俺とクーデレ幼馴染の日常   作:ラギアz

21 / 39
えっとですね・・・。
実は、毎日投稿を一時中断しているんです。
で、どうせならこの間に幼馴染の方を更新しようと思いまして。
毎日更新とは行きませんが、新作が出来るまで少し短くして幼馴染を大量に投稿しようと思いました。
今回は何時もの二分の一、2000文字ちょっとです。
一週間くらいだとは思いますが、どうか宜しくお願いします。

最後に。

遅れてすみませんでした!!!


俺と幼馴染と林間学校

 夏休みも中盤に差し掛かる頃。外で蝉が鳴き、カーテンの掛かっていない窓からは朝の日差しが照り付ける。赤い大きなバッグに着替えを詰め込み、ジッパーを閉めた。ここでやっと一息。早朝の今、時間は午前六時。しかし夏の太陽と言う物は中々に上るのが速く、もう外に出ても違和感は無い明るさだった。

 冬や春とは違う感覚。夏と言う季節を感じるうえで分かりやすいのが太陽だが、もう一つは更に分かりやすい。

 ……暑い。いやもう、めっちゃくちゃ暑い。

 こんな時でも俺の妹は汗一つかかずにご飯を作るのだが、最近ショートカットの後ろを少しだけポニテにしている。ちょっとは暑いと感じるのだろうか。

 因みにだが、妹萌えと言うジャンル。

 あれ、兄はマジで分からない。本当に、妹の居る人は妹に萌える事は無いのだ。ソースは俺。

 それが幾ら容姿の整っている妹でも、勉強スポーツ家事が出来る妹でも、だ。兄は逆に、姉に憧れる事が多い。俺も姉さんが欲しかった。胸が大きくてふんわりとしたロングで、多少のセクハラは許してくれる姉が欲しかった。今姉が出来ると結構やばいのでもう無理だが、憧れは消えないだろう。

 うん。どうして朝っぱらから姉への思いを爆発させているんだろうか。

 そう思っていると、突然ドアが開かれた。目を向けると、そこに居たのは自慢の妹。

「……にーちゃん。ご飯、食べちゃって」

「あ、ごめんごめん。直ぐ食べるね」

 少しの会話をして、立ち上がる。部屋を出て一階に降りると、机の上にあった食パンへと手を伸ばす。

 朝は必ずパン。白米も嫌いではないけど、パンの方が好きだ。

 それが俺、平均平凡普通の高校一年生―――――

 

 紅月 雄一(あかつき ゆういち)の、何時もの朝である。

 

☆★☆

 

 朝。

 最早太陽は天高く上り、むわっとした暑さが部屋中に充満している。普段なら寝ている時間帯の午前六時だが、今日に限って俺は起きていた。

 何故か?

「林間学校当日の朝にどうして準備をするのかな君は……」

「忘れてたんだようるさいな! 手伝ってくれてありがとう!」

 そう、夏休み中のイベントである林間学校。その当日だからである。

 だからこそ、早朝の今―――平均平凡、どこを取っても普通の高校生、俺こと暁結城は赤いバッグに荷物を詰めていた。

 昨日まですっかり林間学校の事を忘れていた。流石に宿泊行事はサボれないので、こうして頑張って準備をしていると言う訳だ。

 そして今、布団の上でしおりを確認しながら俺に指示を出すのは幼馴染。

 成績優秀容姿端麗才色兼備文武両道。四字熟語がずらっと並ぶ完璧美少女、雪柳桜。

 彼女はもう既に林間学校の準備を終えていた。何時ものように、朝から俺の家に来ているだけ。というか夏休みは毎日ここに来ている。二人で本を読んだり映画を見たりゲームをしたりと、ゆったりと過ごしている。

 が、一回も男女関係を持った事は無い。

 理由はただ一つ。俺がヘタレだからだ。

 今回の林間学校は様々な行事がある。つまりは”漢”を見せるチャンス!

 例えどんなライバルが現れても、そいつら全員ぶっ飛ばして桜の隣に立ち続けるのだ……!

 そんな思いを胸の中で燃やしながら準備し、妹の葵が作ってくれたサンドイッチを持って玄関から駆け出す。集合時間まで残り20分、間に合う時間帯だが気持ちは焦っていた。

 

 学校に着くと、もう一年生の皆は集まっていた。

 早速先生から五人班を作れとの指示が出され、俺と桜は端っこの方に居た三人の元へと歩み寄る。男一人に女二人。声を掛けると、三人は駆け寄ってきた。

「よう暁! 元気だったか? ……宿題、終わらないよなあ」

「やっほ永大。終わってるぞ」

「はあああああああ!? お前、じゃあ残りの夏休みはずーっと雪柳さんとイチャイチャすんのかよけしからん!」

「うるせえ黙ってろ!」

 岡取永大。

 良い奴でありながら、勉強は普通よりちょっと上。中学では生徒会書記、部活動ではテニス部に所属していたステータスイケメンだ。

 そして、残りの二人はジャージに身を包みながらも、その豊かな胸が目立つ女子。

 いつも元気が良い、吉相凛。今日も茶髪をポニーテールにまとめている。

 もう一人は、転入生でありながらその美少女と性格の良さ(白状態)であっと言う間にクラスに馴染んだ金髪碧眼の美少女、ゴールドクレス・トアイリス。

 ヴィーナスを思わせる華々しい美しさを持つ、裏の性格(黒状態)がある少女。

 大和撫子の様な桜と双璧を為す存在だ。男子も、結構割れている。

 自然な流れで、俺たちはこの五人で固まった。班の申請を出そうとすると、突然他クラスのイケメンが集まる。勿論俺や永大は論外です。

 困った風に笑うアイリス。(白)

 迷惑そうに顔を歪める桜。

 無視する凛。

 今回の林間学校は宿泊行事。無論、クラスメイトと一緒に居る時間は普段よりも遥かに長い。

 俺と桜は寧ろ短くなるが。

 だからこそ狙われる美少女。桜達と同じ班になって仲良くなろうという魂胆を隠そうともしない人の中を強引に掻き分けて先生の元へと進み、桜が手早く班長になることで班が成立。そこでやっと諦めたイケメン‘sは、余っている中で可愛い子の所へと歩いて行った。

「……ほんっと、ウザいわね」

 アイリス(黒)。怖いよ。

 そしてそれからに二十分くらいが経ち、開会式の後にバスへの乗り込みが始まる。

 班で固まれ、と言われたのにも関わらずさり気なく俺を押しのけて桜の隣に陣取ろうとする男子共。欲に忠実な彼らは桜の巧みな回避運動により空振りに終わり、俺と隣になる。窓際に座った彼女は淵に頬杖を突き、やがてバスが走り始める。

 天気は快晴。目が痛くなるような透き通る青一色が窓の外に広がっていた。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。