7000字を超えるもので、多いです。読むのに苦労するかもですが、、どうぞ!
聖杯問答から家に帰ると、詩音は思ったより疲れていたらしくいつの間にか1日寝ていたらしい。
それでも体のあちこちが痛かったが。
「ふあぁ…まだ眠いよー」
間の抜けた声で詩音はつぶやく。それにセイバー・信親が答えた。
「まだ眠いのか!?一日寝たぞ!?」
「だってー、、」
詩音はそう言うと自分の右手を見た。そこには一つ紋章の消えた令呪があった。夢を見ていたようなことだったが、この右手の赤き紋章が現実だとありありと示していた。
「ところでだ、昨日アサシンが来ていたんだが少し事情があるらしく少し帰るんだと。ま、ライダーが消えてしまった以上ここには気配隠蔽がないしな。奇襲を受けることもあるという事だったしな。」
「…ふーん。まぁ仕方がないさ。それより、次の目標だが…セイバーなんか情報あるか?」
「そうだな、アサシンが置き土産に今日の午後カルデアが街の郊外へ動くらしいぞ。そこへ行くとかかな。 」
「そうかー。んじゃ、そこへ行くとするか…」
詩音はそう言うと椅子へ座った。そこに信親特製のオムライスが運ばれてきた。
「お!美味そうだなー。てか、オムライスなんていつ覚えたの?」
「くっくぱっど、なるものでな。さすがにずっとカレーとラーメンだけじゃ飽きただろう?」
「おー!流石セイバー!万能だなー!!んじゃいただきまーす!」
「んー、なんかいい匂いがするなー。俺の分はあるのかなー??」
匂いにつられ、ランサー・母里友信が姿を現した。
「あるわけないでしょう。あなた昨日の食費を勝手にぱちんこで潰したことを忘れましたか。」
「ぶっ!?」
詩音は思わず吹いてしまった。
「まあそう硬いこと言うなって。な?腹が減っては戦はできぬってな。見てろー!今日は勝つ!今日はな、競馬ってモンに挑戦してみるんだぜ!」
「あなた、全く反省していませんね…」
信親の呆れ声にも友信は全く動じなかった。それに対し、詩音はずっと沈黙していたが…
「…なあ、ランサー…」
「んー?ん?…おい、…マスター?」
詩音は顔を上げ、満面の笑みを浮かべると…
「今日飯抜きとバイトどっちがいい?」
その笑顔は確かに満面の笑みだった。
「どうだ?奴らは動くか?」
髑髏の仮面をし、黒い衣装に身を包んだ女が同じような格好の中肉中背の男に問いかけた。
「動くみたいだ。餌に食いついたぞ。」
「そうか、やはり奴らはお互いに敵対してるようだな。」
その言葉に男がうなづく。
アサシンに命じられた任務はカルデアと呼ばれるものと詩音たちの相殺である。これは時臣の味方を見捨てるものではなく、言峰綺礼の勝利する為の方針だった。時臣の死亡の報が知らされると綺麗は戸惑っており、ずっとなにかかんがえていたようだったが、昨日何故か人が変わったように吹っ切れたらしく監視役の父からの依頼で乱入者の排除に動き出していた。その声は老人のように枯れており、そこからマスターの苦悩が見えたのでハサンは何も言わなかった。
「…あの時助けられた恩はあれど今は戦争、せめてこの手で消して差し上げよう。」
令呪の脅しでなんとか友信をバイトに行かせると詩音は食べ終えた皿を信親に渡し、
「さて、夕方の攻撃だけど、誰を連れていこうかね。ライダーが消えてしまった以上正面から戦うしかないがなー。セイバー。行くか?」
「誘ってもらうのは嬉しいがな。今日は株の変動がでかそうなんだ。任〇堂の株を売るんだ。今日の食費はそこで出せる。それに今日の夕方は卵の特売があるんだ。それを逃すわけには行かない。」
「そうか、それはじゃあ任した!あとは… 」
「俺はどうだ?今までこっそり動くことばっかで控えてたが正面から戦うんなら俺が適任だと思うんだが!」
そう言って出てきたのは大柄で左腕が右腕よりも15cm程伸びた異様な体を持ち、剛弓をもった、聖杯戦争の中で珍しい弓を使うアーチャーだった。
「アーチャー。そうだな、よし。じゃあ俺はアーチャーと行動しよう。」
「で、あと一人はどうするのだ?」
「それなんだが…バーサーカー。すこしお頼みしたいことがあるのですが、、」
詩音の問いかけに全体的に淡い赤色の着物を着た男が現れた。美しい顔立ちだが、そこには優美さと強さを兼ね備えた覇気を感じた。
「如何した?朕に何を求める?」
詩音が呼び出したバーサーカーは話せるバーサーカーだった。 ただ、
「うん、えっと、、あの、、大変恐縮なのですが…」
「む?何だ?申すが良い。」
「えっと、、あの、、一人称が朕というのは、、あの、、いや!悪いと言っているわけではなく!むしろ尊大な感じが出るのですが…」
「ああ、よい、理解した。ふむ、ならば、、僕、、だったか?それはどうだ?」
「いや!それだとせっかくの威厳が! 」
「全く難しいものだな!じゃあ、、余!だ!あのライダーが使ってたんだしそれで良かろう?」
「あ、それちょうどしっくりきます!」
二人の脱線を止めたのは信親だった。
「ちょっと2人とも何の話してるんです!?作戦会議じゃなかったんですか!?いつから一人称大会になったんですか!?てかそもそも一人称大会ってなんですか!?」
あくまでも敬語を使ったが普段の信親の姿からは想像出来ない、なんとも言えない顔をした信親がそこにいた。
~夕刻、街中にて~
「先輩、本当にアサシンの言葉を信じてもいいのでしょうか?私は嫌な予感がするのですが、、」
マシュは心配そうに藤丸に話しかけた。
「本当であれ嘘であれ、飛び込んでみるしかないよ。虎穴にいらずんば虎児を得ず、だ。それに、軍師の孔明がまだ意識がない。あいつらの手がかりは俺たちがつかむしかない。」
「うっ、それは、そうなのですが、、」
確かに、藤丸の言っていることは正しい。だが、
「そうなのですが、、敵が街に出る理由が…その、、金欠で今日の夕方に行われる卵の特売を買いに行くためというのは、ちょっと、、」
「いやー、むしろその方が親近感わかないか?」
「いや、敵に親近感をいだくのはどうかと…」
気の進まないマシュに対し、もう1人、藤丸の連れていたサーヴァントの牛若丸は強敵に心を踊らせているようだった。
「まあ良いではないですかマシュ殿。マスターの言い分は正しいですし。」
「それに、孔明もアイツが守ってるから大丈夫だ。」
「はぁ、まあ、マスターがそういうのなら…」
渋々だがマシュも了承し、藤丸たちは予定の場所に移動していく。
~同時刻、街の郊外にて~
「なぁ、マスター、ちょっといいか?」
「うん?どうしたんだ、アーチャー?」
「俺達ってな、聖杯を特に求めてないだろう?それでは俺達は何の為に戦えばいいんだ?世界を救う為とか言われても俺達は慈善家じゃない。何の報酬もなく命を削る戦いをしろと言われてもだな、、誰もそう言ったことを言わないから言わなかったが俺はそういうわけにもいかない。身勝手だと思うか?」
「…いや。それは当然だ。むしろ今まで誰も言わなかったことが不思議だったくらいだ。だけど、、俺には貴方達にあげられるものが…」
詩音はそこまで言うとうなだれた。世界を救う為にただ力を貸せ。こんな不条理は自分でもひどいと思ったくらいだからだ。それでも、詩音にはサーヴァント達を納得させられるほどいい物も力もなかった。
アーチャーはそんな詩音をみてフッと笑った。
「…ま、それはおいおい考えるとしよう。ほれ、客人だぞ。」
アーチャーの言葉に詩音が振り向くと、そこには盾を持った少女とやけに露出の高い鎧(?)をきた少女と敵のマスターが近づいてきていた。その時、詩音に腹からふつふつとした怒りを感じた。それは、、
「…向こうも戦闘態勢のようですね。やはりあの情報は偽りだったのでしょうか?」
「そうでもないさ。事実、こっちに敵はいた。それが向こうの思惑だったとしても、接触できたことは事実だ。とりあえず、牛若…」丸、と言いかけたところで相手のマスターが叫び声をあげた。その声は怒気に満ちていた。
「お前!何人女連れてんだ!ふざけんなよ!?何でなんだ!何であっちにゃ女の、しかも結構可愛いのが溢れてんだ!どうなってんだ!こんなんだから少子化止まんねーんだバカヤロー!どうせお前あれだろ!バレンタインとか鼻血出るくらいチョコ貰ってるんだろ!俺分かるからね!隠したって無駄だからね!もーやだー!」
詩音の若干半泣きの絶叫に場が凍りついた。そして、数分沈黙の後、助け舟をアーチャーが出した。
「うん、まあ、気持ちはわかるがな。世界は不平等なものだ。これも運命なんだ。な。だから男だったら泣くな。」
「アーチャー。」
「ん?どうした。」
「今日は…帰って鍋でも食うか…」
「いやまて、敵を倒すのが先だろう!?」
「だってー。あんなリア充と戦っても〜。」
「まあそう拗ねるな。俺がすぐに片付けてやるからよ。」
そう言うとアーチャーは矢を取り出し、剛弓を引く。狙いは敵サーヴァントの露出度の高い鎧を着た女だった。
(この気配…あの体…まさか…!)
自身に矢が向けられているにも関わらず、牛若丸はひたすらに考えていた。目の前に立つこの男は、間違いない。彼女が追い求めてきた1人。彼の力を見間違えたりしない。彼の腕も聞かされた通りだ。彼女の一族の中でも彼は最強に最も近いと聞かされていた。
「為朝殿!」
叫びと同時にアーチャーの強力な弓から矢が発せられた。だが、その矢は牛若丸の頬を掠め、後方へと飛んでいった。
「…俺を知ってるのかい?嬢ちゃん?」
アーチャーは仄かに笑う。
「はい!私はあなたの子孫、源の血を継ぐものです。牛若丸が今の名です。あなたの力は一族に轟いております。」
アーチャー・源為朝の眉が少し上がった。
「敵ではありますがあなたと出会えて光栄に思います。では、いざ…!」
牛若丸は刀を抜き、為朝へと駆ける。一方の為朝は何が考えているようで何もしない。
「為朝公…覚悟!」
牛若丸の刀が為朝の首へと放たれる。だがその一撃は為朝が矢を出して弾くことで凌いだ。いや、凌いだというのには少々語弊がある。なぜならこの一撃で牛若丸が吹き飛ばされていたからだった。為朝は無言のまま矢を構えた。そして、今度は本気で殺すつもりの矢を放つ。その矢を牛若丸はなんとか刀で凌いだがその時には手がジーンと痺れ、その威力を身をもって知る。
(さすが為朝公。聞いていた以上にお強い。こちらも手を出し尽くして…)
そう牛若丸が考えていると為朝は突然
「…やめだ。」
「…は?」
牛若丸だけでなく、詩音も、藤丸も、マシュも、疑問の言葉を出す。
「お前…まだ本当の実力でないな?」
「なっ、何を…」
「お前がさっき名乗った時牛若丸つったよな?なんで源の一族なのに源を名乗らない?」
「…っ、それは…」
牛若丸の代わりに詩音が話しかける。
「アーチャー、でもそれは全盛期がこの時だから呼ばれたんじゃ…?」
「だったら、尚更だ。もし、この年で死んでいたのならそんな子供を殺しても後味が悪い。大人になっていたのなら源を名乗れずに少年期の方が強いような弱者に用はない。」
「…戦っては…下さらないのですか…?」
「戦わない。さっさと去れ。そこのマスター。次は俺と戦うに相応しいやつを連れてこい。」
アーチャーの突然の戦闘辞退に驚いたのは牛若丸よりもむしろ詩音だった。詩音は念話でアーチャーに話しかけた。
(おいアーチャー!?確かにな!?鍋にするって言って帰るつもりだったよ!?でもね?だからってね?)
(まあ落ち着けマスター。こいつはまだ完全な英霊ではない。何故かは知らんがそう思う。今こいつを狩るのはどうなのかとな。)
(……同情…?)
(…確かに、この感情は同情かもな。だが、覚えておけマスター。同情や慈愛は強者のみに許された特権だ。そして、俺は強者だ。だから許される。マスターには余るものだからな。決して真似するなよ?)
アーチャーの自信満々の回答に詩音は思わず笑う。
(それにな、ここでいつまでも油を売っているわけにもいかんだろう。すぐに分かるだろう。)
なにを、と、詩音が言おうとした時、アーチャーの言い分を理解した。
(この感覚、バーサーカーが!)
バーサーカーに魔力が流れるのを感じた。
そして、藤丸もまた、自身のサーヴァントへと魔力が流れていっているのを感じた。
お互いの為、そして、牛若丸も為朝の言葉に頭を垂れていて、戦闘の意志がないということが感じられると、両者ともに無言のまま立ち去った。
アサシン・百貌のハサンは部隊を二つに分けて詩音サイドとカルデアサイドに進撃していた。目指すのは彼らの住居で、お互いが戦力をぶつけ合い、消耗した所で気配遮断による奇襲を想定していた。
「では、我らはこちらに。」詩音についていた中年のハサンが率いた部隊は詩音サイドに、以前カルデアに情報を提供したハサンが率いた部隊はカルデアサイドに、そして、女のハサンの率いる小隊は戦況を確認する役目を果たす。これで、この戦争に関わった邪魔者を排除できるはずだ。
~カルデア本拠~
黒い影が蠢く。その影はカルデアの者達が使っていた家へと入っていく。侵入の鮮やかさはアサシンの名に恥じぬものだ。そして家の中に忍び込むと、予定通りキャスターの暗殺へと向かう。このキャスターは敵の頭脳であり、こいつを殺すのは絶対の目標だった。
一度来た家のため、所在は分かっており、キャスターのいる寝室までサラリとたどり着けた。
ドアを開ける。そこには、シングルベッドとテレビの質素な部屋で、そこにキャスターが眠っていた。聖杯問答の後から、彼は昏睡状態にあるらしく意識が戻らないとのことだった。ハサンは彼に近づくと、手に持つナイフを振り下ろす。それでこのキャスターは本当に死を迎え、藤丸たちを迎える、はずだった。
ザン、という音が後ろから聞こえたと思うと彼の服に赤いものが付着し、後ろにいた奴の体が倒れた。
「??!?!?」
必死に振り向こうとしたがもう遅い。
ズバ、という音が聞こえた瞬間、彼の視界が回る。
絶叫とともに、あちこちで刀がハサンの体を切り裂き、飛び散る鮮血は、彼女の顔にも付着した。
「きさ、まは、一体、何者、、?」
仲間の死体が次々と消えていくと共に、ハサンは恐れと呻きが混ざったような声でそう尋ねる。
「なに、ただの剣客です。かつては新選組という組織の一番隊隊長を務めていましたがね。」
そう言うと新選組一番隊隊長・沖田総司はハサンの首を切り落としていく。
~カルデア居住地~
「こちらだ。」
中年のハサンが率いた部隊は迷いなく詩音が借りていた部屋へと進んだ。この周辺で待ち伏せし不意打ちで狩りとるのが役目だ。と、その時、
「やれやれ、本当に来るとはな。」
声が聞こえた。その声の主は、豪華な飾りをつけた鎧を身に纏う男だった。手には刀が3本ほど握られていた。たしか、この男はバーサーカーだったはずだ。
「そこをどけバーサーカー。この人数で勝てると思っているのか?」
そう言うと、周りからハサンの軍勢が姿を現す。
その数は、ざっと30体といったところか。
それに対し、バーサーカーは手に持つ二つの刀を地面に刺して、1本を握りしめると、
「下郎、今余に命令したと?暗殺者風情が。己の分を分かっておらぬ様だな。」
アサシンは会話を続けず、一斉にバーサーカーへと襲いかかった。
~数分後~
そこにあったのは死体の数々。バーサーカーの刀から滴る血は床を赤く染める。だが、それもアサシンの消滅とともに消えた。
「全く、せっかく鬼丸国綱を出してきたというに、これでは錆にしかならぬな。」
立っていたのはバーサーカーだった。名刀・鬼丸国綱を鞘に収めると家の中に帰っていった。
~街の郊外、詩音の家の帰り道にて~
「ほほう、こいつは、、」
アーチャーは興味ありげにセイバー・アルトリアペンドラゴンを見ていた。
「アーチャー!バーサーカーの加勢に行くんじゃ?」
「ああ、あの人なら大丈夫だろ。バーサーカーの覇気を見たか?ありゃあ本当に王の器なのかもな。」
「また無責任な…」
そう言いながらも詩音はバーサーカーへ流す魔力が減ったことで、おそらく大丈夫だろうと思っていた。
「アーチャー、及びそのマスター!出会ったからには討ち取らせていただきます!アイリ!」
アルトリアはスーツからドレス姿へと変更し、手に取るエクスカリバーでアーチャーへと襲いかかった。アイリと呼ばれた女性はアルトリアに魔力をどんどん流しているようだった。
アーチャーは即座に矢を取り、エクスカリバーの攻撃を凌いだが、今回は矢が折れた。
「ははっ、凄いなこいつ!マスター!俺はこいつを貰うぜ!」
アーチャーの楽しげな顔を見てはもう止めても聞かない。渋々だが詩音は戦闘の許可を出した。
~カルデア本拠~
沖田総司の前にハサンらは惨敗し、もう手で数えられるほどになっていた。勝てない、ハサンは本能的にそれを悟る。自分達が今どんなに足掻いてもこいつには勝てない。だが、、
(勝てなくても…まだ…できることは…ある!)
ハサン達は一斉に撤退を始めた。沖田は罠かもと疑ったが、周りに反応がないことを確かめると、少なくとも孔明には害がなさそうなので追撃を開始する。アサシンは一人づつ沖田に向かっては足止めをするといった、愚策をとる。
だが、それは愚策ではなかった。なぜならば、彼らの目指していた先には、アルバイトから帰っている道中のランサー・母里友信だったからだ。
友信はアサシンと、もう1人のサーヴァントが近づいてきたのを感じた。そして、戦い好きの彼はそこに赴いた。
そこで、彼は最後のアサシンの返り血を浴びたセイバー・沖田総司と対面した。沖田も友信に気づいた。
「へへ、つまんない一日だと思ったが、最後にこんな晩餐があるとはな!」
「…その晩餐は最後の晩餐となりますね。」
そう言うと沖田は剣を、友信は槍を、お互いに構えた。
「ちくしょう!どうなっている?どちらも失敗しただと!?なぜだ!」
カルデアと詩音の戦いの監視をしていた女のハサンは怒気100%の声で独り言をつぶやく。動員できる兵数の9割をつぎ込んだ作戦は失敗し、何一つ成果を挙げられなかった。己の無力さに腹が立つ。だが、そのイライラはぶつけ先がなく、仕方ないので一応マスターの所へと帰ってゆく。今の力では何も出来ないかもしれないが、その時はその時で考えよう。もう考えるのが嫌になった。
セイバー・長宗我部信親は卵の特売で普段158円の卵が108円で買えた事でとても上機嫌だった。
今回は一気にサーヴァント出しましたね〜。カルデアは、あと1人(実は2人だったり…)、詩音陣営は全員とりあえず出てきましたね。バーサーカーの真名もわかる人は分かるかもですが、どうぞこの物語を読み続けてくれるとうれしいです。長文読んでくれてありがとうございました!