ロウきゅーぶ!~疾風迅雷の天才~   作:園部

2 / 17
ちょっと年齢設定ミスってましたね。
今は5年生の冬辺りです。若干前話も編集していますが、特に見ても見なくても支障はありません。

今回若干昴アンチが入ってますので注意


第二話

朝から真帆に勧誘されるが・・・・

 

「俺男子なの分かってるよな?」

 

「もちろん!でも入って!」

 

「・・・・なんでバスケ?まさか昨日のでハマったのか?」

 

「うん!昨日のもっかんとかソーランが凄いかっこよかったからあたしもやりたい!」

 

「部活って言っても簡単に承認されないだろ?」

 

「大丈夫!もう5人揃ったし顧問もみーたんがやってくれるって!」

 

その行動力は褒められるべきなんだろうけど・・・

 

「じゃあ俺が入る必要ないんじゃないか?」

 

「やだ!ソーランも一緒じゃなきゃ嫌!」

 

なんという我がまま姫なんだろう・・・・

 

「メンバーは?」

 

「紗季とヒナとアイリーンともっかんと私!」

 

智花も入ってるのか。昨日の今日で大分仲良くなれたみたいだな。

まぁ、みんなで放課後バスケして遊ぼう程度だろうし別にいいか。

 

「いいぞ。でも男子バスケが放課後体育館使ってるけど?」

 

「大丈夫!1日置きに女子部で使わせてもらうことになったから!」

 

一日・・・・実質放課後だけでそこまで決めてたのかよ・・・

 

「そこまで決まってるなら俺も何も言わないよ。」

 

「うん!じゃあそういうことで!」

 

ま、ちょうど練習場所探してたし都合はよかったな。

 

 

 

放課後

 

今日から早速練習に入る。

 

「さて、女子バスケ部になんで俺がいるかとか疑問があるだろうけど、真帆のやったことだから察してくれ」

 

「真帆が迷惑懸けるわね・・・・」

 

「気にすんな。つーか紗季のそれは・・・・?」

 

「アイガードよ。今日の朝真帆から渡されたわ。こんな特注品貰っちゃ断れないわよ・・・・」

 

「じゃあ最初は何をしようか・・・?」

 

愛莉がそういうと

 

「まずは準備運動。怪我の予防だけはしっかりとね」

 

俺達は2人組になった柔軟をする。ちなみにペアは、真帆と紗季、ヒナと智花、俺と愛莉だ。

 

「愛莉身体硬いねー」

 

俺は愛莉の長座前屈を手伝っていた。

 

「ううぅ・・・・」

 

「ちょっと痛むかもしれないけど・・・・押すよ」

 

俺は愛莉の肩に両手を置き押すと

 

「いたいよぉ・・・・」

 

「痛むけど10秒だけ我慢してねー」

 

10秒が経ち俺は愛莉の肩から手を離した。

 

「ひどいよぉ・・・」

 

「ごめんごめん、でも身体は柔らかくしといたほうが怪我の予防にもなるしね」

 

みんな準備運動が終わって集まる。

 

「今日は初日だしね。とりあえず3対3でゲームしようか。」

 

俺はそう提案するとみんながそれに乗る。

 

「俺と智花は分けて、それ以外は適当でね」

 

そういって今日はゲームをするだけで今日は終わった。

 

練習が終わり、俺は智花に声をかける。

 

「智花、ちょっといい?」

 

「空君?大丈夫だよ」

 

「一緒に帰らない?ついでにこれからの練習についてなんだけど・・・・」

 

「そうだね。決めなきゃいけないのは分かってるけど・・・」

 

「みんなお遊びの延長線上だもんねー。大会とか目指してるわけじゃないしそこまで決めなくていいかな?」

 

「うん、私はみんなとバスケが出来れば何でもいいから」

 

「・・・・そっか。智花がそれでいいなら俺は何も言わないよ」

 

それだけの実力があって勝利を目指さない。前の学校で何かあったのは確定なんだろうけど、それを聞くにも付き合いがまだ足りないか・・・・

 

「じゃあ、今日は帰るね。練習はまた来週からだね」

 

「うん、じゃあね」

 

とあるマンションの1室

俺は家に帰ってきた。

ただ家には誰もいない。

 

「家に金を置いて後は放置。まぁ、金を出してくれるだけ有難いか・・・・」

 

俺の両親は仕事人間だ。お互いそこに愛なんてものはなく、ただ体裁の為に結婚して体裁の為だけに俺を生んだ。

ここに転校してきたのも親の都合。親曰く「俺達に迷惑を掛けなければ好きにしていい。金は毎日置いてやるからそれも好きにしろ。欲しいものがあって金が足りないならホワイトボードにその品を書け。必要な金額を置いておく。学生でいる間は金の工面だけはしてやる。それ以降は勝手に生きろ」

本当に俺の親か?って思うよ。超絶放任主義。親に書いて貰う書類も置いとけば勝手に書くし3者面談のときも「息子の意志を尊重して全て任せます」だもんなー

 

「・・・・・買い置きしてた冷食でも食べよ」

 

 

 

それから特に何も起こらなかった。

バスケは週2日のゲーム中心。ただみんなが楽しんでやっているのがよかった。智花と親睦を深めるためにみんなで真帆の家に遊びに行ったりとか、真帆の家でクリスマス会をしたとか。そんなこんなで俺達は6年生になる。

 

 

「クラスの面子ってたいして変わらないんだな」

 

「みんなと一緒で嬉しいよ!」

 

「おーヒナも嬉しいー」

 

「私はまた委員長やらされるのかしら・・・・」

 

「それが紗季のしゅくめーだ」

 

「紗季ちゃん、頑張って」

 

この当たり前の日々がずっと続けばいいのに・・・・そう思っていたが・・・・

 

俺達はいつものように放課後バスケをしていた。そのとき体育館のドアが思いっきり開く音が聞こえた。

 

「お前らに体育館を使う資格はない!!」

 

竹中と男子バスケ部だった。

 

「いきなり来て何を言ってるんだ?」

 

「そうだぞ!今日は女子部が使う番だろ!」

 

「お前らお遊び部が体育館を週3日も使うなんて勿体ないだろ!だから俺達と勝負して勝ったら場所を明け渡せ!」

 

「勝手なこと言わないでくれる?」

 

「それに何で今更?文句があるなら去年から言えばよかったんじゃないか」

 

「真面目にバスケやってんならこっちも文句ねーよ。けど、実際はただバスケで遊んでるだけだろ!こっちは今年こそ県大会で優勝したいんだよ。頼むからこの場所を返してくれ!」

 

「悲劇のヒーロー気取りはやめろ。この場所は正式に学校に申請して受理してもらった場所だ。お前にも事情があるんだろうけど、正直こっちはお前の事情なんてどうでもいい。それにこっちは週3日しかここを使えない。今の状態でも男バスが優遇されてるのが分からないのか?」

 

練習して強くなりたい気持ちはよく分かる。けど、一度決まったことに対して駄々をこねるのはよくない。それに文句があるなら決まった段階で言えばよかったのに何をいまさら・・・・

 

「空君厳しい・・・・」

 

「ソーランって仲間以外には意外と厳しいとこあるからなー」

 

「その代わり仲間には甘いんだけどね・・・」

 

「・・・・・そもそもなんでお前が女子部に入ってんだよ!入るならこっちだろ!」

 

「俺が女子バスケ部に入って何が悪い?いつから女子バスケ部は女子しか入っちゃダメなんて決めた?実際俺はちゃんと学校から女子部に入ることを承認されてるぞ」

 

「お前男バスは断ってたじゃないか!」

 

「それも俺の勝手だが・・・・・話題がズレてるぞ。今は体育館の件だ。なんにせよこっちが決闘に乗るメリットはないしな」

 

「ふんっ!ちゃんと学校には許可を貰ってる!」

 

「・・・・は?」

 

「うちの顧問とそっちの顧問で話しがついてんだ!決闘は2週間後の日曜。勝ったら女子部は廃部。負けたらそのまんまだ」

 

「・・・・それお前が持ち出した条件か?お前らが負けても失うものなんて無いじゃないないか。それは公平って言えるのか?」

 

「違う・・・・そもそも決闘なんて顧問2人が言いだしたことだ。実際俺達は不満を持ってたしちょうどいいかなって。」

 

美星せんせぇー・・・

 

「はぁ、学校側が認めてるなら受けざる得ないか・・・・・その試合は当然俺も出ていいんだよな?」

 

「それについてはダメだ。お前は女子じゃない。だから女子チームに入るのはおかしいからダメ」

 

「・・・・・まぁいい。じゃあ話しは済んだな?お前のせいで時間を無駄にしたんだ。とっとと出ていけ」

 

「う・・・・・分かったよ」

 

そして竹中達が体育館を出ていく

 

「試合どうする?」

 

「当然勝つ!」

 

真帆がそう言うが・・・・

 

「あんまり現実的じゃないわね」

 

紗季がそれを否定する

 

「なんでだよ!」

 

「真帆落ち着け。普通に考えて今まで遊んでいた素人が努力してる経験者に勝てると思うか?」

 

「それは・・・・」

 

真帆が言葉に詰まる

 

「ぶっちゃけ戦力になるのは智花だけ・・・・でも智花1人じゃ絶対に勝てない」

 

俺が出れれば別だけどな・・・・

 

「・・・・どうにかできないかな?・・・・やっと見つけた居場所なのに・・・・」

 

「智花ちゃん・・・・」

 

そうして一同が意気消沈していると

 

「おー。だったら練習する」

 

「ヒナ?」

 

「頑張って練習して竹中たちに勝つ」

 

・・・・・それしかないか

 

「みんな。ヒナの言う通りだ。」

 

俺はみんなに向けて言葉を紡ぐ

 

「ここを失いたくないのはみんな同じだろ?なら練習しかない。2週間。ひたすら練習して勝つ。今までちゃんと練習をさせてなかったし辛いかもしれないけど・・・・ついてきてくれるか?」

 

これで拒否られたら多分泣くかも・・・・

 

「もっちろんだ!ソーラン!」

 

「当然!」

 

「おーヒナもがんばるー」

 

「私も頑張るよ!」

 

「私も・・・・!」

 

良かった。そう思っていると・・・・体育館が開く

 

「おー諸君。竹中たちから聞いた?」

 

美星先生だった。

 

「先生、俺達に何一つ確認もせずどういうことです?」

 

「ごめんな空。それに皆も。でも安心していい。まだ話は通してないがコーチを用意できそうだ」

 

コーチ?こんな急に用意できるのか?

 

「空は不安そうだけど安心していい。私の甥の高校生だけど腕は確かだ。中学のとき県のベストメンバーに選ばれてるやつでな。今事情があって暇だから絶対連れてくる」

 

事情ねえ・・・・

 

「その方の名前は?」

 

「長谷川 昴だ」

 

 

今日は水曜日。コーチが来るらしいので俺は美星先生と共に案内の為に待機する。

 

「(どんな人か見極めなきゃな・・・・・美星先生の甥だし心配はないと思うけど、万が一皆に害を及ぼすなら・・・・何をしてでも追い出してやる)」

 

「そう不安そうな顔をするな。危険じゃないやつなのは私が保証するよ」

 

「・・・・すみません、美星先生の親族だし問題ないとは思うんですけど」

 

「にゃはは♪お前は優しいなー。」

 

美星先生が俺の頭を撫でる

 

「・・・・止めてください。」

 

「ちょっと嬉しそうなのにか?」

 

否定出来ない。今まで誰かに撫でられたことなんてなかったし・・・・

 

「そんなことないです・・・・・ってあれですか?」

 

俺は校門前で挙動不審にしてる男に指を差す

 

「あれだな。面白いから少し見てよう」

 

そして少し見ていたが、すぐに我慢できなくなったのか急に走りだしてその男に飛び蹴りを喰らわす。

 

「(容赦ないな・・・・)」

 

俺は倒れてる男に近づいて

 

「長谷川昴さんですね?お待ちしていました」

 

「・・・・・君は?(あれ?どこかでみたことあるような・・・・)」

 

「俺は御巫空。女子バスケ部員ですよ。男子ですけどね」

 

「そうなんだ・・・・っと」

 

「じゃあアタシはこれから仕事があるから空に全て任せた。」

 

「分かりました。頑張ってくださいね」

 

「おう!」

 

そして美星先生は職員室に戻っていった。

 

「では行きましょうか」

 

「あ、はい」

 

そうして体育館に向かう道中で

 

「君は男子なのに何で女子バスケ部にいるの?」

 

「ああ、女子バスケ部を創った子に誘われたからですよ。大層な理由はありません」

 

「そっか・・・・」

 

そして体育館に着いた。

 

「ここです。みんなもう待っているはずなので。では開けますよ」

 

俺が開けるとそこにいたのは

 

『お帰りなさいませ!ご主人様!』

 

メイド服を着た女子バスケ部員達だった。

 

「・・・・・みんな似合ってるけどそれどうしたの?」

 

「似合ってるだって!よかったなーみんな!」

 

「じゃあ着てみた甲斐はあったのかな?」

 

「恥ずかしいけど空君喜んでくれたし・・・・」

 

「おーヒナ似合う?」

 

「ああ、ヒナもよく似合っているよ」

 

俺はヒナの頭を撫でる。

 

「ソラに褒められたー」

 

俺はフリーズしてる長谷川さんを起こし皆に着替えて集合するように言う。

 

「申し訳ありません長谷川さん。貴方を歓迎するにはどうしたらいいかと思ってたんですが、まさかメイド服で歓迎するなんて・・・」

 

「い、いや・・・・大丈夫だよ」

 

「そう言ってくれると助かります。彼女たちも別に馬鹿にしていたわけじゃなく純粋に歓迎したいと思っていただけなので・・・・」

 

そうして皆が体操服に着替えて集まる。

 

「えっと、長谷川昴。15歳、高校1年、バスケ歴は・・・・6年くらい。ポジションはガード。中3のときはPGでした。」

 

各々の紹介が終わり、練習に入る。今日は実力を知りたいとのことなので全体練習からやるはずだが、真帆が長谷川さんにジャレついて練習にならない。

 

「真帆、長谷川さんに迷惑だからやめな。」

 

「ソーラン嫉妬?大丈夫だよ!ソーランのことも大好きだから!」

 

「嬉しいけどそうじゃない。折角時間を割いて練習に来てくれたのに・・・これじゃああまりにも失礼だよ」

 

「うー・・・・分かったよ」

 

「じゃあ、真帆も落ち着いたし練習始めようか。」

 

そうして練習始める前にポジションの説明と役割を説明するときに

 

「ねぇ愛莉?」

 

長谷川さんが愛莉に話しかけた

 

「!?は、はい・・・・」

 

愛莉ビビってるな・・・・性格上だししょうがないけど

 

「愛莉って背が――――――」

 

マズイ!?

 

「長谷川さんごめんなさい!!!!」

 

「え?ゴホッ!」

 

俺は長谷川さんに持っていたボールをぶつける。俺は長谷川さんの元に行き小声で話しかける。

 

「すみません手が滑りました。」

 

「え?謝りながら投げてたよね?」

 

「手が滑ったんです。そんなことより教えてなかったんですけど・・・・」

 

「そんなこと?まぁいいや・・・なに?」

 

「愛莉に背の話題はタブーです」

 

「え?」

 

「愛莉に背が高いとか言おうとしてましたよね?それ絶対やめてください」

 

「なんで?」

 

「愛莉は背が高いことを気にしているんです。もし背が高いなんて言ったら絶対泣きだしてました。なので背の話題はやめてください」

 

「う、うん。分かったよ」

 

「すみません、最初に話しておくべきでしたね。すっかり忘れてました。」

 

「気にしなくていいよ・・・・じゃあ練習始めよう!」

 

 

今日の練習が終わった。

みんなでマップ掛けをしてる最中、智花が落ちていたボールを拾ってジャンプシュートをする。それを見て長谷川さんは興奮していた。

 

「(なるほど、見る目はありそうだな。あれを見て智花の凄さが分かったんなら継続してコーチをしてほしいとこだね。今日見た感じ悪い人じゃないのは確かだし。俺のボールをぶつけたときも許してくれたし。ただ、小学生のメイド服に狼狽してたのは・・・いや、あれは誰でも処理落ちするか。)」

 

まさかメイド服で待ってるなんて予想出来ないだろうし

 

 

そして2日目に問題が起こった。

 

「ねーねーすばるん!今日の練習でレベルどれくらい上がったかな?」

 

「え?んーっと・・・・・18くらい?」

 

適当だろうなー・・・・

 

「じゃあじゃあ18あったら地区優勝の相手くらいよゆーに倒せるかな?」

 

「あっはっは!それはいくらなんでも無理だよ!」

 

「・・・・・え?」

 

「え?」

 

「それじゃあ困るよ!どれくらいレベル上がったら倒せるの!?20?30?RPGだと一晩で10くらいあげられるじゃん!だったら一時間で3くらいあげられるよね?」

 

「・・・・それは無理だよ。急激に上手くなるなんてありえないし、まずは体力つけてからだし、大丈夫。真帆なら運動神経いいから半年・・・・いや1ヶ月ちゃんとメニューをこなせば上手くなれるって!」

 

それじゃあ遅いんだよ・・・・・

この後は空気が重くなって練習は終了した。

 

 

3日目

今日が最終日の予定だけど何とか説得して継続してもらおうかと思っている

しかし・・・・・

 

「さっき、男バスから聞いた。試合のこと」

 

「あ・・・・」

 

「・・・・・ごめん、これ以上コーチはできない。俺にこの短期間の指導で勝たせてやれることなんて出来ない。勝ちたいなら別の方法を考えたほうがいい。俺がどうしようと結果は変わらない。」

 

「すばるん!他の方法なんてないんだよ!すばるんしか・・・・すばるんしか・・・」

 

真帆・・・・・

 

「悪いとは思うけど俺にはどうしようもない。真帆たちのことを可哀想だと思うけど、ちょっとだけ男バスの気持ちも分かるんだ・・・・」

 

「ひどい!ひどいよ!!」

 

俺は泣きだした真帆の元に行って慰める。

 

「とりあえず泣き止め。長谷川さんのことは諦めよう。やってもないのに最初から無理無理言ってる人の力なんて必要ない」

 

俺がそういうと長谷川さんが驚いた目をしてる。

 

「実際そうでしょう?貴方はうちの戦力は知ってても敵の戦力を完璧に把握してるんですか?まさか地区優勝相手だからってだけで無理だとでも思ってるんですか?」

 

「それは・・・・・」

 

「全てを理解して無理だって言うならまだ分かりますが、貴方は実績のみでしかみていない。地区優勝とは言っても小学生チームなんだから隙だってあるはずなのに・・・」

 

「・・・・・」

 

「・・・・けど、俺は貴方がいなくてもいいですが、彼女達には貴方が必要みたいなんです」

 

「え?」

 

「だからちょっと賭けでもしませんか?」

 

「賭けって・・・?」

 

「俺と1on1して俺が勝ったらコーチ継続。負けたら貴方の好きにしてください。コーチ続けてもいいし辞めてもいい。」

 

「小学生相手に・・・・」

 

「自分が負けるわけないと?それこそやってみなきゃ分かりませんよね?なら聞きますが、貴方は公式戦でも相手の実力が上程度で諦めるんですか?」

 

「そんなことはない!どんな相手だろうと全力で・・・」

 

「そう、だからやりましょうか?」

 

そして賭けバスケが始まった。

ルールは3本先取。ボールを弾いた時点で相手の攻撃になる

 

「(俺は小学生相手に何をやってるんだ・・・・いい、早く終わらせよう)」

 

昴は抜こうとするが

 

「動きが散漫ですよ。集中してくださいな」

 

空はスティールでボールを取る。

 

「(速い!?口だけじゃないとは思っていたけど・・・・・)」

 

「じゃあ次は俺の攻撃ですね」

 

「(どんな攻撃を・・・・・・)」

 

その時昴の横で風が吹いた。

昴が後ろを向いたときには既にボールはゴールに入っていた。

 

「集中したほうがいいんじゃないですか?」

 

「(・・・・思い出した。去年の月バスで見た。晴嵐学園の疾風迅雷・・・そしてU-13日本代表のエース)」

 

昴対空の一進一退の攻防・・・・勝者は・・・・

 

「俺の負けですね」

 

昴だった。

 

「はぁ・・・はぁ・・・」

 

「では、賭けの通り長谷川さんは好きにしてください。コーチを続けるにせよ辞めるにせよ・・・・・それにしても、楽しかったですねー長谷川さんはどうでした?」

 

「・・・・・正直燃えたよ」

 

「そうですか。それならよかった」

 

そうして最後の練習は終わった。

帰り道で昴以外のみんなと一緒に帰る

 

「今日の練習は一対一の観賞だったけど・・・・どうだった?」

 

「凄かったけど、あの賭けってなんだったの?」

 

「うーソーランが勝ってれば継続だったのにー!」

 

「でも残念だな・・・・」

 

「大丈夫だよ」

 

俺がそういうとみんなはこっちを見てくる

 

「今回勝ったとしてもそれはやらされていることだから却って負けて良かったんだ。自分の意志であの人にはコーチをやってほしい。だから好きにしていいって言ったの。とりあえず全力でプレーしてもらえば何か思うところはあるかなーって期待したけど・・・・」

 

『けど?』

 

「やってよかった。あの人は絶対戻ってくるよ。なんとなくだけどそう思うんだよねー」

 

 

 

 

おまけ

 

帰り道

 

「ソーランはすばるんがいないほうがよかったの?」

 

「あのセリフのこと?あれは嘘だよ。1対1に持って行きたくてああ言ったの。年上相手に大分失礼言ったからねー後で謝罪するよ」

 




若干昴アンチが入ってしまいましたが、そんな気はなかったんです・・・・

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。