バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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世の中にはお家デートなるものがあるそうですね。
デート回は前編と後編に分けました。
なにせ多すぎるページ数のために…
このデート回が終わったらにこの話考えなきゃ…
やることづくめです………

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僕と穂むらと高坂家(前編)

 

「あっ…

 明久君………そこはもっと優しく…」

 

「ごっ…ごめん高坂さん……

 僕、こういう体験なくて………」

 

「ううん。

 じゃあ、これが明久君の初めてって

 ことだよね?

 えへへ……

 明久君の初めて穂乃果が貰っちゃった♪」

 

「高坂さん……」

 

「明久君…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何やっとんじゃお前らはぁぁぁぁぁ!!」

 

「へぶぅっ!?」

 

僕の顔に必殺のピカチュート…

ではなく必殺の右ストレートが

ヒットして僕は吹っ飛ぶ。

 

「ゆ…雪穂!?

 ちょっと何して……」

 

「大丈夫!?お姉ちゃん!?

 一体どこ触られたの!?」

 

「え!?触られた!?

 雪穂何言ってるの?」

 

「え……?

 だってさっきの声って…

 そういうことしてたんじゃ…」

 

「さっきの声?

 穂乃果たちはこれをやってたんだけど…」

 

「え……?

 大福…………?」

 

そう、僕たちは大福に『あん』を入れる作業をしていた。

僕の大福の餅に入れる力が強すぎて高坂さんに指導をして貰っただけなんだけど……

 

「紛らわしいよお姉ちゃん!!」

 

「あはは…でも………

 明久君、伸びちゃってるよ………?」

 

「あ…………」

 

「ちゃんと謝ろうね?雪穂。」

 

僕はそのまま気を失った………

さて、その間に何故僕が今こんな状況にあるのかを説明しよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

【時は遡り前日】

 

康太と秀吉、一年生を含んだ新生μ'sが結成されて数日。

僕たち男子4人と高坂さんたちは一緒にお昼を食べるようになった。

そんな中、スクールアイドルの練習の

話題が出た。

そして今週の休みの日に午後から練習

を行うことになった。

ただし、学校は休みで使えないので

秀吉が発声練習と歌唱力をつけるための練習を行うらしい。

ところがここで問題が発生した。

 

「あ!!

 私、午後はお店の手伝いがあるん

 だった!」

 

「えぇっ!?

 リーダーがいないんじゃ流石に練習は

 できませんね…」

 

「なんとかならないのかにゃ?

 シフト変えてもらうみたいに…」

 

「先週変えて貰っちゃってるから

 きっと許してくれないよ~!」

 

「はぁ…面倒な人…………」

 

「はぁ………

 誰かが手伝ってくれたら早く終わる

 のになぁ~…………」

 

確か高坂さんの家は和菓子屋さんだよね…

和菓子ってあんまり作ったことないな…

けど助けないと練習できないみたいだし…

 

「じゃ…じゃあ…………

 僕でよければ…手伝おうか……?」

 

「「「「「「えっ!?」」」」」」

 

おっと女子の皆さん、

どうしてそんな意外すぎるとでも

言いたげな顔でこっちを見てるの

でしょうか?

 

「まぁ、いきなり言われても意外

 だろうな。

 けどお前ら、明久は和菓子やら

 スイーツやらの腕も中々なモンだぞ…

 って、どうしたお前ら………」

 

雄二がそう言うとなぜか園田さんと

南さんがその場に崩れる。

 

「いえ…よくよく考えると明久って……」

 

「料理も出来て家事もできてその上

 和菓子やスイーツまで作れるの…?」

 

「何だか……

 自分が明久より劣っているように

 感じます……」

 

ん?

何か僕、馬鹿にされてない……?

 

「先輩はいいパパになるにゃ~。」

 

「パ……パパ!?」

 

「そ…園田さん………?」

 

 

 

 

『ただいま~。

 帰ったよ。海未。』

 

『おかえりなさい、明久!

 ご飯にします?お風呂が先ですか?

 それとも…』

 

『ふふっ…

 分かってるくせに………』

 

『あ…明久…………?』

 

『勿論…海未、だよ…………』

 

 

 

 

「あ………ああ……あ……」

 

「そ……園田さん……?」

 

「ひゃ…ひゃい!?」

 

「やめとけ明久。

 お前が話しかけると余計園田が

 壊れる。」

 

「えっ?

 それってどういうことさ?」

 

「………分かってない」

 

「えぇ!?」

 

 

このままじゃ話が進まない…

暴走する園田さんを横目に僕はそう思ったのでとりあえず話を変える。

 

「と…とにかく!!

 僕でよければ付き合うよ高坂さん!

 あ、でも嫌なら別に……」

 

「お願い!!」

 

「は…はい」

 

決断速っ!?ちょっとビビっちゃったよ…

流石は高坂さん…

普通は女の子の家に男を入れるときは

もっと嫌がられるものだと思っていた

けど…

 

「じゃあ明日の10時に家に来て!」

 

「分かった。

 ところで高坂さん。」

 

「ん?」

 

「園田さんはどうすればいいんだろう…?」

 

「それがあれであれがそれで……」

 

「あちゃ~…壊れちゃったか………」

 

園田さんは暴走させてはいけないということが分かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日。

高坂さんの家に来て早々事件が起きた。

 

「な…何で………

 何で貴方がいるんですか!?」

 

そう。

僕をナンパと間違って認識したまま

何処かへ行った女の子がいたのだ…

 

「あれ?

 明久君と雪穂知り合いだったんだ…」

 

「お姉ちゃん!!

 男の人が来るって聞いて警戒は

 してたけどこの人だけは絶対に

 呼んじゃいけない人だよ!!」

 

「え~?何で?」

 

「この人はナンパなんだよ!!

 女の子で遊ぶ奴だよ!?

 そんな人を頼っちゃ駄目だって!!」

 

僕をゴミを見るような目で見るのは

やめてくれません?

 

「明久君はナンパじゃないよ。

 雪穂どこで聞いたのそれ?」

 

「聞いたんじゃなくて見たんだよ!

 この人が亜里沙をナンパしてるのを!」

 

「いや、あれはナンパなんかじゃ…」

 

「下心があって助けたんでしょ!?

 それはナンパと同じです!」

 

「別に下心なんて…………

 ………………」

 

「……なんで黙るんですか」

 

不味い不味い不味い不味い不味い!

いや下心ってわけじゃないけど雄二から受けた講習の名前って『外国人の美女が困っていたときに使えるすンばらしい英語教室』って名前だった気が……

 

「あったんですね。

 やっぱりナンパじゃないですか!」

 

「いやだから僕は……」

 

こんなやりとりを数十回繰り返し…

 

「明久君!

 はやくやらないと遅れちゃうよ~!!」

 

「確かに……

 それじゃ始めよっか…………」

 

そして始めて数分でこのザマである。

必殺の右ストレートで気を失っていた

僕は目を覚ました。

 

「あう……ここは…?」

 

「あ、起きた?」

 

ここは…さっきの厨房かな……

そして僕は倒れていて高坂さんは正座していて……

そして頭の下から伝わる柔らかい感触は……

 

って…えぇぇぇぇぇぇ!?

 

「あ…あの、高坂さん……

 これって……」

 

「え?膝枕だよ?」

 

「そ…それは分かるよ?

 どうしてこうなったのかを聞いて

 るんだけど…」

 

「流石に倒れてる人を床に寝かせて

 おくわけにはいかないよ。」

 

訂正。

倒されたんです僕は……

 

「それでどう?もう痛くない?

 落ち着いたかな…?」

 

「う…うん。大丈夫だけど……

 これは違う意味で落ち着かないというか…」

 

「じゃあ…こうすれば落ち着くかな?」

 

そう言って高坂さんは僕の頭に手を乗せた。

 

「よしよし………」

 

「ど…どうして頭を撫でててるの…

 高坂さん……」

 

「昔、穂乃果が泣いてるときとか

 落ち着かないような気持ちのときに

 お母さんがこうやって穂乃果を

 落ち着かせてくれたから…

 もしかしてこれじゃ落ち着かない…?」

 

「あはは…

 流石に僕は子供じゃないから…はふぅ……」

 

「思いっきり落ち着いてるじゃない

 ですか。

 このヘンタイ。」

 

あ…まだいたんだこの子……

 

「今、まだいたのかみたいなこと

 考えませんでした?」

 

「気のせいじゃないかな…

 それに僕は変態じゃ…はふぅ……」

 

「ふふっ……可愛い……」

 

「はっ!?

 お姉ちゃん何言ってるの!?

 気持ち悪いだけだよこんなの!!」

 

こんなのって………

ついにはモノとして扱われてるし…

この子の中の僕って一体何……?

 

 

「ゴミかそれ以下です」

 

「へぇっ!?」

 

何ィ!?

何で思ってることが分かったの!?

まさかニュータ○プか!?

それともコーディネ○ター?

いや○ノベイターという可能性も…

 

「何を考えてるか知りませんが…

 いいんですか?」

 

「へ?何が?」

 

「ん。」

 

その子が指差した先は厨房の出口だった。

そしてそこには笑っている筈なのに恐ろしいオーラを放つあの人が…

 

「手伝うというから様子を見に来てみれば……

 これは何をしているんですか?

 さぁ、説明して下さい(ニコッ)…」

 

「そ…園田さん……!?

 後ろに何か見えるんだけど!?」

 

「悪ィ、明久…止められなかった……」

 

「ごめんね、二人とも……」

 

謝る雄二と南さん。

一体どうして二人が!?

いや、今はそんなことよりも…

 

「「逃げろ!!」」

 

「逃がすと思いますか?

 うふふふふふ…………」

 

「もう駄目だぁ…

 おしまいだぁ………!!」

 

どこぞの駄目王子のようなセリフを吐く僕。

そのあとは説教地獄だった。

それで一時間くらい使った……

 

 

 

 

 

【一時間後】

 

「それで海未ちゃんたちは練習は

 どうしたの?」

 

「穂乃果が来るまではやりません。

 ここで待つことにしました。」

 

「えっ?いいの?

 秀吉は?」

 

「わしならここにおるぞい。

 何故か皆がここで待とうと言い張る

 のでな。」

 

「も…もう喉が………」

 

「か…かよちんしっかりするにゃー!」

 

「ここまで辛いなんて…

 先輩存外鬼教官よ………」

 

一年生トリオの反応を見れば秀吉に

ここに来ることを提案した理由がよく

分かった。

ようするに秀吉の練習から逃げたかった訳だ。

 

「アメンボ赤いなアイウエオ…

 はっ!?私は何を……」

 

「……俺はカメラマンの筈…

 カメラマンに呼吸の練習は必要ない

 のに…!

 うっ…頭が………」

 

もはやトラウマレベルなの……?

いかん。皆がゾンビみたいな状態に…

 

「皆疲れたんだね……

 あ、そうだ……

 高坂さん、さっき作った物って今

 どこにある?」

 

「あ、今持ってくるね!」

 

高坂さんはあるモノを取りに厨房に戻る。

 

「しかし明久……

 何だぁ?その馬鹿みたいな服装は。」

 

「何言ってるのさ!

 典型的な料理をするときの服装

 でしょ。」

 

「ポケットにヒヨコのワッペン貼って

 ある奴がか?」

 

「うっ!!

 仕方ないじゃん!!

 これしかなかったんだから!」

 

「でもいいと思うよ。

 可愛いよ、吉井君。」

 

「嬉しくないよ南さん!!

 今日一日で何回その言葉を言われたか…」

 

「苦労してんな明久ちゃん?」

 

「やめて!!

 僕の男としてのプライドはもうゼロよ!」

 

笑いながら言う雄二。

そんなやりとりをしていると高坂さんが厨房から戻ってきた。

 

「明久君、持ってきたよ。

 これでいいの?」

 

「うん。

 皆、良かったらこれ食べて元気

 出して!!」

 

疲れたときには糖分を取るといいって

聞くからね。

皆の口に合うかどうかは別として

とにかく皆の脳に何か栄養を与えないと…

 

「こ…これ先輩が作ったの!?」

 

「そうだよ。

 余った材料で作った物だから

 美味しいかどうかは保証できないけど…」

「大丈夫だよ!

 穂乃果がさっき味見したから!!」

 

「だから作ったときより量が

 少なくなってたのか……」

 

「えへへ~…ごめんね~。」

 

そのちょっと舌を出しながら言うのは

ずるいと思う。

男ならこの顔を見せられたら絶対に

何でも許しちゃうでしょ!!

分かってやってるの!?ねぇ!?

これをもし男がやったら……うん、転がす。

 

「それで感想は?」

 

「すっごく美味しかった!」

 

癒される、この笑顔。

 

「本当。

 先輩って男のくせにこういうのが

 得意なんですね…

 まぁ…美味しかったのは本当でしたし…

 ご……ご馳走さまでした……」

 

こちらこそ。

遠回しのツンデレご馳走さまでした。

 

「お陰で生き返りました……

 特に頭が……」

 

一番重症だったからね…

園田さん…

 

「余った材料でこんなのが作れる

 なんて凄いにゃ~。」

 

「ま、分かっちゃいたが料理の腕だけは

 一流なんだよな…

 この料理みたいに勉強ももっと

 出来れば完璧なのにな~。」

 

「そこ!

 一言余計だよ!!」

 

「穂乃果よりもずっと明久の方が

 和菓子屋には向いてますね。」

 

「なっ!?」

 

少しは場の雰囲気もよくなってきた

みたいだね…

良かった…さっきまで皆ぐで~っとしてたから…

あの雰囲気で他のお客さんが来たら

速攻で帰ってしまったと思う。

 

「それじゃあ僕も失礼して……」

 

僕も自分の分のお菓子を取ろうとしたときだった。

 

「あれ?

 僕のがない……………」

 

まだ結構余ってたと思うけど…

高坂さんが食べたのかな?

 

「むっ…」

 

あれ?

なんだかジト目で見られてる…

 

「明久君、今穂乃果が食いしん坊だとか

 考えなかった?」

 

「え…えと…それは……」

 

君たちは姉妹揃って人の心を読めるのかい?

どんだけ勘が鋭いんですか……

 

「もう!穂乃果怒るよ~!!」

 

「あはは…ごめんごめん………」

 

軽くポカポカと叩いてくる高坂さん。

しかし……姉妹でこんなに力の差が違うとは…

妹の方が力加減を………って…

 

「そういえば……

 妹さんはどこに…………」

 

「え?雪穂ならそこにいるよ~?」

 

「え?」

 

僕が振り向くとそこには………

 

「もぐもぐもぐもぐ………」

 

僕が作ったお菓子を頬張る妹さんの姿が…

 

「あ!僕の分!!」

 

「ごくっ…

 あ、これ先輩のだったんですか、

 ごめんなさ~い。」

 

「なんて適当な…!!」

 

ここまで雑に扱われると悲しいよ…

 

「ていうかこれ先輩が作ったんですね。

 どうりで店の味じゃなかった訳です。」

 

「でも美味しかったでしょ?

 明久君の作ったお菓子。」

 

「……………さぁ」

 

うぅ……

感想すら聞けないのか……………

 

「でもまだ結構余ってたと思うけど…

 全部食べちゃったの…?」

 

「あれ?

 私はまだ残しておいたけどな…」

 

「え?

 じゃあ誰が………」

 

「あ……明久…後ろ………」

 

震えながら言う秀吉。

 

「え?どうしたの秀吉?

 聞こえなかったんだけど…」

 

「あ……あぁ………」

 

「ひ…秀吉!?」

 

何で秀吉は気を失って…

っていうか皆なんで固まって震えてるの!?

 

「雄二まで一体どうしたの!?」

 

「後ろ………」

 

「はい?」

 

「後ろ……

 気づいてんのかよ…BAKAMONO…」

 

「何で木原君なんだよ…

 それにそこは化け物でしょ……

 って、後ろ………?」

 

僕が振り向くとそこには僕の方をじっと見下ろしている男の人がいた。

ただ一言。怖い!!!

顔がめちゃくちゃ怖い!!

 

「あ、お父さん。」

 

「えっ!?

 お…お父さん!?」

 

高坂さんのお父さん!?

こ…この怖い人が!?

 

「………………」

 

「こ……こんにちは……」

 

「これ作ったのはお前さんか?」

 

「え…は………はひぃ………」

 

声まで怖いし!!

え?どんな声かって?

例えるならあの人だよ!!

池袋で公園のベンチやら道路標識やらをぶんまわす喧嘩人形!!

 

「…………………」

 

「あ…あの!!

 お父さん!?

 どうして僕を無言で厨房に引きずって

 行くんでしょうか!?」

 

「………明久が調理されてしまうかも」

 

「怖いこと行ってないで助けてよ!

 康太!!雄二!!

 いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

バタン

 

「……さらば明久」

 

「このあと明久はスタッフが美味しく

 頂きました」

 

「勝手に殺さないでよ!!

 ってお父さん!?

 一体何を!?ギャァァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

【数分後】

 

「うぅ…

 もうお嫁にいけない………」

 

「生きてたか明久!!

 一体何が……………って」

 

「…………メタモルフォーゼ」

 

「少女アニメと一緒にしないでよ!!」

 

あのあと僕は着けていたエプロンを脱がされ、『穂むら』の割烹着を着せられました。

 

「おぉ~。

 中々似合ってるよ、明久君。」

 

「違和感ねぇのが不思議なんだよなぁ…」

 

喜ぶべきなのかそうでないんだか…

 




まさかのデュラララのシズちゃん声のお父さん。
怖さ倍増しました。
声優さんの名前は書きませんがもうお分かりの方が多いと思います。
この作品は声の人ネタ多いです。
(例:とあるの木原君、シズちゃん声など)

次回は後編です。
後編は穂乃果目線で書こうと思ってます。
今回他のμ'sメンバーが多く出てきたので次は穂乃果と明久二人っきりにしたいです。
そして雪穂は……………どうしよ…







今回もありがとうございました!!

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