ロウきゅーぶ!~疾風迅雷の天才~   作:園部

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第4話

今日は試合の日。やれることはやったしどんな結果になっても受け入れるつもりだ。

 

「みんな今までよく頑張ってきた。昴さんの指導の下、みんな短い期間でかなり成長できていると思う。男バスなんかに負けず全力で試合を楽しんでこい!」

 

『はい!』

 

後は昴さんに任せよう。俺から言うことは後はなにもない。ただ全力で応援するだけだ。

 

試合が始まった。序盤は愛莉を中心にゴール下から攻める。

 

「(やはり背が高いだけで武器だな。男バスのC(センター)も頑張っているけど届かない攻撃はどうしようもない)」

 

もし俺が相手の立場だったら、高さで勝負はしないけどな・・・・

 

どうやら相手は2人で対処するらしい。

 

「(バカだな。愛莉は正直まだ技術なんてない・・・・わざわざ人数増やさなくてもやりようはあるのに・・・・)」

 

愛莉はシュートが出来ないので真帆にパスをし、ジャンプシュートを決めた。

 

「(右斜め45℃からしか決めれないけどハッタリとしては充分。仮に真帆についても・・・・)」

 

真帆は紗季にパスをして受けた紗季はジャンプシュートを決める。

 

「(紗季は真帆とは逆の左斜め45℃でしか決まらない。けど相手はそんなことは知らない。インサイドならある程度どこでも決めてくると思わせればそれで上々。真帆や紗季にも両方マークをつけたいとこだがそれも無理・・・・・智花にダブルチームがついてるから。智花と愛莉にダブルでつき、残り1人は真帆と紗季の両方ケア?無理だな。まぁ、ひなをスルーしてるのは若干イラつくがそれもしょうがないだろう。)」

 

ただ、不安要素がある・・・・それは後半開始すぐに訪れた

 

「(やはり、スタミナだけは一朝一夕じゃ無理か)」

 

前半の貯金を使い果たし逆転されてしまった。しかしまだ終わってない。

 

「(ここまで目立った活躍をしていない智花。そもそもあの程度のダブルチームなら智花ならいつでも抜けた。それをしないのは昴さんの指示で一定の時間が来るまで体力の温存に務めてた。みんなの体力が落ちた頃に動けば・・・・・このコート上で彼女を止められる者は1人も居ない)」

 

相手のエースの竹中も奮闘するが。ひなの演技によって余計なファールをもらってしまう。

 

「(好きな女が目の前で突然後ろに倒れたら動揺するよな・・・にしても昴さんも鬼だな。竹中の好意を利用するとは・・・・・俺も使えるなら使うけど)」

 

しかしここからは通用しないだろう。こっちも全てを出した。ここからは両エース同士の殴り合いだな。

実際試合はシーソーゲームになった。智花が取れば竹中も取り返す。

 

「(さてこれがラストの攻撃・・・残り1点差で智花にトリプルチーム。時間も少ない。智花はどうする?自分だけで足掻くか?それとも・・・・)」

 

智花は前方にボールを放った。それは一見自暴自棄にも見えたがボール先には真帆がいた。それをジャンプシュートで決め女バスの逆転勝利が決まった。

 

「(あの状況で仲間を信じるか・・・・・俺だったら意地でもぶち抜いて1人で決めに行ってただろう。ガス欠状態でもパスが来ると信じて走った真帆と視界が塞がれてたのに的確に真帆にパスをした智花・・・・・異常なまでの信頼関係だな)」

 

 

長谷川家で祝勝会が行われる

俺は昴さんのほうを向いて頭を下げた

 

「ありがとうございました。貴方のおかげで女バスは救われました。」

 

「いや、俺なんてたいした事はしてないよ。みんなが頑張ったこその結果だ」

 

「間違いなくこの結果は貴方がもたらしたことですよ・・・・ところでコーチを延長する気はありませんか?これからも貴方に指導していただけると有難いのですが・・・」

 

「そーだぞ!すばるん!」

 

「いや、そろそろ自分のことに戻らないといけないからね。」

 

「すみません、こちらもそれではいサヨナラとは言えないんですよ・・・・ではまた賭けでもしましょうか?」

 

「この前みたいに1on1でもするの?」

 

「いえ今度はフリースローです。」

 

「フリースロー?連続で何本か決めるとか?」

 

「そうです。50本連続で決めるのでその時は正式にコーチに就任してください」

 

「でも空なら普通に決めるんじゃない?」

 

「やるのは智花です」

 

「ふぇ!?」

 

「どうでしょう?」

 

「それなら・・・・まぁいいか」

 

言質は取ったよ・・・・

 

「というわけで智花。よろしくね、コーチを手に入れられるかどうかは君にかかっている」

 

「う、うん・・・・」

 

「大丈夫。期限決めてないし軽い気持ちでやっちゃいな」

 

「あ・・・・」

 

もう遅い。承諾した時点で追及しなきゃ・・・・

とりあえず俺は愛莉の所に向かう

 

「愛莉、ちょっといい?」

 

「なに?空君」

 

「愛莉のやっていたポジションさ・・・・」

 

「SF(スモールフォワード)だよね!上手くできてたかなぁ・・・・」

 

「上手くできていたよ!・・・・Cだけどね」

 

「え・・・・?」

 

「愛莉のやっていたポジションは、背が高い人が基本行うCなんだ」

 

そういった瞬間愛莉は泣きだしてしまった。覚悟はしてたが・・・・・ここまで泣くとは・・・・

俺は他のメンバーからのパッシングを受けながら愛莉を全力で宥めた。

なんとか許して貰えたところで今日はお開きになった。

 

 

 

1週間後

今日は練習がないので教室に残って喋っていた。

 

「もっかんいつまで掛かるのかなー・・・」

 

「んーさぁ?でも智花ならそこまで時間も掛からないはず・・・・」

 

「ねぇ・・・・なんで賭けなんかにしたの?」

 

そう聞いてくる紗季。

 

「必要だったから。ただお願いしただけじゃ戻ってこないと思ったし・・・素直じゃないしね、昴さんは」

 

「・・・そう」

 

そうして喋っていると携帯が鳴った。

 

「智花からか・・・・・どうやら勝ったらしいぞ」

 

「ほんと!?よかったー・・・・」

 

そうしてみんなが安堵する。

昴さんが正式に戻ってくるなら・・・・・俺ももういいかな

 

「昴さんも戻ってくるし皆に話しておく、俺は今日かぎりで女バスを退部する」

 

「・・・・・え?」

 

「智花や昴さんにもそう言っておいてくれ。じゃあな」

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!何で急に・・・・」

 

「これから心機一転して女バスはスタートする。そこに俺は必要ないからだ」

 

「必要ないって・・・・・そんな」

 

俺はみんなから背を向けて教室を出ていく

 

 

 

最近自分を上手く作れなくなってきた。それはマズイ。その原因になったのは間違いなく女バスだろうと結論付けた。だから離れる。部活は辞めるがそれで付き合いがなくなるわけじゃない。これからはその他大勢のような接し方をすればいい。あぁ・・・面倒臭い。こんなに自分を保てなくなるって分かってたら絶対入らなかったのに・・・ちょうどよく昴さんが戻ってきてくれて助かった。

 

 

翌日

 

「ソーラン!」

 

真帆と女バスのみんながこちらに来る。

 

「どうした?」

 

「どうしたじゃない!何で部活を辞めた!」

 

「いいか?真帆。俺は男だ。いつまでも女バスにいるっておかしいと思わないか?」

 

「思わない!」

 

「悪いが戻る気はないよ。部活を辞めるだけ。それだけで俺達の関係は変わるのか?」

 

「変わらないけど・・・・」

 

「じゃあいいじゃないか。今まで通りやっていけばいい」

 

『・・・・・・』

 

 

数日後、美星先生が話があるようで俺は職員室に向かう

 

「何かありました?」

 

「確か空も球技大会はバスケだったよね?」

 

「そうですね。それがなにか?変更してほしいなら別に構いませんが」

 

「そうじゃなくて・・・・合宿に来ないかって話?」

 

「合宿?球技大会の為に?別に必要ないでしょう。うちの男子や真帆は打倒6-Dに燃えてますけど俺自身は遊びの延長線上だと思ってますし」

 

「・・・・なぁ、話は変わるけど何で真帆と竹中の喧嘩を仲裁しなかったんだ?お前なら真っ先に仲裁に入ると思ってたんだけど」

 

先日、竹中と真帆が休み時間に喧嘩した。得意競技で負けてイラついてた竹中に真帆が絡んだのが原因。あれは竹中じゃなくてもキレる。

 

「そうですね。あの時は本に夢中になっていたので・・・・」

 

「あれだけ大騒ぎになったのに?愛莉に声をかけらてもシカトしたんだって?」

 

「本に夢中になって気づきませんでしたよ。愛莉には後で謝罪しました。それが何か?」

 

「いや、もういい。とにかく合宿には来ること。これは教師としての命令だ」

 

「分かりました。」

 

美星side

 

普段通りに見えるけど壁作ってるなー・・・・・拒絶オーラが半端ないって・・・

みんな辞めたことを気にして練習にも身が入ってないし、昴も昴で折角コーチに就任したのに覇気がない。今回の合宿中でなんとかなればいいけど・・・・

 

 

sideout

 

 

金曜日になり体育館に向かう。今日から合宿だ。

ただ・・・・・・やる気は全くない

 

俺は体育館のドアを開けるとそこには喧嘩中の竹中と真帆が決闘していた。

 

「お久です。昴さん」

 

「あ・・・・空」

 

「またあの2人喧嘩してるんですね。こんなんで合宿になるんですか?」

 

「・・・・・なんとかやってみようとは思う」

 

俺はあの2人を止めようとする。

 

「いい加減しろバカ2人」

 

「う・・・・・御巫」

 

「ソーラン・・・・」

 

「隣のバレー部にまで迷惑かける気か?喧嘩するなとは言わない。ただ・・・・時と場所を考えろよ」

 

「「は、はい・・・・・」」

 

 

昴side

 

凄い。あの2人の喧嘩を押さえちゃったよ・・・・

 

「でもなんで2人が空の言うことを・・・?」

 

「あ、それはですね・・・・」

 

智花が理由を知ってるみたいでそれを聞く

 

「空君。転校初日に愛莉をイジメてた男子たちを1人で倒したからです。」

 

「それは凄いと思うけど「10人」・・・え?」

 

「10人いたんですけどみんな倒して保健室送りにしました。それ以来みんな空君だけは本気で怒らせちゃいけないって思ったんです。」

 

10人って・・・・・むしろそんなに愛莉を虐めてたやつが多いことにビックリした。

2人を窘めた空がこちらに来る

 

「まだ部活中でしたよね?俺は図書室で暇を潰してくるので。何か用があったら携帯鳴らしてください」

 

「ちょっと待った・・・・一緒に練習しないか?」

 

「今は部活中でしょ?部外者なんで外れときます。」

 

部外者・・・・・その言葉に竹中以外は悲しい顔をする。

 

「何だ御巫もようやく気付いたのか。女バスなんかに居る意味ないしな」

 

「そうだな・・・・・でも竹中。女バスなんかに負けたお前がそれを言うのか?」

 

「うっ・・・・・」

 

そういって空は体育館から出た。

 

「うぅ・・・ソーラン・・・」

「空君・・・・・・」

 

この空気はマズイな。なんとか入れ替えしよう

 

「みんな!まだ部活時間中なんだ。気を取り直して練習だ!」

 

俺はみんなを鼓舞すように言った。空の事も気になるけど今はみんなが優先だ

 

sideout

 

「(もうこんな時間か・・・・)」

 

俺は図書室で本を読んでいた。気が付いたときには夜になりかけていた

そのとき昴さんが来た。

 

「ごめん、今いいかな?」

 

「いいですよー何か用でも?」

 

「真帆と竹中の間を取り持つのを手伝ってほしい」

 

「・・・・・なぜ?別に放っておけばいいじゃないですか。」

 

「え?なんでって・・・・このままだと雰囲気だけが悪くなる。それじゃあダメだろう」

 

「・・・・なにかプランでもあるんですか?」

 

「ああ、ミホ姉から色々グッズを差し入れてもらったんだ。それを使えば・・・」

 

「ダメですね。それじゃあ何も変わりませんよ」

 

「やってもいないのに何で分かるの?」

 

「今回の原因はバスケにあります。解決もバスケじゃなきゃ一時的に仲直りしてもすぐにバスケが原因で仲が悪くなる。」

 

「それは・・・・・」

 

「手っ取り早い方法はありますよ」

 

「それってなに!?」

 

「真帆がバスケを辞めれば次第に仲直りできるでしょうね」

 

「・・・・それは出来ない」

 

「・・・そもそも何故竹中があそこまで怒ってるか理解してますか?」

 

「え?真帆にバスケで負けて挑発されたからじゃ・・・・」

 

「それもある。けど、根本はそうじゃない・・・・竹中に聞いてみればどうです?アイツは多分俺達の知らないことを知っています。そして恐らくそれが原因でしょうから」

 

「・・・・何でそこまで分かるの?」

 

「喧嘩をしてもここまで長引いたことはない。原因はバスケ。そして竹中はバスケが好き。それだけ分かればなんとなく・・・・ってことです」

 

そうして昴さんは出ていった。

俺もそろそろ戻ろうと思い図書室から去った。

 

 

夜、昴さんと竹中が真帆の自主練を覗いていた。

 

「(どうやら、解決したっぽいな)」

 

俺は2人に近づく

 

「よぉ、竹中。ちょっとは真帆を認める気になったか?」

 

「・・・・・ふん。これから次第だよ」

 

素直じゃないねえ・・・

 

「ま、いいけどねー」

 

「・・・・それより、お前は何で女バス辞めたんだ?辞めたら男バスに来ると思ったけどそういうわけじゃないし、合宿にも参加してる。今回も真帆のことを心配してるしお前の考えてることがよくわかんねー」

 

「別に友人だし心配するのはおかしくない。女バスを辞めたのもおかしくはないだろ?俺は男なんだからさ、今までが異常だったんだよ。合宿は美星先生からの教師命令だよ。無茶な願い以外は聞くさ」

 

「・・・・そうかよ」

 

そういって竹中は宿舎に戻っていった。

 

「・・・・違うだろ。」

 

「何がです?」

 

「お前が辞めた理由。女バスにいるのがおかしい?そんなの最初から分かっていたはずだ。それを理解して女バスにいたんじゃないのか?」

 

「・・・・さぁ?どうでしょう。俺自身深く考えずに入りましたからねー。別にいいじゃないですか。俺がいようといなくても誰も興味ないでしょう」

 

「本気で言ってるのか?」

 

「当然でしょう。」

 

「そんなわけない!」

 

そこに自主練を終えた真帆が立っていた。

マズったな・・・・

 

「何でそんな事言うんだよ!」

 

「何でって・・・・事実だろ。」

 

「ふざけんな!あたし達がどれだけソーランのこと心配してると思ってんだ!」

 

心配?俺を?・・・・・・笑わせんなよ

 

「そうか心配してくれたのか、ありがとう。じゃあそろそろ宿舎に戻るか」

 

俺は仮面の笑顔を作り真帆に言った。

 

「ソーラン!何で・・・・そんなに冷たい目をしてるんだよぉ・・・・」

 

・・・・・ダメだ・・・・・・もう・・・・・上手く作れない・・・・

その時真帆のデカイ声に気付いた女バスのみんなが外に集まる。

 

「空に真帆に長谷川さん・・・?」

 

「おー。3人でどうしたのー」

 

「なにかあったんですか・・・?」

 

「真帆の大きい声が聞こえた何かあったんじゃないかって思って・・・・」

 

俺は何でもないように言う

 

「いや、なんでもないよ。明日も練習だろ?もうみんな休め」

 

「ソーラン!話はまだ終わってないぞ!何で辞めた!何でそんな顔してる!何で・・・・」

 

うるさいなぁ・・・・

 

「黙れ真帆。お前らも別になんでもないって言っただろ?とっとと宿舎に戻れ」

 

「空君・・・・?」

 

「何だ愛莉?俺がいつもと雰囲気が違うって思うか?」

 

そういうと愛莉が頷く

 

「当たり前だろ。今までキャラを作って来たんだから・・・・折角お前らから離れて良かったと思ったのに・・・・やっぱり数日でも一緒にいるのはダメだな。無理にでも参加しなければ良かったよ」

 

「ソラ・・・・・」

 

「どうしたひな?俺がお前らの事をなんとも思ってなかったのはショックか?いや、それとも薄々気づいていた・・・・とでも言うか?まぁ、どうでもいいけどな」

 

「・・・・・私たちを騙してたの?」

 

「騙すって人聞きが悪いな。誰だって本音や建て前くらい使い分けるだろ?俺はそれが人よりも極端なだけの話だ。そもそもお前らなんかを騙して何の得がある?」

 

「私たちに言ってくれたことも建て前だったの?」

 

「俺なんて言ったっけ?興味ないし忘れたよ」

 

「空、もういい。よせ」

 

「・・・そうですか。まぁ、これが俺の素なのでよろしく。じゃあ俺は宿舎に戻りますよ。」

 

そういって俺は宿舎に戻る

 

 

昴side

 

正直まいったな。まさか空が・・・・

 

「すばるん・・・・・私たちって空から見ればその他大勢だったのかな?仲間じゃなかったのかな?」

 

真帆・・・・・

 

「みんな聞いてくれ。」

 

『?』

 

「俺は空が違う1面を持っていることに気づいてはいた・・・・・」

 

みんなが驚愕する。

 

「今から話すのは他言無用で頼む。空の家庭環境についてだ」

 

そして俺が知る限りのことを話した。

 

「そんな・・・・・生まれたときから愛されずに育ってきたって・・・・」

 

紗季が震えている。いや紗季だけじゃない。みんな震えていた。想像してしまったんだもし自分がそういう立場だったら・・・・少なくても歪む。自分自身を作ってきた空を誰も責められない・・・・・

 

「・・・・・助けてあげられないですか?」

 

愛莉・・・・

 

「じゃあ空から直接聞こうか」

 

「え?」

 

「今まで生きてきた空の人生を、まだまだ知らないことだらけだし知ればきっと何か助けになれるかもしれない」

 

「教えてくれますかね?」

 

「聞くだけ聞いてみよう」

 

そういって俺達は空のところに向かう。

 

 

sideout

 

 

「なるほど、だから俺のほうに来たと?というか喋ったんですね。叔母が叔母なら甥も甥ですか」

 

「あはは・・・・」

 

「というか、美星先生も来たんですか?」

 

「にゃはは。担任として聞いておきたいんだよ。少なくても幸せではなかったんだろ?」

 

「そうですねー。まぁいいでしょう。暇つぶしに聞いてもいいですよ」

 

「え?こっちから頼んできたことだけど・・・・いいの?」

 

「ええ、部屋に入ったと同時に背中を愛莉、右腕を真帆、左腕にひなが掴んで離さないのでね。絶対聞くまで離れるつもりないですよね?」

 

「当然だ!今日は寝かさないぞ!」

 

「おー。ひなも寝かせない」

 

「寝かせません!」

 

「ご、ごめん・・・・・」

 

「いや、いいです。では話しましょうか。誰からも愛されなかった男の物語を・・・」

 




なんかなー・・・・・

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