バカと9人の女神と召喚獣 バカテス×ラブライブ!   作:星震

17 / 55
メッセージで『はよ康太×希だせや』
とのコメントをいただいたので
短編程度ですが書きました!
試験召喚戦争の裏で働いていた康太と
秀吉の努力が明らかに!?

そして新たに高評価を下さった
ローリングビートルさん、夏風櫂さん真田信晴さんありがとうございます!!


うちと彼と戦後の傷

 

生徒会室

 

「今日はえりちは先に帰ったみたいやね。

 うち一人で仕事片付けんとなぁ…」

 

希は重い気持ちでドアを開けた。

 

「ん?」

 

希が自分が机に置いておいた部費の予算の資料やら試験召喚戦争の改善点やらの資料が消えていることに気づいた。

 

「あ………」

 

「……副会長。」

 

希が見たそこには一人で資料と向き合っている少年がいた。

 

「そういえば君らも居るんやったね。

 けどこれは土屋君の仕事やないよ?

 うちが残してまったもんや。」

 

「……暇なもので」

 

「嘘、やね。

 目の下に隈出来とるよ?

 それに………」

 

希は康太の腕の下にあったNPCを開いた。

 

「ほぅら、やっぱりぃ~。」

 

「っ…」

 

そこには音ノ木坂のブログがあった。

見るからに絶賛書き込み中といったところだ。

 

「こんなんやりながら資料と

 向き合っとったら倒れてまうよ。」

 

「……慣れている、問題ない」

 

「もう……」

 

希は康太の隣に腰かけた。

 

「な……」

 

「吉井君たちはどうしたん?」

 

「…明久は部活、秀吉は姉に会いに、

 雄二は補習中」

 

「それで土屋君だけおったんやな。

 でもどうして自分のやない仕事まで?」

 

「…俺の暇で誰かが楽になるから…です」

 

「康太君。」

 

「え…?」

 

突然自分の名前を呼ばれて希の方を向く康太。

その表情は真剣だった。

 

「この間の試験召喚戦争、見とったよ。」

 

「………」

 

「自分を犠牲に誰も戦死させなかった

 のも…」

 

 

 

 

時遡り試験召喚戦争

 

「くっ…敵の点数が高い!

 このままではおびき寄せる前に

 やられるぞい!」

 

「っ…秀吉、全員を連れて退避だ」

 

「何を言っておる!?

 まだ奴らを雄二たちのところに

 おびき寄せていい人数では…」

 

「…任務は果たす。」

 

「お主何を!?」

 

「……土屋 康太。

 2-Cクラス全員に保険体育で勝負を

 挑む」

 

康太の言葉で科目が承認されフィールドが保険体育に変わった。

 

「…早く行け秀吉」

 

「何を言っておる!?

 ならばせめてわしも…」

 

「…お前は全員を逃がす責務を背負え」

 

「待つのじゃ康………」

 

秀吉が言い終わる前に康太は戦場の

最前線で敵と戦った。

たった一人で敵を圧倒した康太は後に

他クラスからは要注意人物として

見られた。

2-Fが戦死者無しで優勝したのは康太の傷のお陰でもあったのだ。

それを希は見ていた。

試験召喚戦争のフィールドを遠隔で

承認するのは生徒会の役目だ。

その遠隔操作のカメラを通して康太を

偶然見つけたのだ。

たった一人で戦う勇姿を。

その後、秀吉も味方を守るのに必死だった。

康太だけでなく秀吉もこの戦争で活躍した英雄の一人だ。

だが一番傷を負った人物を希はその目で見てしまっていたのだ。

 

「この仕事も、試験召喚戦争も同じやけど…」

希は康太の目を見て言った。

 

「誰かを助けることは康太君が

 全てを背負う理由にはならんよ…?」

 

「っ…………」

 

さっきの真剣な表情とは違い

慈愛に満ちた表情で言われて康太は黙った。

 

「…俺にはそんな力はない」

 

「うん、ないよ。

 誰もそんな力持っとらん。

 人間一人ではやってけんわ。」

 

「……」

 

「だからうちもやる。

 土屋君一人には辛いもん。」

 

「…いやこれは…………」

 

座っている彼の肩に両手が置かれた。

そして耳元で囁かれた。

 

「…やらせてな?」

 

康太は黙って頷くことが…

 

「ぐはぁぁっ!!」

 

……出来なかった。

 

希が彼に囁いたとき彼の背中に

希の豊かな二つの果実が押し付けられていた…

それが康太の鼻血の起爆剤となってしまったのだ…

 

「あーあ……

 ほら、ティッシュあげるから…」

 

「…申し訳ない」

 

「あ………これ…」

 

希が見た物は康太の鼻血で見えなくなってしまった資料だった。

 

「不覚………」

 

「ふふっ…

 でもこれでやり直しやね…」

 

「くっ………」

 

「今度は二人でやろな…」

 

「っ…………」

 

微笑みながら言う希に康太は黙って頷くしかなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し希が嬉しそうだったのは言うまでもない。

 




次回は秀吉×真姫とストーリーを少し進めます。
穂乃果が真姫に曲作りをお願いする辺りですね。
あ、計画していた雄二とことりの短編は秀吉×真姫の短編と同じ週に投稿します。

一行にストーリーが進まない私の怠惰をお許し下さいぃ…

今回もありがとうございました!!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。