バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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遅れてすいませんでした!
今回で『やりたいことは』を終わらせたかったものですから…

新たに高評価、お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます!!
今回もよろしくお願いします!!


僕と会長とやりたいこと

「全然駄目じゃない!!

 このままだと本番はイチかバチかの

 賭けになるわよ!」

 

「昨日はちゃんと出来たのに~!!」

 

僕たちは会長にダンスの指導を頼み込んだ。

最初は仕方なくと受け入れてくれた会長だったけど高坂さんたちの強い思いが伝わったのか、今ではこうして全力で指導してくれるようになった。

 

「木下君、今までちゃんと柔軟の基礎は

 練習していたの?」

 

「いや、会長殿よ。

 ワシはダンスの指導はしていなかった

 のじゃが…

 過去の練習を見ていた所ではやって

 おらんかった」

 

「そう。

 じゃあ、そこの貴方」

 

「凛のこと?」

 

「足開いて手を前に出して」

 

「こう…?

 うぅっ!?痛いにゃぁぁぁぁ!!」

 

足を開いて手を前に出して後ろから

背中を押してもらうアレだ。

柔軟トレーニングに使うやつだね。

僕だったら絶対出来ないよ………

 

「何ボーっとしてるの?

 吉井君たちもやるのよ?」

 

「「「え………?」」」

 

「本来、練習を手伝うのはマネージャー

 の仕事でしょ?

 だったら手伝いが出来るように貴方

 たちが出来るようになることに

 越したことはないわ」

 

確かに僕たちは基本、練習を手伝ったりするのが本職の筈である。

今までPVの編集やら練習内容を記録したりドリンクを用意したりと…

マネージャーらしいことはやってきたものの、柔軟や身体力の練習を手伝うことはなかった。

確かに僕たちが出来るようになれば

練習する側である皆にもある程度の練習は付き合えるようになるだろう。

それに男であるのに手伝うだけで自分たちは何もしないっていうのもなんかね…

 

「木下先輩凄いです…!!」

 

「これくらいじゃったらワシも演劇で

 練習しておったからの。

 ……って西木野よ!!

 なぜそんなに強く押すのじゃ!?」

 

「男の子なのにっ…

 男の子なのに可愛くてダンスも

 できるとかっ…!!

 こうしてやるんだから…!」

 

流石は秀吉。

これくらい動作もないよね。

演劇で結構体使ってたし。

西木野さんが女の子なのに敗北感を感じるのも無理ないか…

 

「土屋君も体柔らかいね」

 

「……これくらい必須スキル」

 

まぁ康太も俊敏な動きをするのが得意だから身体能力も高いんだよね。

康太の動きの凄さは原作の三巻やアニメの隠密行動を見てみよう!!

 

「さて、次は吉井君だけど………」

 

「はっはっは、会長。

 僕をあまり見くびらないでくださいよ。

 これでも生徒会の影の右腕……

 これくらいどうってこと…………」

 

 

 

 

 

 

 

[数分後]

 

「それで………?

 影の右腕がなんじゃったかのう?」

 

「強がってましたすいませんでした」

 

結果、この中で一番僕が体が固いことが分かりました。

秀吉に後ろから押してもらった瞬間に悲鳴をあげた僕。

 

「康太、なんでこんな情けない姿の

 僕を撮ってるの……?」

 

「……記念に一枚」

 

「何の記念!?

 屈辱の記念なのかい!?」

 

康太のカメラには半ベソを掻き、バキッと音をたてた背骨を海老逸りにして骨を元の状態に戻している僕がいた。

後日、この写真が極秘ルートで出回っていたのは別の話。

ちなみ写真の題名は『エビ久くん』。

 

「ここまで基礎が出来てないなんて…

 よくここまで来られたわね…」

 

「すいません」

 

会長に頭が上がらない一同。

ってよりこれは僕だけの問題じゃない…?

今日から柔軟の練習をしよう…

 

「この様子だと筋力トレーニングも

 やり直した方がよさそうね…」

 

「筋力なら僕たちは問題ないけど…

 他の皆は……」

 

「言葉にするよりやる方が早いわ。

 ほら、やって!!」

 

そして言われたトレーニングが

片足立ちして重心を前に出すやつ。

筋力だけじゃなくてバランスも要求されるという簡単に見えて結構難しいトレーニングだね。

 

「ラストもう1セット!!」

 

「明久よ……

 そろそろ限界なのではないか…!?」

 

「秀吉こそ……!!

 足が震えてるじゃないか…!」

 

「……何の勝負だ」

 

秀吉が男を賭けた勝負!

とか本気になったので付き合った結果

これです。

さりげなく僕たちは限界が近づいていたけど……

 

「康太はさっきから全く動いてないけど

 どうなってるの……!?」

 

「……これくらいは出来る。

 ……心を無にするのがコツ」

 

結果、真の男は康太でした……

お宝写真を手に入れる為に得たその体力、恐るべし!!

 

「あっ…うわあぁっ!!」

 

「かよちん!!

 かよちん大丈夫!?」

 

「ごめん、凛ちゃん…大丈夫だよ…」

 

小泉さんがバランスを崩して倒れてしまったようだ。

体力には自信がないって言ってたけど…

大丈夫かな……?

無理してないといいけど……

 

「もういいわ。

 今日はここまでにしましょう」

 

「ですが、まだ練習の途中……」

 

「闇雲に続けてもいい結果は出ないわ。

 私はそう判断したまで。

 少しは自分たちの実力が分かった

 でしょう?」

 

「そんなのやってみないと…!!」

 

「やめるのじゃ西木野。

 ワシも会長殿の意見は一理ある」

 

「うっ……」

 

西木野さんを止める秀吉。

 

「今度のオープンキャンパスは貴方

 たちが今までやってきたステージ

 とは違う。

 学校の存続が懸かってるの。

 もし無理そうなら言って。

 時間が惜しいから……」

 

「待ってください!!」

 

帰ろうとした会長を止める高坂さん。

会長は足を止めた。

 

「ありがとうございました!!

 明日もよろしくお願いします!!」

 

『お願いします!!』

 

他の皆も高坂さんに続いて言った。

会長はドアの前で再び足を止めた。

 

「明日までに柔軟と筋力トレーニングを

 各自で練習しておくように」

 

『はい!!』

 

僕たちに一つの課題を出すと帰ってしまった。

 

その日、僕や皆が家で死ぬ気で課題を

こなしていたのは言うまでもない…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【バカテスト 化学】

 

科学者レントゲンによって発見された

目には見えない光をなんと言うか答えなさい

 

 

[園田海未の答え]

『放射線』

 

[坂本雄二のコメント]

正解だ。

放射線、は1895年に発見され、

発見したレントゲンによってエックス線と名付けられたそうだ。

知っていると思うがエックス線は医療機器に使われていたりもする。

 

 

[吉井明久の答え]

『目に見えない光などない。

 どんな虚無の世界の中でも必ず光は

 見つかる(キリッ)』

 

[坂本雄二のコメント]

なんなんだこの暑苦しい言葉は………

どこぞの松○修造かよ!!

真面目に考えろ!!

 

 

[土屋康太の答え]

『(レントゲンが発見したという目には見えない光で答えを書いてます)』

 

[坂本雄二のコメント]

光で答えを書けるかッ!!

お前ら二人共、次のバカテスコーナーまで補習決定!!

次のバカテスコーナーは後書きを見てくれ。

そんじゃ、本編の続きに入るぞ。

……って明久!!逃げんな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「話が進まないじゃないか…

 くそっ…雄二…いや、作者の野郎…!

 僕をこんな目に合わせやがって…!!」

 

「吉井君?」

 

「副会長…………

 何してるんですか?

 もう部活は終わりの時間ですよ?」

 

副会長は生徒会室から出てきたのだろうか、手には何らかの資料を持っていた。

 

「今日は生徒会はないですよね…?

 あっ!

 もしかして僕が忘れてただけだとか…」

 

「ううん。

 先週までに終わらせる筈だった資料が

 まだ終わってないんよ。」

 

「先週って……

 会長に指導を頼んだ日からって

 ことですか…!?

 ごめんなさい!!

 僕たちが勝手にお願いになんて

 いったせいで……」

 

「落ち着いて…」

 

「すいません………」

 

最近、やたら謝る癖がついていると

副会長に言われたっけ……

すいませんって言ってすいません……

……重症だ、こりゃ…

 

「吉井君はえりちにそっくりやね…」

 

「僕がですか?

 いやいやいや…

 そんなの会長に失礼すぎますよ…

 いくら会長がおっちょこちょいな所が

 あるからって僕ほどじゃあ……」

 

「え………?」

 

あれ……?

何で副会長は驚いたような顔をしてるのかな…?

 

「……君はちゃんと見てくれてるんやね…

 上部だけじゃなくて…全部…

 よかったなぁ……えりち…」

 

え?

それってどうゆうこと……?

多分僕、今までで一番マヌケな顔になってる……

 

「いや、上部もなにも人は見かけだけ

 じゃないっていいますし…

 何も知らずに相手を判断するのは…」

 

「そういうことやないよ。

 けど、アドバイスや、吉井君。

 誰かのためだけやなくて自分が

 やりたいことも見つけなあかん。

 吉井君やえりちみたいなタイプは…ね」

 

「……肝に命じておきます」

 

「うん」

 

副会長はそれだけ言うとその日は去っていってしまった。

その日はなぜそんなことをアドバイスされたのか分からないままだったが

次の日、それを知ることとなった。

 

 

 

 

 

 

[次の日]

 

朝、いつも通りの練習……

というわけにもいかず、前回会長に出された課題をこなすのに必死だった。

 

「先輩、少しは体柔らかくなったかにゃ?」

 

「……頑張ったんだよ?

 けどね、一日じゃ駄目なこともあると

 思うんだ……」

 

「凛は結構出来るようになったよ!

 頑張ったから体痛いにゃ~…」

 

……僕、すごくかっこ悪い。

後輩にいい所を見せられないッ!!

 

「あれ………?会長は……?」

 

「まだ来ておらんようじゃな。

 何かあったんじゃろうか………」

 

秀吉がそう言ったときだった。

 

「ちょ…ちょっと!!

 押さないでよ……」

 

「覗き見なんてしてるからです!」

 

西木野さんが会長を連れてきた。

どうやらドアから皆を覗いていたようだ。

 

「貴方たち………辛くないの?

 昨日同じことをやって…

 今日また同じことをするのよ…?

 上手くなるかも分からないのに

 どうしてそんな繰り返しができるの…?」

 

「やりたいからです!!」

 

会長の問いに高坂さんが迷わずに答える。

会長はわけが分からないといった顔をしていた。

 

「確かに練習は辛いです。

 身体中痛いです。

 けど、廃校を阻止したいという

 気持ちは生徒会長にも負けません!」

 

「そんなことを……

 何でやりたいのよ……」

 

あまり聞こえなかったが、確かに会長はそんなことを言ったように見えた。

 

「……っ!!」

 

「あっ!!会長!!」

 

「あ…明久!!どこへ行く!?」

 

会長はドアを開けて出ていってしまった。

康太の声に振り向く暇もなく、僕は会長を追いかけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やりたいことなんて…そんなの…

 分からないわよ……」

 

「本当にそう思う?」

 

「希…………

 どうして…今日は生徒会は………」

 

「えりち……

 ウチはえりちとずっと一緒におったよ。

 だからえりちの大抵のことは分かる。

 ……けど、今のえりちが何を迷って

 るのか、ウチには分からん。

 どうしてやりたいことが分かってる

 のに目を背けるの…?」

 

「な…何のことを言って……」

 

「えりち、そろそろえりちは自分のために…

 ううん、自分がやりたいことを

 やってもええと思うんよ。

 えりちは本当に自分がやりたいから

 学校を守ろうとしてるの?

 それとも生徒会長だからって他の皆

 のためにやってるの?」

 

「私は自分の学校が無くなるのが嫌で…!」

 

「本当に自分のためなら自分を傷つける

 ようなことはしない筈や!!

 自分が勉強で赤点をとってしまう

 まで時間を使って…自分が倒れそう

 になるまで仕事を頑張って……」

 

「やめて!!」

 

「っ!?」

 

「私だって好きなことだけやって

 それだけでこの状況がなんとか

 なるんだったらそうしたいわよ!!

 けど今はそんなことを言ってる場合

 じゃない!!

 もう……時間がないのよ……」

 

「そんなの…!!」

 

「気づくのが遅かったのよ……

 私が今更アイドルをやりたかった

 なんて…!!」

 

「あっ!!えりち!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長…一体どこに……

 あっ…副会長!!」

 

「吉井君……えりちを探してるん?」

 

「はい………」

 

追いかけたというのに途中で見失い、

片っ端から走り回ってここまでたどり着いた僕。

 

「えりちなら教室や。

 ウチも深追いしすぎたんや……」

 

「……僕は行きますから」

 

「待って!吉井君!!」

 

「何ですか?」

 

「えりちの話を聞いてあげて…

 何を迷ってるのか…どうしたいのか…」

 

「…………」

 

ここはYesと答えるべきなんだろう。

けど今の僕は違っていた。

最初から気持ちは決まっていた。

 

「ごめんなさい、頼まれてやること

 じゃないので」

 

「そう……そうやったね………

 ごめんね…」

 

「僕こそ、ご期待に添えられずに…

 すいません」

 

僕は会長の元へと急いだ。

頼まれたからじゃない。

最初から決まっていた自分の意思で。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「会長」

 

「え…?吉井君?どうして……」

 

僕は教室に入った。

会長は確かにそこにいた。

 

「会長、皆待ってます。

 戻りましょう…?」

 

「もう無理よ………

 間に合わないもの………」

 

「間に合わない……?」

 

「全部!!

 全部遅かったのよ…!

 やりたかったことに気づくのが…

 そもそもやりたいことって何?

 相手のためと自分のためにやること

 のどこが違うの…!?

 ねぇ、教えてよ吉井君!!」

 

「会長………」

 

普段の会長からは予想もつかない行動に驚く僕。

涙目で押し込めていた感情が爆発したかのように必死に訴えかけてくる会長。

やっと本音を話してくれたんだと実感できた瞬間だった。

 

 

 

「……やっぱり会長は凄いです」

 

「え……?

 凄いって何が…………」

 

「会長の言ってることってつまりは

 他人のためにやることも自分のため

 にやることと同じと思えるってこと

 じゃないですか」

 

「私はそんな善人じゃないわ…」

 

頭を抱え首を横に振る会長。

 

「けど、その優しさが裏目に出て

 会長はいつも他人のために頑張り

 すぎてしまう。

 会長は本当にそれだけでいいんですか?

 誰かのためだけに頑張って、

 自分のことはどうでもいいなんて…

 そんなの悲しいじゃないですか……」

 

「けど……

 私は分からないのよ……

 自分が何をしたいのか………」

 

「会長はもう気づいてる筈ですよ?

 さっきも言ってたじゃないですか。

 やりたかったことに気づくのが

 遅かったって」

 

「まだ曖昧なのよ…?

 本当にやりたいことかどうか

 分かってないのよ?

 言ってしまえば興味本意みたいな

 もので……」

 

「僕もアイドル研究部に入ったときは

 そんな気持ちでした。

 興味本意で楽しそうだとかもっと

 知りたいとかそんな気持ちでした。

 でも、今は自信を持って言えます。

 これが僕にとってのやりたいこと

 だったんだって」

 

アイドル研究部に入ってからは毎日が楽しい。

これが本当にやりたいことだったと

気づいたのはいつからだったかな…

 

「本当にやりたいことっていうのは

 やってみて初めて気づくものなんじゃ

 ないでしょうか…?」

 

「吉井君………」

 

副会長はさっきこう言っていた。

僕と会長は似ていると。

その意味が少しだけ分かった気がする。

僕たちは他人のために一生懸命になりすぎる…

お節介っていうのかな。

本当なら僕が会長の悩みに首を突っ込むのなんて必要ないと思う。

他人を助けてるなんて事故満足の気持ちは偽善と呼ばれても致し方ない行為だろうけど放っておくのは許せない。

会長もそうなんだろう。

最も会長のそれは僕の偽善と呼ばれる行為とは全く違う善そのものなんだろうけど。

 

「もし本当に会長がやりたいことが

 見つからないっていうなら僕が一緒

 に探します。

 やりたいことへ進みたいって言うの

 なら一緒に進みます」

 

「……まだ間に合うかしら」

 

「始まりはいつでも遅くないですよ。

 ………ほら」

 

「あ………」

 

会長が後ろを振り向くとそこには

μ'sの皆と副会長がいた。

 

「貴方たち…………どうして…」

 

「生徒会長。

 いや、絵里先輩。

 μ'sに入ってください!!」

 

高坂さんは会長に手を伸ばした。

 

「全く…

 やりたいなら最初からそう言いな

 さいよね…」

 

「先輩が言えたことじゃないですよ?

 先輩のときの僕の苦労を忘れてませ

 んよね?」

 

あのときは本当に大変だったんですよ?

先輩素直じゃないから……

 

「けど私は………」

 

「さっきの話、聞いてました。

 絵里先輩の気持ちも…………」

 

「えりちのやりたいことはここから

 始まるんやない?

 やりたいことがどうか確かめるために。

 さっき吉井君の言ってたことや」

 

「希………そうね。

 私も…確かめたい。

 この気持ちが何なのか……」

 

「絵里先輩…!!」

 

会長は高坂さんの手を握った。

会長のやりたいことがやっと始まった。

 

「これで8人…だね!」

 

「いや、9人や。ウチもいれて」

 

「えっ?希先輩も?」

 

「ふふっ…占いで出てたんよ。

 このグループは9人になったとき、

 道が拓けるって。

 だから付けたんよ。

 9人の歌の女神、μ'sって名前を」

 

「えぇっ!?

 じゃああの名前を付けてくれたのって

 希先輩だったんですか!?」

 

「ふふっ…そうや」

 

前から誰がグループの名前を付けてくれたのか高坂さんたちとは話していたけど…

副会長だったのか…

 

「希……

 全く、呆れるわ……ふふっ…」

 

「えりちも相変わらず、やよ♪」

 

「もう……

 それじゃあ、行きましょうか」

 

「えっ?行くってどこにですか?」

 

「決まってるでしょ?

 練習よ!」

 

これが9人の歌の女神、μ'sがようやく揃った瞬間だった。

そして僕たちも4人のマネージャーも

揃おうとしていた。

 

 

 

 

 

 

「……それで?

 何で俺はここに呼ばれたんだ?」

 

「坂本君なら体力作りの指導は適格

 だと思ったの。

 忙しいのは分かってるけど…

 お願い!!」

 

「いや南、それだったら俺じゃなくても

 秀吉が………」

 

「ワシは運動専門ではないぞい。

 それにワシには歌唱練習という

 本職がある。

 複職は勘弁じゃ」

 

「なるほどな……

 なら明久、お前なら……」

 

「足が!!足が痛いぃぃぃッ!!

 雄二!!僕は動けない……

 あとは任せ………た……」

 

「なむなむなむ…なのじゃ(チーン)」

 

「秀吉、チーンとか鳴らすな。

 まだ生きてるから…

 くそ…この野郎……

 なら康太の異常な運動力で………」

 

「……無駄な体力は使いたくない」

 

「ナンテコッタイ」

 

「という訳で、体力作りのコーチは

 坂本君に決定しました~!

 拍手~!」

 

「という訳で、じゃねぇよ!!

 お前、俺が人に何かを教えるの

 下手だって知ってるだろ!!」

 

「うん。知ってるよ。

 それでも一生懸命教えてくれるって

 ことも」

 

「……………分かったよ。

 但し、やるからには俺の教え方で

 やるからな?

 辞めとくなら今のうちだぜ?」

 

「辞めないよ?

 私たちが頼んだことだもん」

 

「…………そうかよ。

 じゃあまずグラウンド5周だ」

 

『え…………?』

 

μ'sの皆の声が重なった。

 

「まずはウォーミングアップだ。

 ペースは気にしなくていい。

 但し歩くのだけは禁止な。

 あと終わったあとは絶対足を冷やすなよ。

 肉離れ起こすからな。

 明久、お前はドリンクの準備頼むわ。

 スポーツドリンクを薄めたやつな。」

 

「わ…分かったよ雄二」

 

あれ?

雄二もしかして営業スイッチ入ってます?

 

「康太、秀吉。

 時間あるなら全員のタイムを記録

 しておいてくれ。

 ペースを気にしないで走って自然に

 ペースがどれだけ変わってるかで

 体力が着いたか分かるからな」

 

「……御意」

 

「分かったのじゃ」

 

「そんじゃ、おっ始めるとするか!」

 

こうして雄二が臨時コーチになりました。

一応臨時ということで部員ではないけどね。

 

それから二週間後、オープンキャンパスにて、9人の女神と僕たち4人にとってのスタートの曲になる

『僕らのLIVE 君とのLIFE』は大成功になった。

 

ライブの終わりの間際、会長から

こんなことを言われた。

『一緒に歩いてくれてありがとう』と。

そのときの会長はようやく何かをやり遂げたというような清々しい顔だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[文月学園]

 

「ねぇ、優子……

 この資料は……?」

 

「代表…

 確かそれは音ノ木坂との

 学力合同強化合宿の資料だと思う

 けど………」

 

「これ、生徒会の印鑑が押されてない…」

 

「えっ!?

 私、またやらかしてる!!

 こんなとき秀吉がいれば……」

 

「また優子は~。

 いくら吉井君のことで頭がいっぱい

 になってるからってそれは駄目だよ?」

 

「そ、そ、そ、そんなんじゃないから!!

 愛子こそ、土屋君に会えるのが

 嬉しい癖に!!」

 

「まぁね~。

 久しぶりに保険体育でまともに勝負

 できる人と会えるからね」

 

「久保も楽しみ……?」

 

「ははは、代表。

 僕は何よりも吉井君…

 じゃなくて他校の生徒と学力を

 伸ばせるということが何よりの

 楽しみで…」

 

「「「じ~っ…………」」」

 

「な…なんでもない!!

 とにかくこの仕事を終わらせよう!

 僕たちは生徒会なんだから…」

 

「そうね、けどその前に……

 あのバカクラスが何もしないわけ

 ないわよね……」

 

「あぁ…それって覗きとか!?」

 

「愛子はなんで楽しそうなのよ…

 この生徒会も個性派揃いなものね……」

 

「えへへ~…

 頑張ってね、生徒会長さん?」

 

「優子でいいわよ……

 会長なんて堅苦しいわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[文月学園Fクラス]

 

「なるほど……

 では計画の時刻は予定通りに……」

 

「あぁ。

 それとこの計画は他クラス男子も

 協力してくれるそうだ」

 

「流石は同士たち!!

 我らFFF団の名にかけて…!!」

 

『女神たちの桃源郷を覗く!!』

 

……恐ろしい計画が動きだそうとしていた

 




バカテスト【美術】
この写真を見ての感想を書きなさい。
(撮影:ムッツリたろー)


木下秀吉の答え
『何だかこの写真の人物がワシの
 友人に似ている件について』

写真の撮影者のコメント
………気のせいです


園田海未の答え
『写真に写っている人物はエビ逸りの
 ような体型で写っており、少し瞳に
 涙を浮かばせている辺りもポイントが高いです。
 涙目の彼を見ていると何やら新たな
 何かに目覚めそうな気が……』

坂本雄二のコメント
くそっ!!誰だこんな問題をテストに載せやがった奴は!!
美術にテストなんてねぇだろ!!
題名は……『エビ久くん』だぁ…?
いや、誰が載せたかは分かっている!!
康太!!出てこい!!

吉井明久のコメント
園田さん、僕は信じているよ?
君があんな誰得なのか分からない写真を買った人物じゃないってことを。






……もはやテストですらない。
次回、急展開として学力強化合宿です!!
奴等の影が女神たちに忍びよる!!
女神を守れ、我らがバカ四天王!!



今回もありがとうございました!!

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