まだ治りきっていないため、毎日は投稿出来ないと思います。すみません。そして、短いです。
レイフェリオたちは一旦城を出ると、トロデ王に事情を説明した。
「ということで、カーラさんの家へと一度戻ることにしましたが、構いませんか?」
事情を一通り伝えると、トロデ王は俯いた。ここで例え反対をされたとしてもレイフェリオたちは行くつもりだ。問いかけは社交辞令の一つでもある。
「トロデ王?」
「え、偉いっ!!!」
レイフェリオが再度声をかけると、トロデ王は突然顔をあげ叫んだ。
思わず全員が後ずさる。
「いきなりなによ」
「なんと主君思いのメイドじゃ! わしは感動したぞ」
「……面倒なおっさんでがす」
「あはは」
うつむいていたのはキラの話に感動していたかららしい。確かに主としての見方をすれば、好ましいことには違いない。
だが次の一言には親バカが入ってしまっていたが。
「よい家臣は国の宝。しかもそのメイドはミーティアと同じ年頃の娘と言うではないか!」
「……おっさん、前にも同じこと言ってるがす」
「あぁ……トラペッタの時か」
年頃は同じ。
どうもトロデ王はそれに弱いようだ。それほどに娘を溺愛しているのだろうが……。
レイフェリオは思わず、この王とミーティア姫の婚約者である従弟が出会うときを想像してしまった。
「……合わないよな……」
「兄貴?」
「いや、こっちの話だ」
「?」
どちらにしてもトロデーンの呪いが解けないことにはあり得ないことだ。レイフェリオは考えを振り払う。
「おい、行くならさっさと向かおうぜ。夜を歩き回るのはごめんだ」
「そうね……行きましょう、レイフェリオ」
「あぁ、わかった」
トロデ王も反対ではないので、レイフェリオたちはカーラの家まで引き返していった。
カーラの家につく頃には外は真っ暗になってしまっていた。
「こんばんは」
「はい。あら? 昨日の」
「ええ。今日はキラに話したという昔話を教えてもらいに来たんです」
カーラはキラの名前を出すと、安堵したように肩を下ろしていた。城でのキラの様子を話すと、カーラは願いの丘の話をしてくれた。
「この家の前を流れる川の上流にある不思議な丘の話なのです。満月の夜に一晩あの丘の上で待っていると、不思議な世界への扉が開くと」
「それが願いの丘なの?」
「まぁそうなのですが、おとぎ話ですから本当なのかどうかはわかりませんよ」
「……だとしても行ってみるんだろ?」
ククールの視線の先にはレイフェリオがいた。
無論、そのつもりだ。明日は満月。試してみるだけなら、構わないだろう。
「行ってみよう。明日の朝から行けば、夜には丘の上に着くだろうし」
「でがすね。ということは、今夜はあの教会に泊まるでげすか?」
「それが無難だろ」
レイフェリオも異論はない。
今夜は教会に泊まり、明日の朝に丘へ向かう。おとぎ話が真実かどうかは、それでわかるだろう。
叶うなら、よい報告をしたいとは思うが……。