穂の先端からは魔力が渦を巻き、ドリルのように随時放出されていた。
「…では始めるぞ。これより地獄を見てもらおう!」
ランサーから笑みが消え、そこには正真正銘の武人の姿があった。
と言うわけで最初の宝具は日本号でしたー。
まあこればらしちゃうと真名もすぐわかる人は分かるんですが、本編では一応伏せときます。
真名だすのはもう少しあとになります。なにせ相手バーサーカーですしw
日本号とはどんな宝具なのか、次の話に持ち越しと言うことで今回はおしまいとなります。
次も暇があれば読んでください。
読んでいただきありがとうございました!