バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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ようやく投稿できましたね。
今回は『エリーチカ』の辺りですね。
そして最近は出来るだけ地の文を増やしています。
そのため執筆にも時間が掛かってしまい申し訳ありません。
そこらへんが精進できるようこれからも頑張っていきます。

新たにお気に入り登録、感想をくださった皆様ありがとうございます!!

では今回もどうぞ!


僕とμ'sとラブライブ

「た…助けて………!」

 

「「「「………はい?」」」」

 

それは突然やってきた。

放課後、僕たち三人は次の期末試験に向けて雄二に勉強を教わっていた。

その最中、突然勢いよく教室のドアが開いて誰かが入ってきた。

入ってきたのは小泉さんだった。

男4人しかいない教室でいきなり助けてと言われてもどうすればいいのか分からない僕たちは固まった。

 

「お…落ち着け小泉よ。

 一体何があったというのじゃ…?」

 

「助けて…じゃなくて……

 大変なんです!!」

 

どうやら『助けて』ではなくて『大変』と言いたかったらしく僕たちはひとまず安心した。

てっきり本当に何かあったのかと思ったからね…

 

「ラブライブです!

 ラブライブが開催されることに

 なりました!」

 

「ラブライブだって!?」

 

「ラブライブだぁ?

 明久、お前知ってるのか?

 俺たちには全く話が分からんのだが…」

 

「簡単に言えばスクールアイドルの

 甲子園だよ。

 けど今年は例年よりも早いな…」

 

スクールアイドルの祭典、ラブライブ。

スクールアイドルなら誰もが憧れる夢のステージだ。

いや、スクールアイドルを知る者なら誰もが一度は目にしたいステージだろう。

スクールアイドルランキングの上位数組だけが出場できるという参加条件があり、ランキングが日々変わりつつある日常の中でも既に選別が行われているといっても過言ではない。

それだけ出場には実力が必要だ。

 

「とにかく私はこのことを穂乃果さん

 たちにも伝えます!

 先輩たちも部室に!」

 

「わ…分かったよ……

 それじゃあ後で…ってもういない…」

 

小泉さんは再び部室に向かって走っていった。

何事もなかったかのように去っていく

小泉さんを見て僕たちは再び固まる。

 

「………キャラ崩壊」

 

「小泉はアイドルのことになると

 目の色が変わるのぅ」

 

「そこはお前と同じだろ。

 お前の場合存外あれよりも崩壊して

 るかもな」

 

言われてみればそうかもしれない。

秀吉と小泉さんは似ているのかもしれない。

好きなことになると目の色が変わるなんてところが特に……

 

 

 

 

 

 

 

「チケットはいつから販売でしょう…?

 初回特典は……?」

 

「キャラ変わりすぎ…」

 

「凛はこんなかよちんも大好きだよ!」

 

場所変わってアイドル研究部部室。

μ'sの皆も交えてラブライブの話題が

上がっていた。

小泉さんは部室にあるPCでラブライブの特設サイトを開いている。

いつも通りのゆる~い時間が流れていく。

 

「なぁ、明久…

 こんなゆる~い雰囲気の部活で

 大丈夫なのか…?」

 

「み…皆、練習のときになると全然

 雰囲気変わるんだよ!?

 すっごく真剣になるんだよ!?」

 

まずい。

あまりにものほほんとした雰囲気のせいで誤解を受けている…!

このままだと某放課後なんたらに…

 

「今のランキングから上位20組となると…

 一位のA-RISEは当然出場として…

 はぁ…今から待ち遠しいです…」

 

「花陽ちゃん、見に行くの?」

 

高坂さんが聞いたその瞬間、小泉さんの目が光る。

それはもう獲物を狩る獅子の……

いや、小泉さんには合わない表現かな…

分かりやすく表現するとアイドルが

関係したときの先輩かな…

 

「当たり前です!!

 ラブライブはスクールアイドル…

 いや、アイドル史に残る一大イベント!

 たとえ行くなと言われても私は…!!」

 

「なんだ~…

 私てっきり出場目指して頑張ろうって

 言うのかと思ったぁ~…」

 

「そ…そんな!!

 私たちが出場するなんて恐れ多いです!

 今の私たちでは上位20組に入る

 ことすら………」

 

「……そうでもない」

 

「うわぁっ!?土屋先輩!?」

 

「……ここを見てほしい」

 

小泉さんの後ろから前触れもなく現れた

康太が小泉さんが使っていたPCを

操作してスクールアイドルのランキングのページを見せた。

 

「あ!!

 穂乃果さん!これ!!」

 

「えっ?どれどれ……

 あぁっ!順位が上がってる!」

 

「嘘っ!?」

 

高坂さんが声を上げるとそれまでPCに興味を示さなかった西木野さんもPCに目を通した。

 

「急上昇のピックアップランキングにも

 選ばれてるよ!凄いよ!」

 

「お…落ち着きなさいことり……!

 これは夢ではないですよね!?

 そうだと言ってください明久!!」

 

「め…目が回るよ園田さん………」

 

両肩を揺すられまくって目が回ってるんだけど…

あぁ…!目がぁっ!目がぁぁぁぁ!!

 

「ほお~。

 本当に雰囲気変わるモンなんだな…」

 

さっきまで誤解していた雄二がランキングページにあるライブの映像を見て言う。

 

「これからのsome day………

 この前撮ったやつだよね?

 凄いや、たった数日でこんなに沢山の

 人が見てくれてるんだね!」

 

「流石土屋先輩!

 改めて見るとよく撮れてるにゃ~」

 

「……俺はただ普通に撮っただけだ」

 

康太はライブの動画を綺麗に撮るけど

絶対に手を加えたり、補正したりはしない。

そのままの美しさだけを撮す。

それが康太のポリシーだそうだ。

 

「ううっ…

 自分の教え子がこんなに輝くとは…

 ワシは嬉しいぞい……!!」

 

「なに泣いてるんですか…

 何だか先輩おじさんみたいですよ」

 

「じじいで結構!!

 男と見られておればよい!」

 

西木野さんに指摘される秀吉。

まぁあれだけ真剣にレッスンしてたもんね秀吉…

自分の教えが役にたって嬉しいんだろう。

 

「はぁ……このせいだったのね…」

 

「え?真姫ちゃん、このせいって?」

 

「この間、校門の前で私のことを

 知ってる人がいて…

 何なのかと思ったら写真を撮って

 くれって言われたの。

 どこで知ったのかと思ったら

 こういうことだったのね…」

 

「ま…真姫ちゃん!

 それって出待ちだよ!」

 

「嘘!?

 私、全然ないよ!?」

 

「そういうこともあります!

 アイドルというのは残酷な格差社会

 でもありますから…」

 

出待ちまでされてるなんて…

段々μ'sが認められてきたってことだね…

あれ…?僕も目から涙が……

 

「皆!!

 聞きなさい!

 ビッグニュースよ!!」

 

「あ、先輩……」

 

部室のドアを開けて我らが部長(w)ことにこ先輩が入ってきた。

誰かいないな~と思っていたら先輩が

いなかったんだ……

 

「ビッグニュースですか?」

 

「そう!!

 遂に今年の夏、開催されることに

 なったのよ!

 スクールアイドルの祭典……」

 

「………ラブライブですか?」

 

「………知ってたの?」

 

「つい今その話を……」

 

先輩の情報網を越えた小泉さんの情報網、やばいね。

流石はアイドル好き。

僕もそろそろにわかレベルから精進しないとね…

 

「たった今ラブライブを目指すかって

 ことで話をしてたんです。

 ランキングもこの調子でいけば…」

 

「嘘!?

 ちょっと見せなさい!!」

 

先輩はすぐさまPCに駆け寄り順位を

チェックした。

そして何故か固まる。

 

「先輩?」

 

「………夢じゃないわよね?」

 

「似たような下りを園田さんとした

 ような気がしますが夢じゃないですよ。

 それとラブライブに出るかってこと

 ですけど___」

 

「出るに決まってるでしょ!!

 折角ここまで来たのよ!?」

 

「ですよね~……」

 

先輩だけでなく皆もそう思っているだろう。

全国中継されるラブライブ。

それに出場できれば学校の名前を知ってもらうことができる。

つまり学校を廃校から救うことができるかもしれない。

勿論そのためだけにやるわけではない

けど本来の目的を達成できる。

 

「ちょっと待つのじゃ。

 ラブライブにエントリーするのは

 良いが規約には学校から許可を取る

 ことと記されておる。

 それはつまりじゃが………」

 

「部の要望を通す。

 ということになりますね…

 出場するには生徒会を通して理事長

 から許可を取らなくてはなりません…」

 

「生徒会ってことは…」

 

「生徒会長から許可をとるってこと…?」

 

生徒会長。

つまり絢瀬会長から許可を取らなくてはならない。

けど…

 

「どう考えても答えは見えているわ。

 無理に決まってる。

 別の手段で理事長から許可を取るしか…」

 

「だよね…

 けど今度は絶対生徒を集められると

 思うんだけど…」

 

西木野さんは無理だということを想定していた。

いや、ここにいる皆がそう考えたかも

しれない。

確かに高坂さんの言う通りラブライブに出場できればより多くの人に学校を知って貰えるし、生徒を集めることもできるだろう。

最もそれは出場出来ればの話になって

しまうが。

 

「そんなのあの生徒会長には関係

 ないでしょ。

 私らのこと目の敵にしているんだから…」

 

「そういうわけじゃないと思うんだ

 けどな…」

 

「明久、アンタの力でどうにか

 ならないの?

 あの生徒会長を口説くとか…」

 

「しませんよ!!

 それにそれ逆効果じゃないですか…」

 

「そうでもないから困るんだよな…」

 

「どういうことさ雄二?」

 

「その鈍感が直らん限り理解できねー

 だろうな」

 

雄二の言っていることが全く理解できないので放っておくとしよう。

っていうかこの方法は絶対使わない。

使いたくない。

 

「もういっそ許可なんて取らなくても

 勝手にエントリーしてもいいんじゃない?」

 

「それは無理じゃろうな。

 規約である以上、無論学校にも

 確認を取る筈じゃ」

 

「……不正失格もあり得る」

 

「うぅっ……」

 

西木野さんの意見も秀吉と康太に

バッサリ切り捨てられた。

さすがに勝手にエントリーするのは気が退けるよね…

 

「じゃあ、どうすんのよ…

 これじゃあ出場以前の問題じゃない…」

 

先輩はため息を尽きながら言う。

けど確かにこのままでは出場はおろか、エントリーすることさえ出来ない。

 

「ちょっと待ってください。

 部の要望って生徒会を通してから

 理事長に許可を貰うってことですよね…?」

 

「その筈ですが……」

 

「なら許可を下すのは生徒会長では

 ない筈です。

 他の生徒会の人を通せば…!」

 

「確かに………

 それなら問題はないかもしれません」

 

ん?何だろう。

何故か嫌な予感が漂い始めたぞ…

 

「でもかよちん、生徒会の人なんて

 凛は知り合いに………あ。」

 

「知り合いに……ですか」

 

「知り合いってことは……」

 

「あれ…?

 何で皆僕の方を見ているのかな?」

 

今話を聞いている限りだと理事長に話を通す役割ってまさかとは思うけど…

 

「明久!!

 マネージャーのアンタの出番よ!!」

 

「やっぱり僕なんですか!?

 それにこれはマネージャー関係ない

 ですよね!?」

 

「こんなこと頼めるのは先輩だけにゃ!

 凛知ってるよ!

 先輩よく生徒会の仕事でよく理事長

 室に入ってること!」

 

「ってことは理事長にも申請しやすい

 よね?」

 

「どうして知ってるの!?

 それが一番気になるんだけど!?

 それに生徒会ってだけなら雄二たち

 だって対象に既にいねぇぇぇぇぇぇッ!?」

 

振り向いた先には三人の姿は無かった…

くそっ!!こうなったら今晩の夕飯は

三人が嫌いなものにしてやる!!

 

「大丈夫です!

 明久ならきっと出来ます。

 貴方は四人の中で一番生徒会らしい

 人ですから…」

 

「お願い園田さん。

 目を見て言ってくれないかな…?」

 

「目を見てですか!?

 それは恥ずかしいのですが…///」

 

絶対心にも思ってないよね…

確かに生徒会らしくはないかもしれないけど……

もはや引き受けられる自信がなくなるよ…

 

「せ…先輩っ」

 

「な…何かな小泉さん……?」

 

何故か僕の両手を握ってきて目を見つめてくる小泉さん。

一体何を……

 

「お…お願いっ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ……

 どうして引き受けてしまったんだろう…」

 

小泉さんの上目使い攻撃を受けてから

何故か何も覚えていない。

気がついたら理事長室の前にいました。

小泉さん…なんて恐ろしい子!!

 

「とりあえず有言実行しよう…

 そう、理事長にこの申請書を出すだけ

 じゃないか…

 大丈夫…大丈夫………」

 

僕は理事長室のドアノブに手を掛けた。

すると僕が開けた訳でもないのに扉が開いた。

 

「あら、吉井君…

 放課後に来るなんてどうしたの?」

 

「か…会長!?

 どうしてここに………」

 

ドアを開けたのは絢瀬会長だった。

よりによってこんなときに…

僕の運の悪さは知ってたけどここまでとは…!

 

「よ…吉井君?大丈夫?

 何だか顔色が悪いようだけれど…」

 

「だ…大丈夫れすよ!?

 僕の顔なんていつもこんなですよ!!」

 

「そんなことないわ。

 いつもはもっと顔色が……

 あっ!もしかしてこの間頼んだ仕事が

 多すぎたとか…」

 

「あ、いやあれはもう終わってます。

 あのくらいの量なら大丈夫ですよ?

 かく言う会長も凄い量の資料持って

 ますけど…」

 

「えぇ…オープンキャンパスのときの

 資料よ。

 もうあまり時間がないものね…

 吉井君の持ってるそれは………?」

 

「え"っ!?

 これはですねそのなんといいますか…」

 

「ど…どうして隠すの……?

 それくらいの資料なら私が片付けて

 おくけど…」

 

「こ…これは資料ではないんです!

 これはとある部活の要望書で……」

 

「要望書?

 だったら私がやらなきゃいけない仕事

 なのだけれど…」

 

「い…いえ!!

 会長の手を煩わせてしまっては

 生徒会役員としての役割が…」

 

「吉井君」

 

「は………はい」

 

「何か隠してるでしょ?」

 

「ベツニナニモ」

 

「嘘ね。

 妻は夫の隠し事は人目で分かるのよ?」

 

「理屈が違いますよ!!

 妻?夫?何のことですか!?」

 

「えいっ」

 

「あっ!!それは…!!」

 

会長は僕から取った要望書を見る。

会長の表情が一気に険しい顔になる。

 

「か…会長……これはですね……」

 

「ふ~ん…

 これを隠してたんだ…」

 

「あ…えと…………」

 

「はぁ…

 とりあえず理事長に出して来たら?」

 

「え…?

 いいんですか……?」

 

「私が止める権利はないし…

 それにもう理事長帰っちゃうわよ?」

 

「は…はい!!」

 

何が起こったのか分からないような気分でとりあえず僕は理事長室に入ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「申請は通ったの?」

 

「会長…

 はい。とりあえず通りました。

 条件付きでしたけど…

 けどどうしてまだ…」

 

理事長室を出てすぐ会長が待っていた。

一体どういうことなんだろう…

 

「用も済んだなら早く行きましょう。

 ずっとここに居ても時間が勿体ないし…」

 

「え?行くってどこにですか…?」

 

「え?生徒会室よ。

 私の手を煩わせてはいけないんでしょう?」

 

「か…会長!?

 目が笑ってないですよ!?」

 

顔は笑っているのに目が笑っていない。

やっぱり隠していたことを許しては貰えないみたいだよ……

あはは…もう駄目だ…

 

「さ、行きましょう。

 吉井君」

 

「はい…………」

 

 

 

 

 

その日、かなり遅くまで生徒会室の

電気は消えませんでした。

 




次回で『エリーチカ』の辺りを終わらせて『やりたいことは』に突入したいですね。
恐らく『やりたいことは』が非常に長くなると思うので先が思いやられますが…

今回もありがとうございました!!

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