※クライン超強化、主人公つえー、原作に存在しない二つ名などの要素が含まれます。苦手な方はご注意ください。
アルヴヘイム・オンラインというゲームには、かつてはソードスキルなどというものは無かった。
当時は魔法こそ最強。
だがそれは致し方ないことだ。
何故ならプレイヤーたちは現実で剣を握って戦うことなどないからだ。必然、近接戦闘は剣を出鱈目に振り回すだけのものになりがちで、現実でも武道を嗜んでいたりする一握りのプレイヤーを除けば、
しかしそこに転機が訪れる。
剣の世界――鋼鉄の浮遊城アインクラッドからの移民。彼らの渡来とほぼ同時に、かの城からソードスキルがもたらされた。
これはALOに於ける戦闘を劇的に変えたと言っていい。
魔法使いに比べて肩身の狭かった前衛職に活躍の場が巡ってきた。今やパーティーを組んでいれば前衛職のみの構成でも魔法使いの居るパーティーを
なにしろ発動しさえすればあとはシステムが勝手に身体を動かしてくれるのだ。自分の技量だけで剣を振っていた頃と比べれば精度も威力も上で、何より見映えがする。
自分も格好良く剣が扱えるとなれば、それを意識したキャラクター構成や立ち回りをするプレイヤーも増える。今では魔法も剣も使ういわゆる魔法剣士がプレイヤー人口に占める割合は半数近くにものぼっている。
――しかし、である。
それでも、やはり。純近接型ではなく魔法剣士というスタイルが増えたことからもわかる通り、魔法は強力だった。
単発であれど追尾性の高いもの、そこそこの追尾性で連射が利くもの、追尾性はイマイチでも範囲が広いもの等、種類が多い。また、魔法は基本的に物理攻撃をすり抜けるので武器では撃ち落とせない。盾受けするにしても、その耐久値だって無限ではないし、範囲魔法に盾は無意味だ。
だからこその魔法剣士。デュエル大会などでは中距離から魔法を撃ち合い、剣は奇襲用、あるいはその奇襲を受けたときの防衛用、という参加者が大多数だ。
――そんな中にあって。
完全に近接物理戦闘に特化した構成で大会を勝ち上がる化け物たちが表彰台常連である現状は、プレイヤーたちの目にどう映っているだろうか。
この妖精郷では大小問わず実に様々な大会が催される。
月例デュエル大会に始まり。魔法禁止大会。
そして二〇二六年二月中旬の今日。三ヶ月に一度の、アルヴヘイムに
現在、各ブロックの準決勝が行われようとしている。これに勝ち、さらに次のブロック決勝を勝ち抜いた二名が最後に激突し、妖精郷最強を決する。
ここまで勝ち残っているのは以下の八名。
東ブロック――
風妖精族、《
西ブロック――
火妖精族、《
二つ名つきの有名どころが揃い踏みであるが――真に注目すべきはそこではない。
この八名のうち、リーファ、サクヤ、アスナ以外の五名が、戦闘に魔法を一切使用しない――
★
クラインというプレイヤーについて。アインクラッドで苦楽を共にした仲間たちに尋ねると、返ってくるのは――
「愛すべきバカだ」
「その、三枚目っていうか……ねえ?」
「サムライかぶれのアホよアホ」
「えっと、あの、面白い人だと思いますし、信頼も信用もしてますし、好感は持てますけど、その……………………ときどきテンションがウザいです」
「バンダナ選びのセンスはどうにかならんのかと思わんでもない」
――とまあ、微妙な評価が集まるわけだが。しかし今一度、これらの回答をよく見て欲しい。
……おわかりいただけただろうか。
誰一人として――〝弱い〟とは言わない。
彼はお世辞にも二枚目とは言い
これらを統合すると、まあ強そうには見えない。
実際、SAOにログインした日の彼は、こう言ってはなんだが〝弱者〟の
それでも、彼は旧アインクラッドにて、第九層以降ずっと最前線に立ち続けてきたのだ。
そも、ステータス次第で幼女が巨岩を持ち上げることさえできるVRMMOに於いて、外面から強さを推し量れようはずもなし。なれば、彼の経歴を知らばこそ、こう問うべきだろう。
――
「ふふ。こういう大会で当たるのは初めてね」
「そうか? ……あー、言われてみりゃァ確かにそうか。統一以外に一緒に出たことってねェな。前ん時ァたしかブロックが別れたんだったか」
「ええ。しかもあなた、初戦でアスナに負けたのよね」
「オメエだって二回戦でキリトに負けたろうがよォ!?」
一〇メートル程離れた位置で向かい合う男女。片や火妖精族、《石火の侍》クライン。片や音楽妖精族、《ラインの乙女》ウォクス。
西ブロック準決勝。妖精郷にて名の知れた夫婦が今、雌雄を決さんとしていた。
「ねえ、ひとつ提案があるのだけど」
「何だ?」
クラインは返事をしつつ、勇ましいSEと共に眼前に表示されたウィンドウを見る。
【Vox is Challenging you】
ウィンドウ下部には、見慣れた《初撃決着モード》、《半減決着モード》、《全損決着モード》のオプション――ではなく、普段は存在しない《大会モード》のみが表示されている。基本は全損決着モードと変わらないが、
大会ルールは簡単。
対戦する二人が舞台に上がると、互いにの眼前にデュエル申請のウィンドウが表示される。クラインには見えないが、今ウォクスの前にも『Krein is Challenging you』と表示されているはずだ。
入場から五分経ってもOKボタンを押さない場合、そのプレイヤーは失格となる。
両者がOKボタンを押すと、それを観客に知らせるファンファーレが鳴る。そして一〇秒のカウントダウンの後、試合開始。
飛行あり、魔法あり、アイテム使用は無し。
「普通に戦ってもつまらないから、勝った方は負けた方にひとつ命令できるっていうのはどうかしら?」
ファンファーレが響き渡り、ざわついていた会場が静まり返る。
カウントダウンが始まる。両者得物を構えた。
ウォクスは左腕を軽く曲げて
「何でもいいのか?」
「ええ。えっちぃことでもいいわよ」
「オッシャ、ノった」
ギルド《風林火山》団長・クライン。欲望に忠実な男の名である。
「やった。何を命令しようかしら」
「そりゃ、こっちのセリフだぜ」
カウント――ゼロ。
【DUEL】の文字が瞬いた刹那、金属同士がぶつかる硬質な音が闘技場の空気を震わせた。ウォクスの攻撃をクラインがパリィしたのだ。
試合開始と同時、ウォクスは地を蹴ると同時に翅を
対するクラインは右に半歩だけ移動し、抜刀。
騎兵槍が弾かれた瞬間、ウォクスは短槍を半回転させて逆手に持ち替えた。そして衝撃に逆らわずむしろ自ら回転し、短槍の穂をクラインの胴――心臓を狙って叩き込む。それは彼がしゃがんだことで空を穿ち、両者すれ違う。
瞬きの間のことだ。観客の中に今の交叉が見えていた者が果たして何人居ることか。
彼女は自身が突進した勢いを殺すべく地に足を突き立て、翅を拡げて制動をかける。
派手に土埃を上げて地を滑る彼女に離されまいとクラインが駆ける。舞い上がる土に紛れるように三歩で距離を詰め、意趣返しとばかりに胸を突く。
これをウォクスは短槍でかち上げ、今度は騎兵槍を大剣のごとく薙ぎ払う。
今の体勢では避けられない。飛び
脚がギリギリで地面に届かない。翅を拡げて空気を掴み、減速。どうにか壁にぶつかる前に停止したが、距離がかなり開いた。この間合いは彼女の独壇場だ。だいたい、開始時に開いている一〇メートルという距離からしてウォクスが有利すぎる。
右腕を振りかぶる動作。連動して短槍が赤いライトエフェクトを纏う。
ALOではソードスキルで武器を投擲した場合、それでその武器が壊れない限りは手元に転送されてくる。なればこそ、彼女は躊躇わない。
短槍系投擲技《バースト・スピクルム》。槍スキル熟練度による補正と彼女の反応速度もあってヘビーバリスタの矢よりもなお速い、魔弾の如き一撃。
あれは
弾くなど論外、少しでも避け損ねればそれすら致命的。何故なら――
跳躍。全力で左へ跳ぶ。
――着弾点が、爆ぜた。
バースト・スピクルム。物理二割、炎八割。地面、キャラクター、あるいはオブジェクト――何かにぶつかった瞬間、炎属性の爆発が発生する。範囲は、半径にして二メートル程と小規模だが――ダメージ量はえげつない。なにしろ、単発とはいえ槍系汎用ソードスキル最上級のうちのひとつなのだ。炎耐性の高い火妖精族であっても、耐久系ステータスを上げていないクラインが受けて良いものではない。
なんとか回避は間に合ったが、爆風に煽られ再度飛ばされる。空中で体勢を立て直し、全速力で上昇。
爪先を掠めて、神速の〝何か〟が通過した。
宙返りして後ろを向けば、騎兵槍を突き出した体勢で飛んでいくウォクスの姿。彼女もまた振り返り、空中で停止する。
再び突進。クラインはそれを、今度は刀で下へ弾く。受けたウォクスは前宙して踵をクラインの脳天へ落とす。これを彼は左腕で掴み、振り落としていた刀を返して脚を切断せんと斬り上げる。
(――ヤバッ……!)
(――
両者の表情がはっきりと明暗に別れた。
ウォクスはすぐさま翅を
HPに目をやれば残り数ドットまで減少している。ヒットの瞬間、クリティカルエフェクトが派手に発生していた。これだからクラインは、と思わずにいられない。
クラインの構成は
そして彼の刀。リズベット武具店謹製、《ゼンキ》。先のスリュムヘイム攻略の折に譲渡した《雷鎚ミョルニル》の対価として新たに製作されたものだ。
他の刀系武器と比しても頭ひとつ抜きん出た攻撃力と、それに反比例するかのようなかなり低い耐久値という性能のそれ。
だがこの刀の真価はそこには無い。
エクストラ効果《
クラインの器用さパラメータによるクリティカル発生率は――ALOではステータスを数値で確認できないので体感になるが――
これだけでも《石火》と名づけらるるに相応しい。運が良ければ――あるいは悪ければと言うべきか――即座に戦闘が終わってしまうのだから。
が、さらにここにゼンキの補正が入って五〇パーセント。さらにさらに、クリティカル発生ごとに加算して、五〇回程で一〇〇パーセント。
ある程度素早く動けて、相手の急所を正確に狙い、バカ高いクリティカル発生率補正でほぼ一刀のもとに敵を屠る。正直一対一ではなく集団戦の方が活躍できるが、それはそれ。
そういう〝一撃必殺〟系のプレイヤーというのは、敵に回すと厄介なのは揺るぎない事実。
ウォクスがまだ生きているのはただのラッキーだ。音楽妖精族の紙防御では、あれでHPが全損してもおかしくなかった。斬られたのが足首ではなく、もう少し身体寄り――
もうミスはできない。残りHPが数ドットでは、クリティカルはおろか
――上等だ。
元より一撃受ければ終わったであろう戦闘だ。彼の攻撃を全て躱してやる気概はある。
足首から先が無くては地上戦は望めないが、さしたる問題ではない。SAOからの移住組には珍しいが、
「……ふふ」
ある意味想定外の窮地に気が昂ぶる。
――嗚呼、なんて、愉しい。
――これだから、VRMMOはやめられないのだ。
傍から見るにクライン優勢の戦況。しかして彼は、その顔を苦々しげに歪めて、
(……やっべ)
――スパァン! と、
それを耳にするより早く、クラインは左へと
目前に居たウォクスは何処かへ消えている。であるならばそれは、この場において彼女でしか有り得ない。先の音は、彼女が翅で大気を打った音だ。
今までよりもなお速い突進。別に今まで手を抜いていたわけではない。単に〝HPが一定以下になったときに発動するスキル〟が効果を十全にふるったに過ぎない。
《脱兎》のスキル。HPが一パーセントを切ったとき、敏捷を
「残念、外しちゃった。あなたならこっちに避けると思ったんだけど」
「……っぶねェなチクショー!」
若干涙目になりながら、クラインは全力で地上を目指す。その間にもウォクスは突撃して、彼はそれをほとんど勘でいなして着地した。
確かにHP残量で見るならクラインが優勢である。だがその実、今の彼は窮地にあった。
戦闘において、頭上を抑えられた状況は非常に不利に働く。であるから、ALOにおいては致命的に空戦が苦手だというのでない限り、相手が飛べば自らもまた飛ぶ。事実、クラインは空戦があまり得意ではないが、先の攻防において途中からは飛んだ。きっかけはウォクスの攻撃を避けるためであったが、その後彼女が飛び上がったからには着地するわけにはいかなかったからだ。
だのに今、彼は地に降りた。何故なら
普段の彼女が相手ならば良かった。突進には目で見て対処できたから、頭上を取られるよりは戦いやすい。何より、彼は魔法を使えないので、飛ばなければ攻撃手段が極端に制限される――のだが、今は事情が異なる。
HPを数ドット残してしまったせいで、もはや彼には突進する瞬間の彼女を目で捉えられない。
こうなってしまっては、全方位どこから攻撃されるかわからない空中に留まるよりも、着地して〝下から来る可能性〟を潰した方がマシだ。
だってどうせあいつは――
「――――♪」
――飛びながら歌スキルで敏捷バフをかけて、さらにスピードを上げるのだから。
彼女が並のプレイヤーであったなら、自身のスピードについて行けずにコントロールを失い、自滅しただろう。
だが彼女は、
翅を動かす精密さ、力加減やタイミングの判断力、そして特に、左右の翅を完全に独立して動かせる器用さ――左右を別の角度で動かすことはもちろん、
それらが可能とする、超高速飛行。今や彼女の速度は通常の飛行ですら最初の突進時のそれを上回る。
時々例の羽搏きの音が聞こえるのは、鋭角にターンするにあたって一際強く搏つからだ。ほぼ減速無しでそれをやってのける技術は敵に回すと厄介きわまるが、しかしそれはクラインにとって地獄に垂れた蜘蛛の糸でもある。
なにしろこの闘技場は――狭いのだ。
普通に闘うなら何程の問題も無い。普通に飛ぶならば十全の広さがある。
しかし彼女のメインアームは騎兵槍で、飛行中の主な用途は突進で、そして
つまり、彼女が仕掛けてきそうなタイミングで、かつこの範囲の方角から羽搏きが聞こえたときにカウンターを狙えば――
(とか考えてるこたァバレてるはずだから――)
――正面から翅を搏つ音。
クラインは左に跳び
――背後の轟音に紛れるようにして、頭上から翅を搏つ音。
彼は刀を上――ではなく、逆手に持って後ろに突き出した。同時、彼の胸から黒い刃が生える。
「さすがワタシの旦那様、お見通しね」
「いや正直ただの勘だ勘」
「バーカ、勘で当てられたからこそ嬉しいのよ」
二人の身体が同時に燃え尽き、リメインライトと化す。次いで、選手控え室へと転送された。
統一デュエルトーナメント西ブロック準決勝、クライン VS ウォクス――
試合前に話していた勝負が無効となり、クラインは血の涙を流した。
★
さて、最後の攻防がどうなっていたのかというと。
ウォクスがクラインの正面で羽搏き、彼の頭上へ向かう。同時に騎兵槍を彼に向かって投擲。これで仕留められればそれはそれで良かった。
而して彼はそれを避けたので、騎兵槍とその後の轟音を囮にして、彼の頭上で再度方向転換。彼ではなく壁へ突撃。そして斬られていない方の脚で壁を蹴って背後から襲いかかり、短槍を彼の背に突き立てる。
これを勘で迎撃したクラインだったが、短槍とはいえ刀よりは間合いが広いため彼女の攻撃が先に当たる。ガンガンHPが減っていくも、全損する前に刀は彼女に到達してその数ドットのHPを削り切り――しかしそれと全く同時に彼自身のHPも底をつき。
「――とまあ、そんな感じよ」
結果として、引き分け。どちらも勝ち上がらず、よってアスナとの激戦を制したユウキは不戦勝で西ブロック優勝。続くチャンピオン決定戦は《黒の剣士》VS《絶剣》ということで大いに盛り上がり、一〇分にもわたる勝負の末ユウキが優勝を飾った。
『わかるかそんなもん!』
と、声を揃えたのは里香、珪子、詩乃。
特に詩乃はVR歴もALO歴もさほど長くはなく、また生来の反応速度も並のため、試合中は完全に置いてけぼりであった。
「……直葉ちゃん、見えた?」
「序盤はギリギリ……アスナさんは?」
「歌バフまでは辛うじて……」
「ボクはずっと見えてたけどねー」
「あなたみたいな化け物と皆さんを一緒にしないの」
「ねーちゃんそれ非道くない?」
などと言い合っているのは明日奈と直葉、そして木綿季とその双子の姉の藍子。
あまり似ていないと評されるこの双子ではあるが、顔の造形自体はそっくりだ。ただ、性格やそれに伴う雰囲気・顔つきがまるで違う。
ちなみに現在は統一デュエルトーナメントの翌週の休日。響子ん
あと遼太郎は追い出された。今頃はダイシー・カフェにでも居ることだろう。
「ま、あんなスピードそうそう出せないけれど。脱兎の条件が音楽妖精族には厳しすぎるわ」
「あれ、歌スキルの敏捷バフは? 試合でも使ってたよね?」
「あれあんまり倍率良くないのよ。一・三倍だったかしら。脱兎で三倍になったからこそあれだけの効果を発揮したのよ。素のステータスじゃ雀の涙」
「えーマジかー……ボクにもかけてもらおうと思ったのになー」
「敏捷バフ系スキルってたいてい不遇よね。上昇値がしょっぱいっていうか」
「わかるー」
「だからこそ脱兎の倍率はかなり魅力的なのだけど……」
「でも条件がなー。だからボクはとるの諦めたんだよ」
「ワタシもそろそろ外そうかなーと思ってたのよ……でも今回みたくたまーに活躍しちゃうのよねー。悩ましいわー」
敏捷重視ビルドの響子と木綿季が二人だけで盛り上がっていく。
しかしこの場は女子会で打ち上げである。そんな横暴は認められない。
「はいはい二人だけで盛り上がってないの。ケーキ食べるわよー。アタシこれー」
里香が取り出したるは洋菓子店の箱。ここへ来る途中で彼女が買ってきたケーキのそれだ。無論彼女は何が入っているかわかっており、いち早くモンブランを確保した。
「ちょっ、リズずるい!」
「早いもん勝ちよーん」
「あ、じゃあワタシはティラミス」
「ボクはチーズケーキー」
「ガトーショコラはもらっていきますね」
「じゃあ私はオペラにしようかな」
「私はフルーツタルトがいいです」
「あ、フロランタンあるじゃないですか! 私これにします!」
「じゃあ出遅れたアスナは残った苺ショートね」
「好物が残ってるのが余計に腹立つんだけど!?」
なんだかんだ長い付き合いである。全員の好みにおおよそ寄せて買ってくるくらい造作もない。
それから、響子が全員分の飲み物を淹れなおして、
「というわけで、ユウキ優勝おめでとー! あとみんなトーナメントおつかれー!」
『おつかれー!』
まあ、出場してないのも居るが、気にしたら負けである。
アスナはショートケーキ好きそう(偏見)。
ツッコまれる前に。ウォクスのスピードは、原作三巻のキリトを基準にして、それよりもう少し速いくらい。これが素ですね。
そこから脱兎スキルで三倍、それを歌バフで一・三倍です。わあ速い。
そして番外編的なアレでSAOでの話を書こうかと思ったら原作一巻二巻が行方不明に……。アニメを資料にして書くか買い直すか諦めるか……。
ところで、本名もじり組はまあいいとして、クラインはおそらく壺井の「壺」と「クラインの壺」がかかってて、シリカは珪子→珪素→二酸化珪素(Silica)が由来だと思うんですが、リズベットはあれ何なんでしょうね。長年の疑問にござる。