バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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今回はSistersの方です。
えりち姉妹は出ません。
もう一組出てきます。

新たに高評価をくださった
雷神無双さん、テレピスさんありがとうございました!


僕と会長とSisters(後編)

「……というわけで、今日はこの

 プロデューサーが面倒見てくれるから」

 

「「「は~い!」」」

 

「………どうしてこうなったの」

 

休日。

部活という名目で先輩に呼び出された僕。

そしてなぜか目の前には先輩の妹と弟が…

そしてプロデューサーとは一体…?

 

「あの…

 今日は部活関連で呼び出された筈

 では……?」

 

「そうよ。

 今から私は冷たい戦場に行ってくる

 のよ…

 μ'sのリーダーを決める戦争に!」

 

「…すいません。

 その件と関係が掴めません」

 

そういえばμ'sのリーダーを決めるとか議題に上がってたっけ…

部活紹介のために生徒会が取材に来て

高坂さんはなぜリーダーなのか、そんな質問されたときに答えられなかった結果リーダーを決め直すということに

至ったそうです。

 

「あ、あと明久は絶対に私の部屋に

 入るんじゃないわよ?」

 

「ちなみに誤って入った場合は?」

 

「にこの可愛さでめちゃくちゃに

 しちゃうんだから♪」

 

「じゃあ行ってきま~す!!」

 

「なんでよ!!この!!」

 

「あべしっ!?」

 

走ろうとしたところに足を引っかけられて顔から地面に転ぶ僕。

あ、大丈夫。顔から転ぶのには慣れて

るから。

可愛さじゃなくて身長の小ささを利用

してめちゃくちゃにされました。

 

「バカなことやってんじゃないわよ。

 私の部屋なんて何もないわよ」

 

「なら入っても問題ないかと…」

 

「ハイッタラ…ワカッテルワヨネ…?

 キョウ、イチニチマカセタワヨ?」

 

「任務…了解」

 

どこぞの青春を捨てた少年のような

台詞を言ってみるけど尻に敷かれてる

ようで情けない。

そしてそろそろ足をグリグリするの止めてもらっていいですかね…?

 

「それじゃ、一日その子たち宜しくね。

 あんたたち、ちゃんと言うこと

 聞くのよ?」

 

先輩はそう言うとグラサンにマスクと

いうお約束の格好で出ていった。

あれは高坂さんたちが見ても不審者と

間違えるだろう。

 

 

「貴方がお姉さまのプロデューサー

 さんですか?」

 

「い…一応そうなのかな…?

 先輩の中でマネージャーとは

 プロデューサーのことなのか…」

 

「けどプロデューサーといったら

 すっごく顔が怖い人なのが普通

 ですよね…?」

 

「うん、多分それ違う奴だね。」

 

定着させちゃダメだよそんな普通…

もう違うアニメだね、それは。

流石は先輩の妹。アイドル関連のアニメはチェックしているようで…

 

「それでプロデューサーさん。

 名前なんていうの?」

 

髪を左で縛っている方の子が訪ねてくる。

こっちの子は髪を右で縛っている方の

子と違って敬語を使わずに接してくれる。

 

「僕は吉井明久。

 今日一日よろしくね。えっと……」

 

「あ、私はこころです。

 こっちがここあで弟が虎太郎です。」

 

「う…うん!よろしく………」

 

なんと…この姉妹は名前まで似てるのね…

以後、敬語を使っている子が

こころちゃん、敬語を使ってない方が

ここあちゃんだね。

 

「これ~」

 

「ん?これは………」

 

二人の弟の虎太郎君が僕にメモのようなものを渡してくれた。

そこには先輩が書いたと思われる今日

やることと昼食と夕食のレシピが書いてあった。

 

「どれだけ前から僕に家事を任せる

 つもりだったんだろう…」

 

そのメモはとても細かく書かれていて、正直あの先輩が書いたものとは思えないものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうぞ、適当にくつろいで下さい。

 えっと……明久お兄様!」

 

「う…うん。ありがとう、こころちゃん」

 

本当に先輩の妹とは思えないくらいに

いい子です。

けどね、くつろいでいる程余裕はない

みたいだ…

とりあえずメモに書いてある中でも

すぐにできそうなことに目を通す。

 

「洗濯か………

 今日は少し曇ってるから早い時間から

 干さないと駄目だよね。

 ここあちゃん、洗濯物はどこにあるか

 分かるかな?」

 

「洗濯物ならお風呂場にあると思います。

 今朝お姉さまがお風呂場で部屋干し

 していたので…」

 

「そ…そうなんだ。ありがとう…」

 

あれ?

学校のときの先輩とは大分違うような…

部室にグッズを放置しまくるガサツさ

はなく並みの女の子以上に家庭的そうに見える…

 

「ほ…本当に干してある…

 これくらい乾いてたら曇りでも

 最後まで乾くかな」

 

曇りの天気のときは半乾きになりやすい洗濯物の対処法も知っている。

そしてお風呂場にあった洗濯物は全て

綺麗に畳まれていた。

外で乾かすのを前提としているのにしっかり畳む辺り先輩は几帳面なのかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ね、明兄って高校生だよね?」

 

「えっ…うん。

 そうだけど………」

 

突然そんなことを訪ねてきたのは

ここあちゃん。

僕ってそんなに高校生に見えないのかな…?

そしてここあちゃんの中で僕の名前は

明兄(あきにぃ)にきまったようです…

 

「じゃあこのページのここの問題

 教えて~。」

 

「これは…宿題かな?

 今の小学生ってこんな問題やるんだ…」

 

僕が小学6年あたりのときにやっていた問題をやっているので少し驚き。

今の小学生って進んでるんだなぁ…(意味深)

 

「ここの問題はそのテキストに書いて

 あるやり方でやるよりもこの式を

 覚えた方が早いと思うよ」

 

僕は鉛筆を一本借りてノートに

できるだけ綺麗な字で式を書いた。

 

「これを覚えれば解けるの?」

 

「うん。

 数学…じゃなくて算数は覚え方を

 変えれば分かることもあるからね。

 これも分からなかったらまた教えるね」

 

僕はその間にまだ残っていた朝食の

食器を洗い始める。

意外と多い食器の量に苦戦している

僕だったがすぐに朗報が届いた。

 

「あ!明兄、解けたよ!!」

 

「本当に!?

 良かったぁ~…

 教え方が下手だから分かりずらいと

 思ったんだけど…」

 

「明兄先生みたい!

 意外とすぐ解けた!」

 

「それはここあちゃんが頑張ったから

 だよ。

 お疲れ様」

 

「へへ~……」

 

しかし…先生…先生ね……

先生と聞くとヤツしか思い浮かばないんだよなぁ…

『補習ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅッ!!』

……うん。絶対に嫌だ。

 

「普段は先輩…じゃなくてお姉ちゃんが

 教えてくれてるんだね…

 お姉ちゃんは頭いいんだね」

 

「ううん、すっごくバカ!!」

 

「……………………」

 

どうしてすっごくバカと聞いて親近感が沸いてしまうのだろうか…

多分今ごろくしゃみしてるだろうなぁ先輩。

 

「ほら!これがお姉ちゃんのテスト!」

 

「えっと…どれどれ………」

 

なんだ。

ちゃんと丸がついてるじゃないか……

ってこれ丸じゃない!!0だ!!

 

「………ここあちゃん。

 これはきちんと元の場所に戻して

 おくんだよ…?」

 

「う…うん。

 明兄どうして震えてるの?」

 

「僕たちは何も見なかった…

 そうさ、何も……(ガタガタガタ…)」

 

「……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あきにー、遊んで。」

 

「ちょっと待ってね虎太郎君。

 今これ終わるから……

 よし、終わった…

 それじゃあ何して遊ぼっか?」

 

「これー」

 

「これは…ゲーム?」

 

虎太郎君からゲームのリモコンを渡される。

テレビゲームは僕も雄二たちと結構やるけど…

小さい子を相手にどれくらい手加減すれば…

 

「明久お兄様。

 虎太郎は強いですよ?

 本気でやらないと駄目です!」

 

「あはは…そうだね……」

 

こころちゃんに忠告される僕。

まぁ流石に本気で戦おうとは思ってないけど…

流石に大人げないし……

____________________________________________________________________________________________

ただ、あとになって思えば

このときこころちゃんの忠告を聞いてればよかったと思う。

 

『Game END!!』

 

バトル終了を告げる電子音。

そしてその画面には僕の使ったキャラクターに『lose』と表示されていた。

 

「………なんてこったい」

 

「やったー」

 

途中から本気になったにも関わらず

虎太郎君のキャラクターを実質一回も

倒せず。

更に最高吹っ飛び率を600%まで上げられるという…

雄二たちにもここまでボコボコにされたことないんだけど…

察しのいい方ならもう何のゲームか分かったかな。

 

「一体どうしてこんなことに…」

 

「虎太郎は一人でやるときも相手を

 最強にして戦ってるのでここまで強く

 なってるんです……」

 

「これが最強のNPCなのか……!?」

 

テレビの近くに飾ってあったフィギュアを見て言う。

確かアミー○とかいったっけ…

このフィギュア…

僕はいつも雄二、康太、秀吉とやってるからこのフィギュアは持ってないんだけど…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「明兄って料理もできるんだね。

 凄く美味しい!」

 

「流石はお姉さまのプロデューサーさん

 です明久お兄様!」

 

「おいしいー(もぐもぐ)」

 

「ありがとう。

 口に合って良かった…」

 

昼食についてはパスタを作った。

レシピに書いてあるものに少しプラス

してるけど…

今回のチョイスはカルボナーラだった

のでソースの作り方を知っていた。

レトルトのパスタソースを使わずに近くのコンビニで材料を買ってきてソースを自作した。

生クリーム(低脂肪)と卵黄、チーズを使って出来るだけ脂肪分を減らしているからレトルトで作るよりは栄養があると思う。

小さい子は辛いのが苦手だったりするからこしょうやブラックペッパーは使わなかった。

 

「「「ごちそうさまでした!」」」

 

昼食を食べ終えた三人。

これからどうしよう。

そう思いメモを見ると『昼寝』と書いてあった。

布団の敷き方やらが載っていたのでありがたい。

わざわざ休憩の時間も作ってくれてる

とは思わなかった。

 

「それじゃあ昼寝の準備しようか。

 こころちゃん、布団はどこにあるかな?」

 

「押し入れです。今開けますね…

 あっ!!」

 

「あっ!こころちゃん!!」

 

押し入れを開けた途端、布団が落ちてきた。

咄嗟の判断でこころちゃんを抱き寄せる。

 

「危なかった…

 大丈夫だった?こころちゃん」

 

「大丈夫です…

 ありがとうございましたお兄様…」

 

「怪我がなくてよかったよ…

 布団は結構重いからね…

 まぁ一応布団も出せたし…

 敷こうか。」

 

「はい…

 あの、明久お兄様…

 少しお話いいですか…?」

 

「え?うん。何かな?」

 

僕がこころちゃんの話を聞こうと思ったそのときだった。

 

「あきにー、あきにー」

 

「虎太郎君?どうしたの?」

 

虎太郎君が僕の服の袖を引っ張っていた。

外を指差して何やら慌てているようだった。

 

「あれ」

 

「え…?嘘ぉぉぉッ!?」

 

外を見ると雨が降っていた。

僕は急いで洗濯物を取り込みにベランダに出た。

 

「不味いな…

 一人じゃ全部取り込めない…!

 取り込む前に濡れちゃうよ…」

 

結構洗濯物の量が多いので取り込むのに時間がかかってしまう。

けどそんなときだった。

 

「明久お兄様!

 洗濯物を渡して下さい!

 私がお風呂場に運びます!

 お兄様は洗濯物を全部家の中に、

 虎太郎とここあは布団を敷いて!」

 

「分かった!やるよ虎太郎!」

 

「布団ー」

 

「こころちゃん……」

 

この瞬間、こころちゃんが先輩の妹

なんだなと再確認できた。

二人に指示を出して妹弟を纏める姿は

先輩を思い浮かべるものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「三人共、疲れてすぐに寝ちゃったな…

 ありがとう、手伝ってくれて…」

 

僕は隣で眠っている三人に言う。

三人が手伝ってくれたおかげで洗濯物も濡れずに済んだ。

今は全て綺麗に畳んである。

 

「明久お兄様…」

 

「あっ…こころちゃん…

 ごめん、起こしちゃったね」

 

「いえ、起きていたので…」

 

ということはさっきのお礼も聞かれちゃったか…

何か独り言聞かれるって恥ずかしいんだけど…

 

「あの…さっきお話できなかったので…

 今でもいいですか…?」

 

「あぁ…そういえば…

 勿論大丈夫だよ」

 

雨が降ってきたときのゴタゴタで

忘れてしまっていたけどこころちゃんは何を話したかったんだろう。

 

「お姉さまのことです…」

 

「先輩の…?」

 

「はい…

 お兄様はお姉さまのプロデューサー

 さんって言ってました…

 なのでお願いがあるんです…」

 

プロデューサーだからということは

スクールアイドルに関する頼みなのかな。

だとしたら僕もμ'sのマネージャーと

して全力で聞くつもりだけど…

 

「前にお姉さまがスクールアイドルを

 やっていたことは知ってますか?」

 

「うん…

 何人かと一緒にやってたって聞いた

 けど…」

 

「お姉さまは頑張って練習していました。

 ずっとずっと。

 けど…前のプロデューサーさんたちは

 お姉さまを輝かせて貰えませんでした。

 皆お姉さまから離れて行って

 しまって…」

 

前のプロデューサーというのは

先輩が前に一緒にスクールアイドルをやっていたメンバーのことなのかな。

先輩はそれでもずっと努力をしていたんだね…

 

「明久お兄様…

 お願いです…今度こそお姉さまを

 宇宙一のアイドルにプロデュースして

 ください……」

 

「こころちゃん…」

 

「素敵な……アイドルに…」

 

「………」

 

こころちゃんもやはり疲れていたんだろう。

それだけ言うと寝てしまった。

 

「………分かったよ」

 

こころちゃんの手を握って僕は心に決めた。

けどこの頼みはμ'sのマネージャーとして聞くわけじゃない。

先輩のプロデューサーとして叶えたい。

僕がそうしたいから。

勝手なお節介かもしれないけど先輩が

望むならその望む場所へ連れていこう。

それが今の気持ちだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただいま~…

 って皆寝てるわけ………?」

 

家に帰ってきたにこは布団で寝ている

四人を見て言う。

 

「あ…

 ちゃんと夕飯まで作ってくれてる…

 洗濯物も乾いてる……

 こんな疲れるまで頑張ってくれて……

 誰にでもこうだっていうなら…

 アンタ相当なお人好しよ…?

 分かってるの…?ねぇ………」

 

少し拗ねたような顔で明久の頬を

つつきながら言うにこ。

明久は寝返りして寝ている三人の方を

向く。

にこは四人が寝ている布団に身を滑り込ませた。

こころ、ここあ、虎太郎を明久とにこが端で三人を囲むようにしている。

 

「明久、μ'sのリーダーは全員って

 ことになったのよ…

 ……聞こえないわよね」

 

にこは明久が寝ていることを確認すると明久の頭にその小さな手をのせた。

 

「ありがと……お疲れ様」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、五人が起きたのは夕方頃だったそうだ。




はい。
次回から生徒会組が結構出てきます。
早めに更新したいんですけどね…
忙しくて忙しくて……

今回もありがとうございました!!

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