その先の向こうには   作:峰白麻耶

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七か月ほど放置していたのに驚きました。すいません。久しぶりに投稿しようと思います。


入学式8

俺は、憂鬱だった。

 

言わなくてもわかるとうりあの戦闘大好き人間の月見が楽しいなんか言う委員会に俺は、入ってしまったのかと昨日の夜から気が重かった。思わず冷蔵庫に入れておいたケーキをワンホール食べきってしまうくらいには現実逃避をしていた。それでも足りずにもうワンホールいこうかと言ったところで花蓮に止められた。ひとつ言いたい。俺は、悪くない。悪いのは、あの生徒会長と風紀委員長だ。

 

今日の放課後から風紀委員会の巡回に加わることになっていている。今は昼休みの真っただ中。達也は、あの生徒会長に昼ご飯に誘われたらしく、妹共々一緒に行らしい。俺も誘われたがそんな魔窟には行きたくはなかった。というよりも会話に時間を取られて食べる量が減るのがいやだというのも本音だった。真っ青な青空の下、屋上のベンチで日光浴をしながら、昼ご飯というのは気分がすごくいい。春ということもあって暖かい日差しと少し冷たい風が何とも心地よかった。今が昼時ではなかったら昼寝でもしていたかった。

 

前に生徒会に行った時と同じ大きさの弁当箱を膝とベンチに乗せ、周りにいる生徒たちを眺めながら食べる。仲間たちと話してにぎやかに食べるもの、恋人だろうか仲睦まじそうに食べている二人組。、まさに青春というものがそこにはあった。今まではそんなものは目の前にはなかった。俺にとって当たり前ではなかった普通が今は目の前にあって俺は、今その普通を手にしようとしている。

 

いいのだろうか?

 

自分がしたことは分かっている。人を殺した。たくさん殺した。子供だろうが年寄だろうがだ。それが自分から望んだことではないにせよ、結果として多くの人を殺した。それが俺の罪。与えられた罰を成し遂げるために俺は、今ここで生きている。

 

そう、すべては・・・あいつを殺すため。

 

それまではこの普通を生きていてもいいだろうか?

 

なあ、月見?

 

思わずそうつぶやきそうになるのをグッと抑えた。そんなことを言えば月見の鉄血制裁が待っている。あっちに行ったときに殴られるのは勘弁だった。

 

 

 

 

●●●

 

 

思わず感傷的になってしまった昼休み。気持ちを切り替えて。挑んだ午後の魔法実技もちゃんと終わり残念ながら放課後になってしまった。これから荒事ぽいことをやるらしいから、途中で燃料切れにならないようにお菓子で燃料を充填しておく。

 

「雪路。俺は、先に行っているぞ。遅れるなよ」

「大丈夫。流石にそこまでの勇者じゃない」

 

いかにもthe体育会系の委員会のにおいがするのに遅刻なんてするわけがない。特に風紀委員長が怖いからな。俺は、味わいながらも、気持ち急ぎ気味で今日のおやつのチョコを食べ終えた俺は、重い体に鞭を打って風紀委員会に行くのだった。

 

風紀委員会の扉を開けた俺に向けられたのは鋭い視線だった。その視線をたどると森崎がいた。あの騒動の後に本人からのいらない自己申告があり知った名前だった。森崎は何か言いたそうにこっちを見ているが、既に釘を刺されているのか結局何も言わなかった。恐らく達也が来た時に委員長が釘を刺したんだろう。それなりに人が集まっている中で変な注目を浴びずにすんだ。

 

それから五分もしないうちに全員が集まり風紀委員会が始まった。

 

「今年もあのバカ騒ぎの一週間がやってきた」

 

始めは、委員会は委員長のその一言から始まった。話の要点をまとめると魔法を取り締まる側が騒ぎを起こすな大きくするなということだった。そこからは急な自己紹介もあったが無難に終えて先輩は出動していった。なお、新入り三人は説明があるらしく待機だった。

 

「まずはこれを渡しておこう」

 

そう言って渡されたレコーダーだった。。これを胸ポケットに入れとけと言われ巡回中は常に持っとけと言われた。違反行為を見つけたらスイッチを入れろ、別に撮影を意識する必要はないといわれる。それなら楽だと安心した。

 

「次はCADについてだが風紀委員会は学内でのCADの携行が許可されている。いちいち使用の判断を仰ぐ必要はないが、不正利用が判明した場合は委員会除名の上に一般生徒よりも重い処分が下る。それで退学になった生徒もいるから甘く見ないことだな」

 

そう言って釘を刺される。その後は達也が学校の備品を使っていいかという話になり、俺のあだ名に同情的な目を送っていたのが中条先輩で消去法でスルーをしたのが市原先輩だとわかった。

 

おっと。俺は、ひとつ言い忘れていたことがあったのを思い出す。

 

「委員長」

「なんだ?雪路君も備品を使いたいのか?」

「いえ、武器を使っていいかていう質問なんですけど。そこの木刀使っていいですか?」

 

俺は、整理した時に見つけた木刀をわかる位置に置いといたのだ

 

「これか?いいぞ。しかし武装一体型のデバイスではないぞ」

「はい。わかってますそれでいいんです」

 

 

 

しっかりと木刀の使用許可を得て初めての巡回は始まる。

 

 

 

 

 

 

 


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