Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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遅くなってごめんなさい!
今回は…まぁ読み飛ばしOKなやつで文量もあまりなのですがわりと時間かかっちゃいました。
では、どうぞ!


決戦前夜

「…マスター…」

「…っ、セイバー…俺は…」

詩音は顔を下げる。弁明する気は無い。これは自分のミスだ。

「俺が…もっと、、もっとしっかりしてたら…」

セイバーははぁ、とため息をこぼした。何を言われてもいい。その覚悟は決めている。

「顔を上げろ、私達はまだ、負けてない!」

セイバーの言葉は詩音の心を溶かす。

「俺は…俺は… 」

詩音の目から涙がつたう。

「泣くのは勝ってからだ。まずはかたなきゃな、カルデアにも、聖杯にも 。だが、私はおそらく大して役に立ちそうにありませんね。」

セイバーの左肩と脇腹は沖田総司の宝具によって抉られていた。

「……セイバー、、、」

「だが、ま、死んでないんだ。まだやれることはあるさ。」

「…セイバー、頼みがあるんだ。」

 

「して、どうするのか、聞かせてもらおうか、マスター。」

義輝の合流後、詩音たちは作戦会議をしていた。

「…バーサーカー、敵のランサー、どう動くと思う?」

「どうとは?」

「俺達を潰しに来るか、それとも聖杯と合流すると思うか?」

「う、む、まぁ断言は出来んが、7割ぐらいは聖杯だろうな。あの魔力量の聖杯が顕現してしまった今となっては我々は大して眼中にないだろうな。主戦力たるランサーはそちらに行くと思うぞ。」

「主戦力って確証は?」

「余と対等だった。」

「え…それだけ…?」

「馬鹿者。それは一番の褒め言葉なのだぞ。」

「…ふ、ふふ、はは、」

「何がおかしい?」

「いやごめんごめん、、そうだね、バーサーカーの言う通りだ。」

「当然だな。」

「さて、じゃあ…バーサーカー、君は聖杯を、倒してくれ。」

「…本気か?」

「この上なく本気だよ。今あの聖杯と戦えるのはバーサーカーしかいない。それに最悪ランサーと聖杯の2つを相手になっちゃうかもしれない。そんなもの、俺達が手に負えるものじゃない。バーサーカーには酷だけどあなたしかいないんだ。」

「…マスターらはどうする?」

「バーサーカーは知らないかもだけど、カルデアにはもう1人サーヴァントがいるんだ。牛若丸、、俺達はそいつと戦う。実力だけで見れば少なくとも張り合えると思う。盾の子がどう動くのかも要にはなってくるんだけど。」

「ふむ、そういうことならその大役、余に任せておけ。」

「ありがとう、バーサーカー。」

(だが、、カルデアのサーヴァントのもう1人は…)

「ん?どうかしたか?バーサーカー?」

「…いや、なんでもない。」

「じゃあセイバー。俺に稽古をつけてくれ。」

「…まさかとは思うがマスターが敵のサーヴァントと戦おうというのか?」

「ま、セイバーとの共同戦線だけどね。不安かい?」

「決まっているだろう。お前が死ねば即ち余もセイバーも消える。将棋で言うならお前は王なのだ。飛車や角より弱くてもお前が討ち取られれば負けなのだぞ。 」

「分かっているよ。でも、王だからといってただ後ろでビクビクしているだけじゃ嫌なんだ!俺もそこへ行きたい。実力不足は承知している。それでも、、俺は…」

「…ま、いいだろう。余がなにか言えた義理はないのだしな。お前を否定すれば余の生き方も否定してしまうのでな。」

「じゃあ決まりだな。いいか?セイバー?」

「構いませんよ。では次はどうカルデアの戦力を分散させるかですね。牛若丸にランサーに盾の子を相手には流石に無理でしょうしね。」

「ああ、その事なら一応余に考えがある。」

「じゃあ、バーサーカーの作戦で行くとして、、俺達が動くのは夜明け前だ。それ以上は俺の魔力的に厳しい。もちろんいざとなれば令呪を使うが…それでも辛い戦いになるだろうが…すまないが二人共頼む!俺にもう少し付き合ってくれ。」

「ふん、何を今更…」

「全くだよ。今更言われる必要なんてないよ。君か私の命が尽きるまで、私達は戦い続けるさ。」

「…っ。ごめん、二人共…ごめん。」

「…よしなよ、マスター。私達は別にマスターに命令されて戦っているんじゃない。マスターと戦いたいと思ったから戦ってるんだよ。その覚悟を決めた者にごめんは失礼だよ。こういう時はありがとうって言うんだよ。」

「…ふふ、そうだね。うん、ありがとう。」

「ええ、じゃあマスター、寝る前に最後の稽古をつけてあげましょう。」

「ああ、頼むよ、セイバー。」

 

「どうだ?カルデアは来るか?」

「おそらく。ここが最短ルートであり唯一の道です。」

詩音たちがいるのは大聖杯に至る唯一の道、の近くの茂みだった。

「これって俺達の存在わかんないの? 」

「今は聖杯がとてつもなく強力な魔力を出しています。そんな中では特定はできないと思いますよ。」

「…ふぅ、じゃあ、始めるとするか!」

 

時に、残月、光冷ややかに、白露は地にしげく、樹間を渡る冷風はすでに暁の近きを告げていた。宵闇が今まさに幕をひこうとしていた。




最後の一文は僕が書きたかった一節なんですよ笑
国語の授業で習った時にこの表現すごく気に入って絶対引用しようと思ってたんで悲願がかなったって感じでひとり喜びに浸ってます。
次回からついに終章。もう原作覚えてないという皆さん。安心してください!僕も忘れました。
何が言いたかったかと言うと…最後までよろしくお願いします。

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