Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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サブタイトルで完結って書いてて( 'ω')ファッ!?ってなったかも知れませんが、安心してください!
別に物語をやめる訳ではありません。じゃあなんなんだと思うかもですが、次からは本編で書いている何章ってのをやめるだけです。
それと、今回はグロさがありますので苦手な方は注意です。物語上必要ですので書きましたが、不快にしてしまったらごめんなさい。


第一部完結

第三十三章 運命の日(戦闘ⅲ)

~時は遡り、遠坂邸~

「残念だよ雁夜。」

時臣の杖から焔の壁ができた。

「黙れ!…殺してやる…臓硯も貴様も、、ひとり残らず…殺し尽くす!虫たちよ…やつを喰らえ…喰らい殺せぇ!」

雁夜の周りには翅刃虫と呼ばれる虫たちが溢れた。

そして、その虫たちは時臣の肉を求め一斉に飛び立った。

だがそれは悉く時臣の炎の魔術に焼かれ、死体が累々と出来上がってゆく。しかし、死兵と化してなお、虫たちはただ真っ直ぐに突撃することを止めない。そして雁夜もまた、その目に諦めの色を映してはいない。

そんな雁夜を憐れむように、時臣は目を瞑り、、

瞬間、信じられない現実を知る。

(!?英雄王?バカな…英雄王がやられただと!?)

それは時臣の数十年の努力が無に帰した事を示していた。時臣に動揺が走る。一瞬、炎が揺らいだ。

「…っ!隙ありだ!」

雁夜は訪れた一瞬のチャンスをものにするべく虫を一気に放った。

だが、、

「…隙?いいや。…これは余裕と言うものだ!」

炎は先程より苛烈に虫たちに襲いかかった。

ぼん、という音があちこちに響く。

「ぐ、、あああぁ!!」

雁夜はそれでも攻撃の手を緩めない。顔から出血があったがそれも気にしていなかった。

「…英雄王を失った私はどうすれば良い?アサシンに乗り換えるか?そうした所で、、あいつらが勝ち残れる訳が無い。なぁ、教えてくれないか?雁夜。私は…どこで間違えたのだ…?…………聞いても無駄か。消えるがいい、魔術師の恥さらしが。」

時臣は炎の球を雁夜へと放つ為に杖を少し引き、そして前へ突き出す。それで雁夜の体は炎に焼かれる。

…はずだった。一陣の黒き風が通り過ぎなければ。

ギチッ、という音と共に突き出す動きが止められた。

「なっ、、?」

見るとどこから杖の先にワイヤーが動きを阻害していた。

「くっ、この、なぜっ…!?」

時臣は必死にその糸を取ろうとした。そこに、確かな空白が生じた。

「ああああぁ!」

雁夜の叫び声で我を取り戻したがもう遅かった。

今まで炎に焼かれていた虫たちが一瞬の隙をついて壁を越えた。そしてそれは時臣の死亡が確定したことでもあった。

「ぐあ、ああああぁ!」

悲鳴と共に地獄の門が開く。虫たちは時臣の体にたかり、皮膚を鼻を喉を耳を眼球を足を指を髪を爪を手を口を舌を腹を背中を尻を喰らい散らし、体内に侵入し、内側からも外側からも進撃していく。ものの十分としない間にかつて、遠坂時臣だったものは、鮮血を撒き散らしながら倒れた。

「く、は、はは、、ハハハハハハハハハハハハ!!やった、やってやったぞ!」

雁夜からは歓喜の声があがった。

その声を遠くから聞く者がいた。

ドクロの仮面をつけたその者は静かに屋敷から出ていっていた。

彼がここに来た理由はただ一つ。アーチャーを失ったことで今後マスターにあるであろう男の処分だった。

本来詩音達に協力するのも、ましてや時臣の暗殺など彼らの任務ではなかった。

彼らに与えられた役割はただ一つ。アインツベルン城で集まっていた者達と戦うこと。マスターからは弱い敵だと聞かされていたが、実際にはそこに居たのはとてつもなく強者であり、自分達が乗り込んでいったら間違いなく全滅していたであろう。そしてそれから助けてくれた詩音からはギルガメッシュが敗られれば次は自分達の一体をあえて殺す作戦を立てた男がマスターになるのだと聞いてその男の排除を決めたのだった。

(俺たちはどんな作戦でもマスターのものなら反抗はしない…が…味方を殺すなんて外道は別物だ…!そう言えばあの屋敷にもう1人いたみたいだが…別にほっといていいか…)

黒き風はただ宵闇を駆ける。

 

「はは、これで、桜ちゃんも…凛ちゃんも…いや、まだか…次…急がなきゃ…さっさとこんな戦い終わらせなきゃ…」

ひとしきり勝利に酔ったあと雁夜は次の者を倒す為に歩き始めた。

だが、、

「次を見据えるのはいいことじゃがな、雁夜。事態が変わったのでな。貴様はもう要らん。」

背後から声が聞こえたかと思った瞬間、右腕から猛烈な痛みが襲った。

「あ、がっ!?」

見ると令呪を宿していた手が無くなっており、肩からは鮮血が溢れていた。

「っ!?臓硯…なんの真似だ…!この戦いは俺に任せるのでは無かったのか!?」

「だから言ったじゃろ?事態が変わったのだと。我が500年の悲願を、貴様のような出来損ないに任せてはいけんじゃろ。」

「ぐっ、ふざけるな、俺は…まだ…!」

「そう息巻いても今のお前に何が出来る?遠坂のを倒したのは評価してやるがマスター1人殺しただけで死にかけとはなんとも情けないやつじゃ。」

「おお、ああああぁ!」

「じゃあな雁夜。わが生涯の汚点よ。」

雁夜の周囲に蠱が蠢いた。

「ぐ!あああ、この、悪魔がああぁ!」

「なんとでも言うが良い。羽虫がいくら羽ばたいても所詮は小さな羽音にしかならんという事だ。 」

こちらも数分の後には間桐雁夜の残骸が無惨な肉塊となっていた。

「さて、ゆくとするか。」

最凶の老害はニタリと笑うとゆっくりと歩を進めていく。

 

そして。

「さて、どこを攻めるべきか。」

顔をフードで覆い、全身に異様なオーラを放ち、両手にマシンガンを持った男もまた、静かに動き出していた。




さて、今回は退場したライダーこと武田勝頼について
☆真名・武田勝頼
☆クラス・ライダー
☆外見・普段は緑と黄土色の着物。戦闘時は緑と赤の鎧兜、黄金の軍配と太刀を所持。
☆性格・いつも寡黙で冷静。だが父の信玄をバカにされたりするとキレる。根は優しい。
☆戦闘スタイル・刀。ライダーだが馬は彼は使わない。
風水を利用しかるーい気配遮断が可能。(これは山本勘助から教わった。)
☆宝具・英雄召喚『武田信玄』
…自身を触媒として武田信玄のサーヴァントを
召喚する反則ギリギリの技。
ただし、これを 行うとマスターとの繋がりが
消えて、ストック分を使い切った時点で2人
とも消滅する対決戦宝具。
そのぶん、出し惜しみがないので
この時の信玄は普通に信玄をよんだときより遥
かに強力。

準宝具『風林火山』…疾きこと風の如く
静かなること林の如く
侵略すること火のごとく
動かざる事山の如く の四つの陣
風の陣、、自身のスピードを上昇
林の陣、、自身に気配遮断を加える(風水より高ランク。)
火の陣、、武器に炎を纏わせることで攻撃力上昇。炎は放出もでき、応用が効く。
山の陣、、自身の周りに魔力を放出し、それを固めることで強固な守りとなる。物体なら30mほど、人間なら10mぐらいの者は固定できる。

準宝具たる由縁は武田信玄の『風林火山』が真の宝具の姿であるため。

武田信玄
☆クラス・ ライダー
☆外見・真っ赤な鎧兜。体も大きく、とても威厳に溢れた人物。
☆性格・冷静だが豪傑。例えるなら戦国BASARAと戦国無双の武田信玄のいいとこ取り。
☆宝具
『真・風林火山』→武田勝頼の風林火山の強化ver.
ただし、信玄の風林火山は後述の宝具『戦国最強』
で呼び出された武田二十四将に効果をつけることが可能である。加えて信玄の風林火山は陰と雷のふたつの陣が可能。 これは信玄のみの対象となる。
陰の陣、、敵に対して一瞬だが自分のことを完全に遮断する。これをすると、敵は自分の敵は誰なのか、何が目的なのか完全に分からなくなる。わかりやすく言うと石ころ帽子。
雷の陣、、風の陣のさらに強化。この陣は神速を誇り、如何なるものでも確実に仕留める。が、体の負担がおおきく、滅多に使わない。

『戦国最強』
武田信玄の最高宝具。自身の兵を召喚する。が、彼が呼ぶのはあくまでも二十四将であり、彼らがそれぞれに自分の兵を出す仕組みになっている。その為将がやられればその部隊は消滅する。
武田二十四将についてはWikipedia参照。
二十四将には一つスキルがあり、大半は勇猛だが、真田昌幸は陣地作成など自分に合ったものである。
また、武田信玄の風林火山によってさらに強化を受けられ、その場合はワイバーンレベルまで強化される。

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