fate/grandドンチャカ   作:( ∴)〈名前を入れてください

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───セカイの果てとはなんなのか?それは甘い?それともすっぱい?それともカラい?何にも分からない、だからこそ探し続ける価値がある。

パタパタ航海書第一節「パタの果てまで」より


パタの国からカルデアへ

 

 

「ヨイヒャラヨイヒャラウーッホイ!ヨイヒャラヨイヒャラウーッホイ!」

 

「飲めや歌えや!今日も明日もお祭りだ!」

 

「パタパタパターン!」

 

ここではないどこか、見た事も聴いた事もない。何かの生物の首、例えるならばトカゲような生物の首の周りを一つ目のギョロ目達が取り囲み酒や肉を頬張り踊り明かしている。ドンドンと太鼓が鳴り響きドンヒャラと謎の一つ目達は踊ったり飲んだり食ったりして騒ぎ立てる。

 

「おいおいトン。もっと飲めや、酒が足りんぞ酒が」

 

「止め、ちょっチン。それ以上はいけ……グワーッ!」

 

「ハッハッハッ!チンは相変わらず酒が弱いなぁ!オラオラもっと飲んで強くなれ!」

 

兄に無理矢理酒を飲まされる弟のようなグループがあれば

 

「「ヒーロー!ヒーロー!ヒーロー!ヒーロー!ヒーローはすごい!ヒーローはつよい!ヒーローはカッコイイ!」」

 

「おおよ!俺はパタポン族のヒーロー!そんじょそこらの奴らには負けねぇ!」

 

「例えドドンガが束になって襲ってきても全部ぶっ飛ばしてやるぜ!」

 

「「パター!!」」

 

ギョロ目の中で唯一仮面を被ってギョロ目が見えない生物をギョロ目達がやんやんやと騒ぎ立てる。ヒーローと呼ばれた仮面はそれに気を良くし背中に背負った槍を振り回し舞踊を舞う。荒々しく繊細さが一欠片もない踊りだが馬鹿騒ぎをしている彼等には丁度良い塩梅なのか彼等の熱は更に上がっていく。

 

「俺達の踊りを神様に捧げる!」

 

「「ささげるー!」」

 

「見てるか神様ー!俺達はアンタのお陰でセカイの果てまで辿り着いた!何かあったら直ぐに俺達を呼んでくれ!直ぐにアンタの元に駆けつけるからよー!」

 

飲めや歌えやの祭りは続く、彼等が愛しセカイの何よりも信仰する神に捧げる為に。セカイの果てより踊って騒げ、彼等が信ずる神様の元へ。パタポンドンチャカ大騒ぎ、祭りはまだまだ続いてく。

 

──

 

「──おはようございます先輩」

 

おはようマシュ。

 

「起きがけの所申し訳ありませんがドクターがお呼びですので成るべく早く着替えを行ってください」

 

うん分かった、直ぐに行くね。

 

「はい。ではまた後で」

 

そう言い残し部屋から去っていく少女。名前をマシュキリエライト、周りからはマシュと呼ばれている眼鏡が似合うと素敵な女の子だ。彼女はどうやらドクターからの言伝で貴方の自室に来たらしい。

貴方の部屋はとても殺風景だ。先程まで寝ていたベットに服が入っているクローゼット。ちょっとした小物を置ける机、その上には小さなサボテンが花を咲かせその姿を主張している。

ドクターはどうでも良いが自分を先輩と慕う可憐な少女が早く来て欲しいとわざわざ言いに来たのだ。貴方はイソイソとクローゼットを開けて着替えを行い自らの自室を出る。

 

「よっ。起きたか坊主」

 

おはようキャスニキ

 

「……いやまぁ、それで良いとは言ったけどそれ俺の名前の原型ないよな?クラス名がギリギリ残ってるだけで」

 

「んだよ。俺の癖にそんな事気にすんのか?キャスターで現界したらそんな事考えるようになるんかね」

 

「うるせぇ。お前も呼ばれたら俺の気持ちが分かる」

 

槍ニキもいたんだ。おはよう

 

「……いや。うん、なぁ坊主。確かにこのカルデアは様々なサーヴァントがいる。だから呼び方に工夫しないと駄目だって事もな。確かに俺達は同じクーフーリンだから呼びずらいのも重々承知だ。同じ真名だから呼び方に工夫しないと駄目……うん。だけどな」

 

じゃあ槍フーリンと術フーリンの方が良い?

 

「「いや……うーん」」

 

貴方がドクターの元へ向かっていると2人のサーヴァントが貴方に話し掛けてくる。ローブを被り杖を持ち、世間一般的に魔法使いと呼ばれる格好をしているのはクランの猛犬と唄われるケルトの大英雄クーフーリン。そして全身青タイツで真紅の槍を持っているもう1人はケルトの大英雄クーフーリン。

クーフーリンである。この施設、カルデアには過去未来、様々な英霊と呼ばれる過去に偉業を成した英雄、反英雄と呼ばれる者達がいる。彼等もここにいる英霊達の1人である。

 

どうやら彼等は貴方の呼び方が少々不満のようだ。貴方からしたらクーフーリンは初めての人理修復の時に右も左も分からぬ自分を鍛えてくれた大恩人、それもあり貴方にとってクーフーリンとは兄貴分のような存在なのだ。だからこそ兄貴からニキを取って術ニキ、槍ニキと呼んでいるのだが

 

「よおマスターに俺達……そんな変な顔をして何やってんだ?」

 

おはようプロトニキ

 

「おう、おはようさん。マシュの嬢ちゃんが呼んでたから早く行ってやれよ」

 

あっ。そう言えばそうだった!じゃあね皆!

 

何処からかもう1人のクーフーリン。通称プロトニキが現れ貴方に早く行くように声を掛けてくる。それを聴いた貴方はマシュが急いで来て欲しいと言っていた事を思い出し急ぎ駆け出していく。

 

「……お前はそれで良いのか?」

 

「やっぱり槍フーリンはあれだが槍ニキもやなぁ……」

 

「何だ?呼び方の話か?別に良いだろ?どうせ3人もいるんだ。俺達1人1人にマスターが無い頭絞って呼び方を考えてくれたんだし」

 

「せめて槍クーなら」

 

「……それはメイヴを思い出すから止めとけ」

 

そんな会話が後ろから聞こえて気がした。

 

「マスター、廊下を走るのは危ないから止めておいた方が良い。君はこのカルデア唯一のマスター、廊下でコケて大怪我を負った等となっては目も当てられん」

 

おはようオカン。ちょっと今急いでるから今だけは許してくれないかな?

 

廊下を急いで走っていると目の前でストップを掛ける一人の男、白髪に浅黒い肌。そしてそれを覆う赤い外套、彼の名前はエミヤ。このカルデアにいる英霊であり、その出自は他の英霊たちとは出典が異なるため、正統な英霊とは言えず、この英霊は守護者と呼ばれるもので、人類の“存続するべき”集合無意識が生み出した防衛装置のようなもの。この防衛の在り方は人類側の抑止力とも呼ばれる。要は名も無い人々が選出した、顔の無い正義の代表者、貴方が走っている姿を見てやれやれと皮肉るように笑いながら注意を促す姿、慇懃無礼でありながらも相手を気遣う男だが貴方の印象はオカンのような男である。

 

「……常々言っている事だと思うが私は君の母親ではない。私はサーヴァントであり君のオカンなどではないと前にも言った筈だが?」

 

ねぇオカン昨日洗濯物出すの忘れてたから後で出すね?

 

「そうか。なら今から私が取りに行くから気にする必要はない、怪我をしないように急いで行きたまえ。注意散漫は怪我の元だぞ?」

 

……やっぱりオカンじゃないか

 

「……なんでさ」

 

「主殿!そのようにお急ぎでどうなされましたか!戦ですか!是非ともこの牛若に先陣をお任せ下さい!」

 

おはよう牛若丸。ちょっとドクターに呼ばれてて今急いでるから

 

「成程……ならばこの牛若丸にお任せ下さい!我が健脚を持って主殿を直ぐにドクターの元へ連れてまいりましょう!」

 

エミヤに見送られた後出会ったのは大事な所を殆ど隠していない青少年にはかなり刺激の強い服装の少女、名を牛若丸、かの源義経その人である。前に何故そんな服装なのかを貴方が聴いた時には

 

「天才ですから!」

 

とドヤ顔で返事を返したちょっと困ったちゃん、そして今も貴方を背負うと言い始めており。貴方は急ぎたい身ですし何より特に理由も無いのに女性に背負われるのは遠慮したい所、ですので貴方は牛若丸に対していつも通りの対処方を行い先を急ぐ。

 

今急いでるから後でね?

 

「むっ……へぅ……。分かりました、ご武運を」

 

頭を撫でるとまるで犬が飼い主に撫でられたように顔を喜色満面にして大人しくなるのを知っている貴方は牛若丸の頭を撫で先を急ぐ。急いで来て欲しいとマシュに言われている貴方はこれ以上の時間の遅れを取る事は出来ず、ただドクターの元へ足を進める事に全神経を集中させ

 

ん……あれ?ここは?

 

貴方はドクターの元に向かっていた筈なのに突如視界が漆黒に包まれてしまいました。右も左も暗闇、何処を見ても視界は暗黒に包まれています。歩く事すらままならない暗闇の中理解が出来ない現状に途方に暮れていると

 

パタ!パタ!パタ!パタ!パタ!

 

と何処から太鼓の音が聞こえて来る。

 

ポン!ポン!ポン!ポン!ポン!

 

貴方は選ぶ事が出来ます。この太鼓の音の元に行くのか、気にせずこの場に留まっているのかを

 

ドン!ドン!ドン!ドン!ドン!

 

さぁ、どうしますか?

 

チャカ!チャカ!チャカ!チャカ!

 

>音の鳴る方へと向かう

現状が理解できないこの場に留まり現状を考える

 

音が鳴る方へ向かって行くとそこには小さな光に包まれた4つの小さな太鼓があり、その太鼓はまるでインディアンが顔を掘ったような紋様があり見る者を惹き付ける何かがある。

 

「「パタポンドンチャカ!」」

 

……太鼓が喋った!?

 

4つの太鼓が言葉を発したと思うと貴方の目の前に一つの本が現れます。謎の言語で書かれてあるそれは普通ならば読む事が出来ない、だが貴方は何故だか読める。この文字を知っているようなそんな気がする。

 

『パタポンの書』

 

パタポンの書と貴方が呟くとその本は勝手にめくれそこに書かれている物語が始まります。

 

セカイの果てへ辿り着いたパタポン達はセカイの果てが何なのかを知る事が出来ました。それは甘くなく辛くもなくすっぱくもなかった、ですがパタポン達はそれがセカイの果てだと認めませんでした。

 

「ここはセカイの果てじゃない!」

 

神様がいなくなってもパタポン達はセカイの果てを探し続けました。そうしてパタポン達はセカイの果てを見付けます。探して探して探し続けてパタポン達は旅の初めの場所に戻って来たのです。

 

「ここがセカイの果てだったんだ!」

 

「ここがセカイの果て!かみさま!ついに分かりました!セカイの果てとはここだったんですね!」

 

そうしてパタポン達はお祭りを始めます。自分達を導いてくれた神様を讃えるために、自分を支えてくれた神様の為に彼等は踊りを貴方に捧げています。

 

契約書

貴方はパタポンの神として再び旅し、今度はセカイの果てではなく貴方の望む場所に行く事を決して諦めず辿り着く事をここに誓います

 

名前

 

ここに名前を書いたらもう後には戻れない、貴方はそんな気がする。だが貴方は既に世界を救う為に仲間と共に戦っている身の上、既に後戻りする場所などない

故にこれは当然の結論だったのだ。

 

名前 □□ □□

 

貴方が名前を書くとパタポンの書は光り輝き全てが元に戻る。カルデアに戻った貴方は先程の事は何だったのかを考えるが向こうから貴方の後輩が私怒ってますと言わんばかりの顔をしながら近付いてきて

 

「探しましたよ先輩!大遅刻です!急ぎますよ!」

 

ごめんなさい、悪気はなかったんです。

 

「もういいです。私よりもドクターに謝って下さいね?」

 

はい。それはもう

 

「……所でその手に持っている本はどうしたんですか?」

 

これ?これは……

 

貴方が先程の事を話そうとした瞬間パタポンの書は光り輝き

 

「「かみさまー!」」

 

「よっ神様。新しい旅だって?宜しくな!」

 

夢で見たギョロ目と仮面が列を成して貴方の目の前に現れました

 

その瞬間カルデアに警報が鳴り響きドタドタとこちらに人が集まるのが分かります。そして隣の後輩は

 

「先輩!下がってください!」

 

既に貴方の前に立ち盾を構え臨戦態勢を取っています。

 

「……どうやら旅の初めは神様を解放する事からスタートみたいだな。どうするよメデン」

 

「決まっています。我らが神をお助けするのです!いきなさいヒーロー!」

 

メデンと呼ばれた巫女服を来たギョロ目の声に従ってヒーローは動き出す

 

「いよっしゃぁ!」

 

「─── ッ!戦闘、開始します!」

 




\(●)/パター!

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