そして新たにお気に入り、感想を下さった方々ありがとうございます!!
感想を書いていただければ必ず返信はしますので是非是非書いて下さい!!
「…と、ここまでで何か意見のある方はいらっしゃいますか?」
ホワイトボードに記録を取りながら僕が生徒会役員に聞いた。
「あの…
文月学園では教室に格差があって試験召喚戦争で勝てば設備を交換できるってありますが、この音ノ木坂でも同じことをするということなんでしょうか…?」
「いいえ。その点につきましてはお手元の計画書の6ページをご覧ください」
流石は雄二。
神童と呼ばれていただけあってこういうプレゼンテーションもバッチリだ…
会社とかでも普通に通用するレベルだ…
あ、ちなみに今の状況を説明すると、昨日会長…絢瀬先輩に呼び出されたときに雄二が生徒会役員を集めるように言ったよね。
そう、あれが布石だったんだよ。この会議を開くための。
この会議は試験召喚戦争をやる際に学力で生徒の上下格差が起きないようにするための対策を考える会議だよ。
「文月学園では試験召喚戦争は生徒の意思で自由に行えるものでした。
そしてクラスごとに同じ学力を持つ者通しで戦い続けました。
公平に見えるかもしれませんが…これは不公平なシステムなのです。」
「不公平…ですか?」
「はい。
例えば最低学力のFクラスが最高学力の集団であるAクラスに戦争を申し込んだとしましょう。
最低学力の集団と最高学力の集団の対決…これではAクラスが勝つのは必然的です」
「つまり勝負以前の問題だということね…」
「その通りです。
ですが音ノ木坂は学力でクラス分けをしている訳ではありません。
つまり公正で公平な戦争ができます。」
「ですがこの戦争の問題は行った後のクラス交換というシステムにこそ問題があります。」
秀吉が雄二に変わって言う。
流石にこの場ではじじい言葉を直して
いるようだ。
「教室を落とされた生徒は他のクラスから設備を奪おうと勉強をします。
ですがその勉強を自分のためではなく他クラスへの復讐のための力にするということは結局何のためになるのでしょう?
やがてクラスの仲は裂け、自然と学校全体の仲まで悪くしてしまうのです。
つまりこの試験召喚戦争を行うと生徒の差別、そして生徒同士のいがみ合いなどといった問題が生じます」
次は僕の番だね。
秀吉を下げて僕は前に出た。
「そこで我々はこの問題の解決策を用意しました。
計画書の9ページをご覧ください」
絢瀬先輩、東條先輩、そして役員がページを捲った。
「まずこの戦争で起きる差別についての対策です。
本来この戦争の目的は学力の向上とクラス設備の交換です。
ですがこれに対して音ノ木坂ではクラス設備の交換は行いません。
そして…」
「ちょっと待って。」
会長が席を立った。
雄二が予想してた質問だと思うけど…
「何でしょうか会長。」
「クラス設備の交換をしないって…
それじゃあ音ノ木坂では何のためにこの試験召喚戦争を行うの?」
やっぱりこの質問だね。
雄二の予想は当たるから助かるよ…
「それについても次のページに掲載してありますので説明致します。
戦争の目的としては文化祭などの行事の優先順位の獲得です」
「優先順位っていうと?」
「クラス同士が同じ出し物をしたい、同じ陣地を使って出し物をしたいというときに試験召喚戦争を使うということです。」
「つまりは行事でやりたいことの椅子取りゲームってこと?」
「はい。
更にこれはクラスの団結にも繋がります。
1つの行事のためにクラスが協力して学力を上げる。
これこそが試験召喚戦争の理想的な形なのではないでしょうか」
「けどそれでは試験召喚戦争を行う回数が少なくてこのシステムを取り入れる意味が…!!」
「えりち」
「…!!
ごめんなさい…」
東條先輩が絢瀬先輩を座らせた。
「いいんですよ。
それについても対策はあります。」
会長…絢瀬さんは本当にこの学校が好きなんだね。
だからここまで必死になれるのか…
さて、ここからの説明は康太に任せよう。
「・・・会長も言ったとおり、これだけしか行わないのでは試験召喚戦争を取り入れても世間からの注目は浴びられない。
・・・だから、もう1つ試験召喚戦争を行う場を用意する。
・・・三ヶ月に一度、学校行事として試験召喚大会を実施する」
「学校行事にすることでクラスの中での協調性も高まり、更なる学力の向上が見込めます。
年に4回も行えば世間からの注目も集められるでしょう」
「それと、試験召喚大会を勝ち抜いたクラスには何か景品を出します。
学食のデザート一週間無料券など…」
「以上が我々の計画ですが…
会長、ここまでで何か疑問はありますか?」
「い…いえ……ないけど……」
「うちもないわ。皆は何かある?」
どうやら何もない…のかな?
「なら決まりやね。
後で理事長に報告行かんとなえりち」
「えぇ。
この提案使わせて貰うわ。
四人ともありがとう」
これで任務完了だね。さて、終わりにしよう。
「いえ、こちらこそ。
お忙しい中、この会議にお集まり頂きありがとうございました。」
雄二がそう言うと僕たちは一礼して部屋を出た。
「えりち。」
「何?希。」
「新しい風。吹いたやろ?」
「…そうね。
けどこれ以上あの子たちに迷惑は掛けられないわ。」
「そうやね。
世話になってばっかなのはうちも気が収まらんわ。」
「……」
「でもな、えりち。
誰かを頼らなあかんときもあるんよ。」
「そうね…」
「明久。
これからお前はどうするんだ?」
「僕はまだ部活を見終わってないからそっちを見てから帰るよ。
先に帰ってて」
「そうか。分かった」
「・・・明久。
今日の夕飯は何だ?」
「そうだね…ビーフシチューなんてどうかな?」
「お!いいな!!
んじゃ今日は早めに帰ってこいよ!俺たちが飢え死にしちまうからな」
「はいはい。それじゃあとでね」
「う~ん…
やはり良い部活というのは中々見つからないな…」
運動部なんかは僕には無理だよね…
そう思いつつも僕は陸上部を見学していた。
『あ!見てあれ!
テスト生の男の子よ!!』
『陸上部に入るのかな!?
男の子って早いから直ぐレギュラー取られちゃうかも!!』
うぅ…周りの目が痛いよぉ…!!
「かよちーん!急ぐにゃー!!」
「ま…待ってよ凛ちゃん!」
まぁ僕には無理だよね…運動とか苦手だし…
あっ、でもFFF団から逃げてるときの僕の逃げ足の速さは誰にも負けない筈!!
「かよちん!
あの人テスト生の先輩にゃ!!」
「凛ちゃん指さしたら失礼だよっ!」
僕ってそんなに珍しいのかな…
それとも目障りだと思われてるのかな…?
「先輩も陸上部に入るのかにゃ?」
「ぬおっ!?」
びっくりした…
急に話しかけられるなんて…
「もう凛ちゃん!
ごめんなさい先輩…」
「だ…大丈夫だよ。
そんなに女の子に話しかけられたことないからびっくりしたなんてことないんだよ?」
「・・・凛たちはどうフォローすれば
いいのかにゃ~…」
「あ…あはは……」
下級生に笑われた!もう僕おうち帰る!!
「それで先輩は陸上部に入るのかにゃ?」
「ぼ…僕は運動神経悪いから…
前から陸上部ってカッコいいなとは思ってるんだけど…」
「残念だにゃ~…
凛の先輩になるかと思ったのに…」
「凛ちゃん、もう先輩だよ?」
「そ…そうだった!」
この子にとって僕は同学年として扱われていたらしい。
最初から僕は先輩としての威厳なんてなかったようだ。
「何かごめんなさい…先輩……」
「あはは…その…君も頑張ってね?」
「えっ?はい…?」
果たして伝わっただろうか。
この子のフォローをするのを頑張ってねと言ったことが…
「そろそろ行くにゃ~かよちん!!」
「う…うん!
さよなら先輩!!」
「うん、ばいばい……」
語尾に「にゃー」ってつける人は初めて見たなー……
廊下
「文化系の部活も全部見たし…
もう僕に合った部活はないのかな…」
と、そのときだった。
「あれ?この部屋…」
部室としては使用されているみたいだけど、部活紹介表にはこの部屋は書いてなかったな…何の部活なんだろ…
『そこにいるのは誰?
もしかして入部希望者!?』
部室の中からドアの前にいるのが分かったんだろうか。
勢いよく扉が開いた。
「入部希望者だったら事前……に…」
「えっ!?」
「…………」
「…………」
「「あぁぁぁーーーーー!!」」
顔を出した人物を僕は知っていた。
そう、あのときの僕の豚バラ肉を奪っていった女の子だった。
「「なんで貴方(アンタ)がここに!?」」
僕たちの声が重なった。
このとき僕はまだ知らなかった。
試験召喚戦争だけでは学校が救われていなかったこと。
そしてこの女の子との出会いが僕の人生を大きく変えることになることを…
次回はやっとにこちゃんですね。
その次の話で試験召喚戦争行けるかな…?
それとメッセージで
『試験召喚戦争やるのはいいけど
μ's結成してからライブはやるの?』
というメッセージを頂きました。
勿論やります!!
ライブと試験召喚戦争を両立させますよ!!
バカテス小説に革命起こしますよ!!
今回もありがとうございました!!