その先の向こうには   作:峰白麻耶

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誤字や脱字などあればお願いします。後感想を書いてくれると次の投稿が早くなるかもと言ってみたりする


入学式2

おはようございます。入学式をぐっすりと寝た鬼頭です。現在、自分のクラスのホームルームに着ています

 

例えここの高校に入学する事が自分の本意ではないとはいっても入ってしまった以上は観念して学生になります。はい。そして学生らしく顔見知り位は作らないと実習で不便なのでホームルームに着たというわけだ。

 

席の順番は名字のアイウエオ順っていうか?てやつでキ。そしてそこから跳んで次がシと五つ跳んでいる。学生に不可欠なコミュニケーション能力を武器に友人作りに励んでる奴も居れば俺の隣の奴は、女子二人と話しながらキーボードをもの凄い速さでタイピングしていた。どうやって入学式から少ししか立ってないのに女子と知り合ったのか聞いてみたかったがそんな事を初対面で聞くのはおかしいと流石の俺でも分かる。気にしない方向で

 

そしてそれ(女子が二人居ることではない。タイピングのことだよ)を物珍しげに見ている奴も居る。そんな視線に耐えかねたのかタイピングを途中で止め話し始めた。それを聞きながらボーとして何か甘いものでも食べようと鞄を開けチョコの包装をペリペリはがし口に放り込む。俺はふと思った。これが普通の高校生活?

 

俺をこの高校に強制的に入れた張本人はどんな高校を俺に望んでいたのだろうか?一つ分かることはこれは違うと言うことだ。恐らく俺が今BGM替わりに聞いているこの雑談に混じっていることを望んでいたのではないのか?だがあえて言おう。

 

無理だ。顔見知り位作ろうと思ったが無理だ。多少おかしな人生を送って来た俺があのような集団に入るのは難しい。そう、俗に言うコミュ力が足らない。機会があればとも思うが残念ながらその機会が訪れないのだ。神様何て信じないが居るなら神様は少し仕事をした方がいいと思う。誰もがそんな事を考える暇があるなら誰かに話しかけるとかすればいいじゃないかと考えるだろうがそれには経験値が足りなかったのだ。

 

 

カリキュラムを決めると言うのは重要なことだ。それは言わずとも分かること。しかしもう決めてあり入力も済んでる人には暇な時間である。故に終わっている者は帰って良いと言われたが一人が立つだけだった。あの空気の中で退席するとは勇気があると一人感心していたのは俺だけではないはず。そう言えばさっきの人はカリキュラムを打っていたのかと今更気づき出来るのならさっさとやっておけばと後悔しながらカタカタとキーボードを叩いていた。

 

 

登録が終われば自由である。そうと決まれば荷物をさっさとまとめ帰るのが俺である。間違っているか?そうか。気にしない。突然だが俺の趣味は料理である。何故俺の趣味が料理なのか話すとそうしなければ俺が生きられないのだ。歴々の同居人と言っても二人だが料理が正直下手なのだ。ゲテモノを作るわ、食品を粗末にするわなどなど、数えればきりがないがそれほどの失敗をするほどの料理下手だ。それならと俺が作ったのが始まりだ。それからと言うもの料理担当として腕を振るっていた結果こうなったと言うわけだ。そんな俺は今までの通りお菓子が好きだ。特に甘いが。そんな俺はたまに甘いものの食べ歩きをすることがある。昨日の今日で呼ばれるほどこの町は危険じゃないはずである。多分。そこで早帰りを良いことに近くのケーキ屋でお昼である。仕事で一応はお金を貰っているが基本的にお菓子や料理本や調理器具にしか使わない。むしろそれにすら使えない事もある。(同居人が食べたいと言った物を作るための時だ)そのため俺の貯金は貯まりに貯まっている。今日もお目当てのケーキ屋に行った後五パーセント安くなるあのお店に行き買い物をして帰るという将来は専業主夫かとツッコミが入る日課だ。残念ながらそんなツッコミを入れる人は言うまでもなく居ないことをあらかじめ言っておく。

 

一人てくてく歩きお目当てのケーキ屋に付いて席に座る。俺と似たような考えなのか学生が多い。特にカップルだ。この店の匂いも甘いのにカップルたちの会話も甘すぎて立ち去りたくなる気持ちをグッと抑えホットココアとチョコケーキ、チーズケーキ、モンブランとサンドイッチを頼む。店員は一人でこんな食べんのか?と疑惑の目立ったが俺と目が合うと営業スマイルを浮かべ立ち去っていった。その後ろ姿を見て一息といきたいが残念ながら店内は学生で騒がしい。余り騒がしいのは嫌いなんだがお菓子の為と我慢するのは何時もの事であり俺にとっての基準では殆どの場所が騒がしいに当てはまるのでもう慣れたのだ。

 

俺に注文した物が届くと俺はそれにだけ集中する。小さく手を合わせ心の中で頂きますと言うと食べ始める。この時ちょうどあの四人組が来店していた。これが交流の機会と分かっていたが食事に夢中と言う言い訳を作りケーキを食べていたがサンドイッチを食べ終わりデザートに口に入れたチョコケーキがおいしすぎてそんな事はきれいさっぱり忘れていたのだった


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