Fate パラレルクロニクル   作:柊彩

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設定の話なんですがだいぶ長くなっちゃいましたw
武将達は次に期待ということでお願いします。
その武将達も作者が好きな戦国武将達で無名な方が多いです。全部分かったらすごいですw
バトル中心で行きたいです。


抗うもの達

ーその日、あるひとりの少年はかつて日本という島国の戦国の世に散った将達のマスターとなったー

 

序章 開幕

~一ヶ月前~

朝6時。オランダ首都ハーグの地下にて

少年、天草詩音は父の天草宗玄の頼みを受けある儀式の準備に忙しなく走り回っていた。

 

(…たく、動物の血なんてどうやって集めろってんだ、俺は蚊か!)

 

などと心のなかで愚痴りながらなんとか血を集めてきた。どうやって集めたかはご想像にお任せする。

 

少年は知らない。彼はこの半日後に、世界の危機に抗うマスターに選ばれる己の運命を。

そして、、彼はまた知らない。この日の朝ごはんもまた手抜きのお手軽サンドイッチであることを。

「…なあ、これってひどくない?一週間よ?」

詩音はまだなにも知らない。ほんとに。なにも。

 

 

第一章 天草

天草ときくと我々はあるひとりの人物を思い浮かべるだろう。

僅か10代でキリシタンや浪人達を率いて幕府に抗った少年、天草四郎時貞を。

詩音の先祖の天草照彦は四郎の親類で島原天草一揆の前にキリスト教を求めて外国船にこっそり忍び込んだらしい。

そしてはるばる海をわたり着いたのがここオランダというわけだ。

その後なんやかんやで我ら天草家は名を隠しここオランダで魔術師の家をつくった。

そして父はある儀式の異質の形態をなそうとしている。

かつての英雄達の霊魂を現世に呼び戻し戦う『聖杯戦争』、その応用を。

 

 

 

第二章 嵐のまえの静けさ

宗玄がこの聖杯戦争ためにかけた時間は人生の9割以上であろう。そのためにかつての文献を読みあさり、カルデアという組織からも命がけで情報を得てきた。

だが、大して興味のない詩音にとってはそんな父が余り理解できなかった。

…まぁ理解できる方が常人としてはおかしいのだが。宗玄は自分の半生の集大成である機械の最終調整に入っていた。

ノアと名付けたその装置は聖杯制御装置という代物だ。

聖杯の力を機械で制御し意のままに使いこなす。

(…ふふ、完璧よ。つくづく私の才能が怖くなるな)

と、内心では浮かれるが決して顔には出さないのが宗玄だ。

が。

「なににやけてんだ、オヤジ。」

不意に前から声をかけられた。

…見られた、ならば…

ゆらり、と。宗玄は立ち上がる。詩音は気づかない。

自分は今、虎の尾を踏んだのだと。

「ギィヤァァァァ」

これがどこぞやの幻想殺しなら追われるのは女の子だっただろう。

だが、詩音にそんな能力はなく。従って彼は朝から40代のおじさんに追われている。

不幸な詩音であった。

 

 

第3章 災厄

詩音が取ってきた血を機械に入れ、本体の制御も終わり聖杯の力も蓄えを完成しつつある。

宗玄の手で作られた疑似聖杯だが、その力は本家と比けをとらないといっていいだろう。

あとは一時的にサーヴァントの魂のみを機械のなかで呼び出し聖杯にくべることで完成する。

だが、さすがに本家と同等の力を完璧に再現するのは一個人では不可能に近く、なるべくちかづけるためにサーヴァントを2回分、すなわち14騎のサーヴァントをくべる必要がある。

「それじゃあ、やるか!」

いたむ頬をさすりながら、詩音がスイッチを押す。

宗玄の集めた宝石は光をなし、血は独特の紋様を描き、それで描かれた円は光を放つ。

最初の7騎のサーヴァントをくべる。

「…っ。」 詩音は左手に痛みを覚えた。見ると三つの赤い模様があった。令呪だ。

「来たか。」

7騎は現世に蘇る。しかし、肉体はなく。ただ霊魂がある。

それらを聖杯が吸収する。これで6割。紅き光はまだ色褪せない。

次の七騎が来る。これを使うことで聖杯は完全な力を得る。詩音は左手を見る。令呪はまだ光を失っていない。

2回目、二騎の魂をくべり終える。

刹那、世界が緋色に染まりゆく。

「なんだ、これは…」

宗玄はこの聖杯降臨を邪魔されないように最高の結界と探知魔術を使っていた。

「いかん聖杯よ!我らを守れっ!」.

実行スイッチを押す。詩音は父の行動が分からない。しかし、次の瞬間彼は気づく。この行動の意味を。

 

そこには詩音、宗玄、そしてノア以外の死の世界があった。

崩れた建物、人の姿はなにもなかった。

「…これは、一体っ…」

「分からん、だが、世界が崩れた、、」

頭が錯綜する。訳がわからない。

「…そうだ、聖杯、聖杯でなかったことには!?」

「…無理だろうな。まだ完全ではなかった。更にさっき一部力を使った。世界の修復などする力はない。」

「…どうすれば、いいんだよ!」

「…一つ。手はないこともない…」

宗玄は告げる。あるたった一つの光明を。

「…今、ノアにある英雄達を束ね元凶を討つ。世界には修復力と言うのがある。聖杯で過去に飛び、元をなくせば地球の歴史は存続へと繋がるかもしれん」

「!!じゃあ…」

「だが、この英雄達はあくまでわしの聖杯からできた。本来のより性能が劣っているやもしれん。勝てる保証はない。」

「………」

詩音は、…簡単に納得できない。世界を滅ぼしたやつを相手に戦わなければならない、しかもこちらの兵力は未知数、負ければ死ぬ…

だが、詩音は

「…やろう。」

まっすぐに宗玄の目を見つめ、詩音は覚悟を決める。

「…そうか。では、お前のサーヴァントを実体化する。」

宗玄は機械のあるスイッチを押した。

光が起きる。そして、

五騎の英雄がノアの前に立っていた。

「問おう。汝が我がマスターか?」

詩音はしっかりと頷いた。

かつて幕府に抗った天草は、今ここに運命に抗う。




ちょっと設定話が続きます。次ちょっとバトル、、かな?
グランドオーダーのアクセルゼロオーダーが物語の舞台ですので一度見てくれると原作とどこが違ってくるのかも楽しめるかなと思います!

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