Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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お久しぶりです。
今回もまた1人…。
これ以上はネタバレなので言えませんが…。
では、どうぞ!


激戦編2

~詩音陣営vsアイリスフィール陣営&ディルムッド~

「…っ。」

詩音は唇をかんだ。バーサーカーが此処に現れた。詩音が戦闘状態のサーヴァントを同時に行使できるのは2体のみである。つまり、向こうのランサーは…

(…………ランサー…俺は…)

 

エクスカリバーを持つアルトリアは自分の目を疑った。

「風王鉄槌(ストライクエア)を凌いだ…?あなたは一体…?」

その問いにバーサーカーはゆらりとした動きで

「なに、これは借り物さ。それより、お前の先程のは魔力で束ねた風を放って攻撃するのか、面白い技だな。」

「っ。見切ったのか?」

「それは余の特技故な。それより、お前の力、もっと余に見せてみろ。」

バーサーカーの目はギラギラと光っていた。

ただ、そのバーサーカーに向かっていったのはディルムッドだった。ディルムッドは長槍のゲイジャルグを横に振る。その一撃をバーサーカーが左手で刀で受け止めると短槍のゲイボウを腹めがけて突き出した。その攻撃をバーサーカーは新しい刀を右手で抜くとそのまま抜刀の勢いで槍を横に弾いた。さらに追撃をかけるため、ゲイボウに身を滑らすように接近すると右手の刀を投げ捨て、脇差に手をかけると首をかっさばこうとした。

それはディルムッドがなんとか後ろに下がって回避したが、続く体当たりはかわせず少し飛ばされた。

(この男、強い…!)

ディルムッドが感じた強さは先程のアーチャーのような、荒れ狂う野獣の如き獰猛なつよさではなく、どちらかと言うと静かに、ただ静かに敵を追い詰めるハンターのような強さだ。

「… ダメだな」

「…は?」

バーサーカーの突然の言葉にディルムッドは全く意味が分からなかった。

「少しやり合ってみたが貴様の宝具はその槍か?」

「…だとしたら?」

「今すぐ解放しろ。お前の力が使えるかどうか、見極めてやろう。」

「なっ…!?」

ディルムッドは思わず口を開けた。敵の方から宝具を使えと催促されたのは初めてだったからだ。

「…俺の力だけでは足りないと?」

「全然ダメだ。」

「っ。そうか…なら、お望み通り、出してやるよ…!」

バーサーカーの挑発に乗せられ、ディルムッドは宝具を解放した。

(バーサーカー、あいつの宝具はあの二つの槍だ!長槍は魔力を絶ち、短槍で受けた傷は槍を壊さないと戻らない!接近戦だと危険かもだぞ!)

詩音は必死にバーサーカーに叫んだ。が、

(…なんだ、やはりそちらの能力か…、つまらんな。)

(…え?)

(だから、先程の宝具なら結局は使い手しだいというものだ。面白くない。)

いや面白くないって…と、詩音は心の中で呟いたが、言葉には出さなかった。バーサーカーの宝具をあらかじめ聞いていた詩音はこの言葉の意味を理解出来たからだ。

「…で、それがお前の宝具か?」

ディルムッドの持つのは長槍のみ。赤黒く光るそれはディルムッドの「輝く顔」との禍々しさをありありと示していた。

「そうだ。これを解放したからには、取らせてもらうぞ、その首。」

「は、いいだろう、貴様の力示してみろ。」

そう言ってバーサーカーは右手の脇差を収め、先程投げ捨てた刀を足で弾き取った。

ディルムッドはゲイジャルグをバーサーカーに向け、一突きをした。それをバーサーカーは右手で横に弾く。すかさず左手の刀で切りつけようとした。が、その前に横からゲイジャルグの薙ぎが入った。弾かれることは想定済みで、その勢いでディルムッドの方に一旦戻し、勢いをつけ薙を繰り出したのだ。

槍の使い方は突くだけではない。しなりのある槍ならむしろこのように薙ぎの攻撃の方が強力な時もある。その場合、衝撃はしなりがあるほど強くなる。

ゲイジャルグは感じとしてはしなりは無さそうだったが、だからといって弱い訳では無い。

ディルムッドに出しかけた左手をなんとかもどし、この一撃を防いだ。そして、次こそ攻撃の主導権を取るために右の刀で切りつけようとした。

が、 今度はディルムッドがバク転で避け、さらに、着地した地でゲイボウも拾い上げた。

「なかなかやるな。こうも我が槍を躱すとは。」

「なかなかやるのは貴様の方だな。存外楽しい戦よ。だが、」

「?」

「どうやら終わりのようだな。」

ディルムッドはすぐにバーサーカーの言った言葉の意味を理解した。

ババババ…、という音とともにディルムッドに衝撃が走る。

「ごあっ…!?」

ディルムッドの体にはいくつかの風穴が空いていた。

「っ。これは、バーサーカー、貴様の仕業か?」

「残念だが違うな。これはあいつの仕業だ。」

そう言ってバーサーカーが指さした先にいたのはフードで顔を覆ったアサシンだった。

「…お前達の…仲間か…?」

「違うが…まあ、利用させてもらった。」

ディルムッドは理解した。バーサーカーはあのアサシンの存在に気づいており、あえて無視して、アサシンが攻撃できるようにディルムッドを誘導していたのだ。

「…くふっ、お前が…何者か知らんが…強いな…」

「…当然であろ。余こそ日の本の王だったのだからな。」




バーサーカー一体誰だったの!?ってなるかも知れませんが、真名はもうすこしあとで出します。個人的に好きなんでバーサーカーは一番活躍するかも…。
今のところ、バーサーカーが詩音陣営で最強の予定です。ディルムッドの扱いが酷いと怒られるかもですが正直持て余してたんで早く殺そうとしてしまいました。好きな人、すみません泣

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