Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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こんにちわー!
いやー、暑いですねー。ここまで暑いと外に出たくなくなりますよねー。そんな中にもかかわらず僕は土日共に外に繰り出したんですよねー。まさに勇者の大冒険。
でもそれで欲しかったラノベが見つかったのでとても感激してるんですがねー。まぁそんなどうでもいいことはいいとして、本編どうぞ!


終章3

「零時集束(ツインアームビッグクランチ)!!!」

天草四郎の宝具が放たれた。陰と陽の球との相反する力の結晶は莫大な力の奔流が…

(…って。な、なんて中二くさい…なんで英語なんだろう…嫌だなー、御先祖様が中二病なんてなー)

宝具を前にしてここまで冷静になれた自分に少し驚く。それはたぶん

「そちらは頼みましたよ、マスター。」

セイバーが優しく微笑む。宝具をただの人間が攻略するなんて不可能にも程があると思うが不思議と怖くなかった。なんでもできそうな気がする。本当に不思議だ、けど、悪くない。セイバーの微笑みに詩音は刀を抜いて答える。バーサーカーから譲り受けた逸品で確か大典太光世と言っていた。大層な名刀で、天下五剣とか言ってそれを手にすることは一生分の運を使い果たしてなおお釣りが来るくらいのものらしい。まぁ正直、そんな事に一生分の運を使うなら宝くじでも当たってくれた方がまだ嬉しいが。だけれども、バーサーカーの好意はしっかり感じた。こんな自分を信じてくれた。こんな状況にも関わらず、不謹慎かもしれないが、この、感情は

嬉しい。そして、その期待に応えたい。その為にも

「使わせてもらうぞ、セイバー、バーサーカー。『勝利への観察眼(オブザーメント アイズ !!)』&『剣聖の狂騒』」

セイバーの宝具である勝利への観察眼により零時集束の攻撃の核が浮かび上がる。それはサーモグラフィで体温が高いと赤くなるように魔力の中でも密度の高いものが薄らと見えた。その数およそ500。一秒に一個では間に合わないので横に斬るなら途中で斜めにして一モーションで二つ三つは斬らなければならない。そのビジョンは目が教えてくれる。だが、詩音の肉体ではそれを実現できない。そこでバーサーカーが用意したのは、バーサーカーの固有スキルである剣聖の狂騒だった。バーサーカーの所有する宝具と対応して始めてできるスキルであり、接近戦の戦闘能力を底上げするものだった。もちろん、人間の詩音がそれらを使用しても本家には遠く及ばない。が、組み合わせることで本家には出せない力も出すことが可能になる。

セイバーは足に力を込めると前に跳ぶ。そして、片手だけにも関わらず猛烈な勢いで核を切っていく。

詩音は一息吐くと同じように宝具の嵐に飛び込んだ。

核を切る前に魔力に触れればその時点で死ぬ、とても危険な事だったが、何故か恐怖はない。

(29、56。41、マイナス11。)

魔力は固形ではない。形が無くて、プリンのように、確かゲルとかいうものだ。まぁ、そんなことはどうでもいいのだが。

一つづつ、確実に核を捉えた剣先に僅かな、しかし確かな感触を感じる。それを感じる間隔は徐々に狭まる。それはつまり自分の剣速があがってるのか、と思ったが、そうでもないようだ。押されているんだ。数の力に。

確かに宝具を切っている。が、処理のスピードがおいついていない。だが、、、

「ふふ、、ふふふ、、」

この感情は、楽しい、だ。

命のやりとりとはここまで楽しいのか。すぐ側には死がある。なのに、、

ヒュウ、と風が吹く。ハッと気づくと、それはセイバーの刀が詩音の頬をかすめたものだった。すぐに刀は戻され、縦横無尽に核を切り裂く。セイバーはその状態で詩音に語りかけた。

「マスター、それは、違う。今マスターが持つ気持ち、死を決意し半ば諦めた状態では、死ぬ。死を肯定したら、死ぬ。抗え。生きたいと。お前は、ここで死んでもいいのか?」

「………」

特になんとも言えない。死ぬのはもちろん怖いが…だからといって特に意識もしなかった。

「マスター、死ぬ覚悟の強さなんてたかが知れてる。生きたいと、望む力はそれを凌駕する。」

その時セイバーの死ぬ瞬間が何故か頭に浮かんだ。彼は敵の大軍に孤軍奮闘し、援軍も来ないまま死んでいる。その時、彼は絶望の顔を浮かべていただろうか。いや、違う、と思う。理由はない、が、そう思えた。ならば、自分は、こんな所で死ぬ訳にはいかない。

そう思った瞬間、突然恐怖が襲う。知らない方が良かったとも思えるほどの絶望感。と、同時に、未来への切望。

気づけば体のギアは上がっていた。時々悲鳴をあげる体に鞭打ち、ワンモーションで三つは核を切っていく。さらに加速。全ての動作を繋げる。その為にも力は最低限に、体の軸を固定、腕のみで刀を動かしていく。

スパ…と、軽い音と共に、最後の核が塵になる。

「ほおぉ、、」とカルデアのルーラー、天草四郎は感心した声を上げる。

正直それだけか、とも思った。自分の宝具を受けて無傷となったのだ。

もっと、「ナニー」とか、「バカナー」とか。

いや、別にいいんだけどね?(´·ω·`)

そして、同時にとてつもない疲労がある。サーヴァントの力を無理やり模倣したのでそれも仕方が無い。

これ以上動けない、ということは自信を持って言えた。それに対し、セイバーは刀を掲げた。まだやる元気あるんだー、スゴー、と、ぼんやり思ってると目でマスターもだよ?と、微笑みかけた。その微笑みもなにか邪悪なものを感じざるを得ないのだが…。

「へえへえ、分かったよ…。」

悪びれつつも誰かに頼られるのは悪くない。そして、詩音も刀を構える。

「よし、やろうか。」

「宝具をまさかただの人がねぇ…僕の子孫まさかスーパー地球人なのかい?ブリーザ倒しに行くのかい?」

「いや、御先祖様、パクリのネタなんてだれもおぼえてないっすよ。銀〇のネタなんていちいち覚えてないっすよ。せいぜいネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング〇くらいでしょ。」

「いやその文量で一文字消しだけじゃ消してないぞ孫よー。」

というどうでもいい会話についていけなくなったカルデアのマスター、藤丸が口を挟む。

「何の話してんだお前ら…。」

「うえっほん、まぁ、あれだね、趣味が合うね孫!」

「そうですね!僕もこんなにサブカルチャーに詳しい人だとは知りませんでしたとも!知りたくなかったけど!」

何故だろう。戦いを始めた時はものすごーく怒ってたのに今はそうでもない。もちろん、今から仲良くしようみたいな展開にはしないが。

「さて、マスターにきっちり引かれたことだし、」

「こちらはサーヴァントに引かれたことだし、」

『決着つけようか!!』

 

時を同じくして、バーサーカー・足利義輝、そして、ランサー・カルナどちらも地に伏していた。

「なーんだ、これならまだ、あのジジイの方がまだマシだよ。せめてそこのバカ犬をつぶしたらどうだい?」

とても退屈そうに、その女は笑う。

黒い王冠、肩とお腹がはだけその肌の白さは黒いドレスとのギャップを際立たせている女は、先程くった老人の連れていた狂犬を解放する。黒い霧のようなものを纏った鋼鉄の鎧の男から聞こえるのは獣のような呻きだけだ。

この状況になったのはもう少し前から視点を移す必要がある。




終章で特にここの四郎と詩音の戦いはシリアスで行こうとしたんです。それはもう士郎vsアーチャーみたいな。
意志弱いなー。あと進むの遅いなー。いやー、分かってるんですが…。〇魂をいじるとかする必要皆無だったんですが…。
もしかしたらこれ苦痛になっては…とか思ったんですがね。(๑>؂•̀๑)テヘペロ
まぁともかく、このパラレルクロニクルもう少し続きそうなので最後まで出来ればお付き合い下さい。m(*_ _)m
次は6月10日です。おねがいします〜

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