バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

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新たに高評価をくださった
ふもっふさん、ふゆほたるさんありがとうございます!!

今回もよろしくお願いします!!


才能と動画と投稿者

 

「きゅ…急にごめんなさい…」

 

「本当に急ね…

 一体何の用?」

 

小泉花陽は西木野真姫の家に来ていた。

偶然帰りに彼女の生徒手帳を見つけたのでそれを渡しに来たのだ。

 

「これ、落ちてたから…

 西木野さんのだよね…?」

 

「何で貴方が?」

 

「ごめんなさい…」

 

「いや、何で謝るのよ……」

 

花陽は真姫に手帳を渡した。

 

「でも…ありがとう。」

 

「あの…μ'sのポスター見てたよね…?」

 

「な…何のこと!?

 知らないわよ。」

 

「え?

 でも手帳もそこに落ちてたから…」

 

「え!?

 ちっ…違うのよ!あれは……」

 

 

ゴンッ

 

「~~~~~~っ!?」

 

弁解しようとした真姫だったが、

机に膝をぶつけた。

そのままバランスを崩した真姫は椅子

ごと倒れた。

 

「だ…大丈夫!?」

 

「も…もう!

 変なこと言うからぁっ!!」

 

「ふふっ…」

 

「笑わないの!!」

 

普段、学校ではこんなことにならない

真姫が可笑しかったのか花陽は笑い出した。

その後花陽の笑いを止めるのにしばらく掛かったとか…

 

 

 

 

 

 

数分後

 

「わ…私がスクールアイドルに?」

 

「うん。

 私、放課後音楽室の近くに行ってたの。

 西木野さんの歌、聴きたくて…」

 

「えっ…」

 

「西木野さんの歌、ずっと聴いてたい

 くらい好きで…」

 

「そう言ってくれるのは貴方を入れて

 二人だけよ。

 ありがとう…」

 

「ふ…二人……?」

 

花陽は真姫が言った人数が少ないからか驚いた顔をしている。

 

「それに私…

 大学は医学部って決まってるの…  家の病院を継がなきゃいけないから…」

 

「そう…なんだ………」

 

真姫の顔と花陽の顔が悲しげになる。

真姫は自分の立場を思いだし、

花陽は真姫の立場を知ったために。

家を継ぐために好きなこと…

音楽ができないという現状を。

 

「それより貴方は?」

 

暗い雰囲気の中、先に沈黙を破ったのは真姫の方だった。

 

「アイドル、やりたいんでしょ?」

 

「えっ…いや……………私は…」

 

「この間のライブ夢中で見てたじゃない。」

 

「えっ?

 西木野さんもいたの?」

 

「あっ!いや…

 私はたまたま通りかかっただけだけど…」

 

こう言っている真姫だが実はライブの

ときに講堂の後ろの方で秀吉と見ていたのである…

 

「やりたいならやればいいじゃない?」

 

「けど私じゃ………」

 

「この世にはやりたいことがあっても

 出来ない人はいるのよ?

 才能を発揮したいのに発揮する場が

 ない人だって…」

 

「西木野さん…」

 

真姫は自分のことと自分の才能を発揮

できる場がなくさまよう少年(?)の

ことを思いながら言う。

 

「貴方はやるだけの力は持っている筈よ。

 もっと自信を持ってやってもいいん

 じゃない?」

 

「自信…」

 

「そうしたら…

 少しは応援してあげるから……」

 

「西木野さん…

 ありがとう。」

 

「も…もうこの話はおしまい!!

 何か違う話題にしてよ!!」

 

「ふふっ…そうだね。」

 

 

 

 

こうしてお互い違う意味で感情を上手く表せない少女二人は打ち解けた。

 

この友情が末永く続く予感を感じながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

「色々あるんだな…」

 

真姫の家の事情や真姫の立場を知った

花陽は独り呟く。

 

「あ…」

 

花陽は帰り道に和菓子屋を見つけた。

店の看板には『穂むら』と書いてある。

 

「お母さんにお土産買ってこうかな…」

 

花陽はそう思い店に入った。

 

「いらっしゃいませ~」

 

「あっ…」

 

花陽が店に入ると店員がいた。

その店員を花陽は知っていた。

 

「先輩…」

 

「花陽ちゃんじゃない!

 どうしたの?」

 

「たまたま通りかかったのでお土産を

 買ってこうかな…なんて。」

 

「そうなんだ。

 花陽ちゃん、今時間ある?」

 

「え?一応大丈夫ですけど…」

 

「じゃあ家に上がっていってよ。

 色々ご馳走したいし。」

 

「えっ!?

 そんな悪いですよ!

 私、何も持ってきてないし……」

 

「そんなのいいよ!

 裏口開けておくから!」

 

「あっ…先輩!!

 行っちゃった………」

 

そうと決めたらすぐ一直線。

穂乃果は直ぐに裏口の方へ行ってしまう。

 

「真っ直ぐな人だなぁ…」

 

花陽は心底そう思うのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いらっしゃい。」

 

「お…お邪魔します…」

 

結局お邪魔してしまった花陽。

 

「先に上で待ってて。

 店番、雪穂に代わってもらうから。」

 

「は…はい……」

 

 

花陽は言われた通りに二階に上がった。

 

「ここかな……?」

 

花陽は恐る恐るドアを開けた。

 

「う~~~~!!

 私もこのくらいになれれば…!!」

 

バタンッ!!

 

「……見てないよ、うん。」

 

花陽は現実逃避をしつつ、別のドアを開けた。

 

「じゃ、じゃ、じゃ、じゃーん!!

 ありがとー!!」

 

バタン!!

 

「ど…どうしよ…………」

 

流石に二階も現実を投げ出すことはできない花陽。

どうすればいいのか分からずに途方にくれたときだった。

 

ドン!!

 

「ひゃっ!?」

 

花陽が閉じた二つのドアが開いた。

中から弱味を握られた二人が。

 

「「見ました………?」」

 

「あ…あ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へぇ~…

 あの海未ちゃんがポーズの練習ね~…」

 

「ほ…穂乃果!!」

 

「ごめんごめん…」

 

「あ…あの……」

 

花陽が話そうとしたときだった。

 

「お邪魔しまーす。

 あれ?」

 

ことりが部屋に入ってきた。

 

「え!?

 もしかして本当にアイドルに!?」

 

「い…いや……私は…」

 

「たまたま通りかかったから寄ってくれて。

 折角だからご馳走しようと思って。

 はい。」

 

「こ…これは……」

 

「穂むら名物ほむまん!

 おいしいよ。」

 

「い…いただきます…」

 

「あ、穂乃果ちゃん。

 パソコン持ってきたよ。」

 

ことりは手提げからパソコンを出した。

「ありがとう。

 肝心なときに壊れちゃって…」

 

「それでどう?」

 

「まだ見てないけどこの辺に…

 あった!!」

 

「あ!

 また順位上がってる!!」

 

「本当だ!

 これ誰が撮ってくれたんだろ…」

 

「あ、花陽さん。

 そこでは見えませんか?」

 

「………………………」

 

「は…花陽さん………?」

 

海未が言っても何も答えない。

真剣な目でライブの動画見ている花陽。

 

「それにしても…

 この動画…本当に誰が撮ってくれたんだろ…」

 

「とても綺麗に撮れた動画ですね…

 投稿者の名前がどこかに書いてある

 筈では?」

 

「ここかな…?

 あ!あったよ!!」

 

「え~?誰?」

 

「えっとね…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ムッツリーニ………だって!」

 

 

これがμ'sの歴史にも残る

『踊るムッツリ捜査線』の始まりであった。




はい。
次回は希とムッツリーニ回です。
秀吉もいるかな……?
なぜ康太がムッツリーニと名乗らなくなったかのヒントも…!?

今回もありがとうございました!!

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