Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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本当は今回のもう少し長くなる予定でしたがきついんでここで一旦切ります。荒削りですがご了承下さると嬉しいです。


局地戦

~詩音・源為朝vsアイリスフィール・アルトリア~

剛と剛の戦いが広がる。序盤は為朝がある程度距離をとって弓で攻撃していたものの、途中からそれが無駄だと思ったのか、為朝は弓を使わずに両手で矢をただ投げる。それだけで矢は空を切り、巻き起こる風は、割と離れていた詩音の肌にも感じられた。詩音は何故か交戦しているようであるランサーとアーチャーの魔力を渡していて離れていた。

その矢をアルトリアはいなし、時には叩き折り、未だ傷を負っていない。

「いいねいいねその力!フツフツさせてくれるじゃねーか!なぁ!兄ちゃん!もっと力出せよ!」

矢を投げながらそう言ったアーチャーの言葉に、詩音が疑問を持つ。

(ん?兄ちゃん?なんで、アーチャーそう言ったんたんだ……………まさか、あいつ……?)

そんなことあるはずがないと思いながらも、詩音はアーチャーを見る。そして、

「お前凌いでばっかかあ?お前それでも男かぁ?」

…バッチリ判明した。はい、その人は女です為朝さん。

(…いや、でも、確かこのアルトリアって男装してんだっけ?あれ?この場合これでいいの?乗ってあげた方が向こうも良いのかな?)

そう考えた詩音は

「そうだそうだ!男ならもっとかかって来いよー!」

一度そう言ってみて反応を伺うことにした。

 

一方アルトリアも、自身を男だと見られていることに男装をした身としては誇るべきなのかもしれないがなにか大切なものを失っているような気がしてもやもやとしていた。アイリはというと

(な、なんて鈍感な人達…!サーヴァントもマスターも…!)フツーに怒っていた。

男として扱う発言をして、反応を見てみたが、セイバーにそこまで変化は見られない。そこで詩音はこの事はアーチャーには告げないことにした。面倒だし。

と、思っていると、アーチャーは突然詩音の方を向き、

「…行くぞマスター。ちと、まずいな。」

どこへ、と聞こうとしたとき、詩音はランサーに流れていた魔力が落ちているのに気づいた。

(これは勝ったってことなんじゃ?)

念話で話しかけた。

(逆だ。ランサーのやつめ。)

 

~時を少し遡り、母里友信vs沖田総司~

「アンタがこいつをやったのかい?」

友信は笑いながら沖田にそう尋ねた。それに対し、沖田は、

「あなたは?」

「おいおい、無視かよ。ま、いいや。俺は母里友信。黒田…」

友信が肩書きを言おうとした所で

「長い。」

沖田の辛辣な言葉と共に刀が振るわれた。そこに情などの感情は入らない。首を刎ねる一撃は、友信がすんでのところで槍で弾いて防がれた。

「あなたの能力はだいたい分かっています。以前うちのランサーがお世話になったようで。」

「ん?ランサー?…あ、あん時のバカ強え女を知ってるってことはお前、カルデアの者か。んじゃあ、俺達は敵ってこと…」

「知ってます。」

これまたキツイ言葉が強烈な一撃と共に沖田の口から放たれる。友信は刀の振り下ろす一撃は防げるものの、言葉は不可能な為、

「お前!なんで儂の言葉に1回1回割り込んでくるんだ!嫌がらせか!」と、かなり子供っぽくなっていた。

「戦闘中に会話をしようとするあなたがどうかと。」

そう言いながら沖田は再び友信に攻撃を仕掛けた。今度は一直線の突きであり、回避も難しいものだ。

「日本号、起動。」

その一言と共に、宝具日本号は自動で友信から身を守る。カキイン、という音と共に沖田総司の体が吹き飛ばされた。

「やはり私の乞食清光もはじかれますか。なるほど、それがかの日本号というわけですか。」

「ん?なんだ、知ってるのか?」

「私の同僚に槍使いがいまして、、天下一の名槍と聞いております。」

「おいおい、誉めてくれても加減はしねーぜ?」

「結構です。どのみち、」

沖田の体がすこし光ったと思うとそこには

「その槍と戦う予定でしたから。」

ランサーには知るよしもないが浅怱色で袖口にダンダラ模様の入った羽織を纏ったとてつもなく有名な着物を着た沖田がそこにいた。

「…はっ。何が起こるのかと思ってみたが着替えたぐらいかい。そんなことで…」

相変わらず人の話を聞かない沖田は友信にむけ駆け出していた。そして体をねじり、今度は左方向から攻撃を仕掛けた。

「無駄なことを、、」

そう思った友信は特に防御の構えをとらない。そんなことをせずとも日本号の加護で守られているのは先程証明できた。だが、

「??!?」

おかしい。沖田の剣はもうすんでのところである。なのに、日本号は全く動かない。斬られると直前で判断した友信はなんとか身をよじらせた。だが反応が遅れた分、沖田の刀が友信の腕を切り裂いていた。なんとか腱は避けられたものの、それでも重症だ。それに、

(あんにゃろ、こっちの負傷を…)

左腕は以前スカサハと戦ったときに負ったもので完治はしていなかった。

「やはり、あなたの槍は格下の武器の攻撃を無効化するのですね。」

「…いつわかった?一回見ただけで判断はできないだろ。」

「見抜いたのは私ではありませんよ。あなたが殺そうとしていたキャスターですね。」

「あー。あの軍師様かー。そう言えばあいつって諸葛孔明だったか。んで、その刀は?」

「大業物・菊一文字則宗。どうやら、これも日本号と同じくらいの名刀のようで。」

「はっ、そりゃ、天皇様が作らせた奴の刀は価値がたけえだろうな。こりゃ、本気を出すしかないようだな。」

そういうと友信は槍を構えた。ただ、左腕がほとんど使えない為、実質は右手だけで槍を持っていたのだが。

友信の槍の穂から魔力が放出され、渦を巻き、ドリルのように回転していく。本来なら調整のために言葉を言わなければいかないが、そうすると沖田に殺されるのですぐに宝具を打つことにした。今回は魔力はそこそこ流れているものの右手のみで魔力噴出を受け止めるために少しだけ控えめだ。それでもサーヴァント一体ぐらい余裕で倒せるレベルだが。

「貫け!日本ご、」

友信の言葉が遮られた。理由は単純で沖田の刀が友信の体を貫いたからだ。

「無明 三段突き」

同時に、友信の体から血が溢れた。傷口は三ヶ所。だが友信はそれが三回攻撃を受けたということはないと思った。あれは完全に同時だった。つまりはそういう宝具なのだろう。それに、

(縮地…)

剣術で、まるで地が縮んだように思われることから縮地と呼ばれる神速の妙技。初めて拝んだもののその名に恥じぬ神速だった。

と、そこに

「ランサー!」

声がかけられた。それは詩音…ではなくセイバー・長宗我部信親のものだった。

 

アサシンは言峰の所へとむかった。そして、

「ただいま戻りました。」

と告げた。だが、何も返事がない。先程から念話をしているが全く応答がなかった。魔力は流れているので何者かに攻撃を受けたということではないと思うが…

と、その時、

「ひひ、やっと帰ったかね?」

奥から声が聞こえた。

「マスター!」

と呼び掛けようとしたとき、突然黒い者がアサシンを襲った。

「ぐあっ!」

女のとなりにいた男が剣によって切り裂かれた。が、彼女が驚いたのはそこではない。

「マスター!?何を…?」

自分の横にたつ男を殺したのは刀を持った言峰綺麗だった。

「ひひ、鈍いやつらだな。まだマスターだと思っているのかね?」

奥から聞こえる声はとても気味の悪い老人の声だった。

その言葉と共に、目の前にたつマスター・言峰綺麗が姿を変えて、、そこにいたのはバーサーカーだった。

「なっ!?」

アサシンに動揺が走る。

そこに追い討ちをかけるように奥からは目だけがギラギラと輝いた老人が現れた。正真正銘の言峰綺麗を引きずりながら。

「いや、全く君たちは疑いを知らないのだね。」

「貴様、マスターに何を…!?」

「なに、ちょっと頭の一部を虫に食わせたぐらいさ。」

「なんだと!?」

「別に驚くことじゃなかろう?寄生虫などこの世界にいくらでもいるじゃろう?そのなかで人間に効果を持った虫を放っただけのはなしじゃ。」

そう言うと間桐臓硯はどこからか虫を出して、

「こいつはな、人間の脳内で意識を司る処に巣くうんだ。魔力とかは変更なしでな。便利じゃろう?」

「なんと下劣な…!」

「暗殺者に言われるとは皮肉よな。ま、所詮は一介の犬に過ぎん貴様らだ。どちらにも悉くやられておめおめと帰ってくる時点で程度がしれているというもの。」

暗殺者は一斉に動き出した。狙いは臓硯一人だ。バーサーカーに邪魔をされ、あと一人となったアサシンだがついに臓硯に手が届く。せめて、一人、、

だが、それは言峰の刃に阻まれた。

「ま、マスター…」

アサシンはたまらず倒れた。

「いい忘れておったが、意識を少しだけ操作もできるんだな。ま、そうするとすぐ死ぬんじゃがな。」

ケラケラと笑うと老害はゆっくりと歩を進めた。




モンハンダブルクロスが出るんでクロス進めてるため小説出るのが遅くなるかもですがリオレウスかってるんだなーと思って暖かい目で見てくれると嬉しいです。
読んでくれてありがとうございました!
あと、一話のuaが1000を越えました!これもみなさまのおかげです。ありがとうございます!

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